記事のパスの付け方がよく分からん..
華高とユキ姉2
「ねぇ」
唐突な声にビックリしてみんなで後ろを振り向けば、そこには生気のない高見沢が突っ立っていた。な、なんだよお前..!おどかすなよ!
ドキドキしている俺やユキちゃん、棚瀬、そして他のスタッフたちのこの反応にも関わらず高見沢はそれに無関心。それよりも、俺とユキちゃん以外の人には一度出ていって欲しいと頼んでくる辺り真剣な話しでもしたかったんだろう。
棚瀬たちも慌てて「分かりました」とだけ口にして、すぐさまここの部屋から退散してしまった。さぁ、なんの話しだ?
「ユキ姉。さっき坂崎と話し合ってきた」
「え?もう!?」
「うん」と頷く高見沢。
「なんか、認める認めないどうこうじゃなくて、ユキは俺のもんじゃないから自由にしてくれって言われた」
「そう、か..」
なんだか坂崎のその言葉に僅かながらショックを受けているユキちゃんの反応。あらら、酷いこと言うねぇ坂崎の奴も。もしかしてそれが狙いとか?
「で、本題。俺とユキちゃんの関係はこれからどうする?」
「ちょっとまて、なんつー話しをしてんだ高見沢」
「あぁ、ごめん。桜井も俺とユキちゃんのことでなんか勘づいてそうだなって思ったから」
「そりゃ..ちょっとは怪しいとは感じてたけど..」
「じゃあ、いいじゃん」
いやいや、良くねーよ。ユキちゃんは気にしてなさそうだけど、こんな話し聞かされるこっちの身にもなってみろ。ただでさえ俺たちは面倒くさい関係なんだから、これ以上ゴタゴタさせるのも良くないよね?
隣でユキちゃんと喋っているが、淡々としている高見沢の口調がなんだかいつもの高見沢じゃないような気もした。..中にいるシュンの影響か?
「王子、ウチ..」
「俺はユキ姉の言うことを聞くよ。今のままでもいいし、やめても構わないし」
「やめなくてもいいのか..?」
「ユキ姉が俺を求めてくれるならね」
「そうか」
「じゃあ、今のままでもいいってことだね?」
「..うん」
「分かった」
フッと笑った高見沢の微笑みが少しだけ怖いと思ってしまった。高見沢だけど..中身が高見沢じゃないかもしれんな。
ユキちゃんの返事だけを聞くと、高見沢はこの部屋から出ていってしまった。なので隣に座っているユキちゃんに対して「本当にこれでいいの?」と尋ねてみるも、彼女はなんだかホッと心を落ち着かせたかのような表情を見せている。
高見沢の中にいるシュンに対しての慰めが、これで心置きなく出来るのを安心しているのだろう。坂崎はもうここは目を瞑るしかないしな。
「マサル!ウチちょっと王子追いかけてくるな!」
「う、うん。行ってらっしゃい」
彼女の背中を見送った数秒後、中に棚瀬が入ってきては「高見沢さん、死にそうな顔してましたけど大丈夫でしたか?」と聞いてくる。さぁねぇ、俺にも分からん。
少し雑談をしていると、俺を捜しに来た坂崎がやって来て奴の態度を見てもいつもと変わらない様子。なんとも思ってない訳ないんだけどなぁ。
「本当にいいのか坂崎?」
「俺がユキを止める立場にはいないけどな」
「..もしかしてお前、シュンが可哀想だと思ってるのか?」
「シュンの為じゃない。ユキの為だ」
「でも相手すんのは高見沢な訳だよ?」
「分かってる」
「あの様子からじゃ、高見沢はユキちゃんのことを完全に受け入れる態勢に入ってるしね。あ、もちろんだけど俺はないからな?」
「前世で散々ユキと遊んでた男だもんな、そりゃ若造のシュンに譲りたくもなるよな。知ってる」
「俺はもうマサの記憶を持ってないから知らんよ。でも俺だってあんまりユキちゃんや高見沢に強く言える立場じゃないからね〜」
俺も以前、ユキちゃんと屋上でなんかしてたみたいだし..。マサの記憶抜け落ちた直後だったから、なんにも覚えてない訳だ。
このことに関してはユキちゃんも誰にも言うつもりなさそうだから、俺らだけの秘密といえば秘密だが..不純な気持ちもないからよく分からん心情なのは確か。
そうだよな..前世の記憶を持っていなかった坂崎には俺と高見沢の気持ちはきっと理解出来ないんだろうな。
自分の中にいるもう一人の自分を忘れてしまったこのモヤモヤした気持ち。思い出したいけれど、思い出してはいけない記憶らしい。話しを聞いてると、俺の中にいるマサが一番哀れで可哀想な奴だと俺は思ってしまう。
この間あまりマサのことは聞かない方がいいと言われたが、やはり自分の中にいる男のことを知りたかったのも事実。ちょろっとだけユキちゃんからマサの話しを聞いたあと、なんとも言えない感情に苛まれてしまっていた。それはこの男が向こうの世界の俺自身だからだと思うとそう感じてしまうのだろうか。
彼女を一流に育て上げ、許嫁がいながらも彼女との関係を断ち切れず、そして彼女を庇い死んでいった挙句、こっちの世界での最後はユキちゃんとシュンの分までの罪を背負って心を消した..
この男はそんなに悪い奴なのだろうか?俺にはそうは聞こえてこなかった。
どっちかいえば、やっぱりシュンの方がヤバいと思っちまうのは嫌い合ってたからなのか?詳しくは知らんが、俺はもう一人の自分がそんなに全てを背負い込むほど悪いことしたような奴とは思えない。だから..少しの間だけでもいいから、記憶を取り戻してみたいと考えてしまう今日この頃。
「前世の記憶がそんなに大事かなぁ..」
「そりゃあユキちゃんの世界だもん。俺たち三人があーだこーだ口出し出来る人間じゃないからねぇ。向こうの三人は向こうの俺たちでなんとかするしかないよ」
「….かもな」
「あの..さっきからなんの話しをしているんです?」
話しについていけない棚瀬は終始俺たちの会話には置いてけぼりだった。
❖
仮眠室でぼけーっと座っていたら、さっきユキちゃんが中に入ってきては突然俺を押し倒してきた。
口付けから始まり、自ら服を乱していく彼女とこの身体が重なり合えばもう進むしかない。というより、いつもみたいに拒否をしないでいられるだけ楽になった。でも多分コレは今日だけな気がする。また時間が経つといつもみたいな態度に変わるんだろうなって、自分でも思う。
ユキちゃんの求めるままに..俺は都合のいい男として接してやろう。
彼女は俺を求めてるんじゃなくて、俺の中にいるシュンを求めているんだから。俺がシュンになりきればいいだけじゃないか。それでユキちゃんが満たされるのなら、俺はもうそれでいいや。
きっと俺の中にいるシュンは俺に対して嫉妬するだろう。その時だけでも成り代わってやりたいくらいだが、なくした記憶をどうやって引っ張り出すのかは分からないからどーしようもない。
上からも下からもグチュグチュとエロい音を立てながら指で気持ちよくさせてやっていたが、ふと思い立ちユキちゃんに対して「オモチャある?」と尋ねてみれば、あるとのこと。彼女が持ってきていたバッグの中からバイブとローターが見つかったので、容赦なくその二つで攻めることにした。
ユキちゃんを四つん這いにさせて、その上から俺は覆いかぶさり口付けをしながら自分の手はユキちゃんの下半身に伸ばす。ローターを敏感な部分に固定して、バイブはほぐれている中に遠慮なく突っ込む。
「あぁうっ..!王子、はげしッ..!」
「ほら、この体勢だとバックしてるみたいでしょ?シュンと密着出来て嬉しい?」
「う、ぅん..!嬉しい..ぞっ」
「とっくに中もほぐれてるからすんなり入ったね?坂崎以上のことしてあげるから、俺が手を止めるまで寝ちゃダメだからね?分かった?」
「は、はぃッ..」
ローターもバイブも、いきなり強さMAXにしてみせると、ビクビクンッと身体を跳ねらすユキちゃん。ローターをグリグリと集中的に押さえつけ、なおかつバイブを持つ手は激しいピストンを止めない。
まだオモチャを使って三十秒も経っていないのに、ユキちゃんの口からは「ダメだ王子ぃい!!イクイクイクッ!!」と今まで聞いたこともないような大声で叫ぶ。最早その声色に色気は混じっていない、本気の心の声というやつだろう。
そして彼女が再び身体を思い切りビクつかせてみせると、ガクッと肘をついてしまったので「寝てる場合じゃないよ?」と声をかけ、続けざまに手を動かす。
「おぅじッ..!!も、やめッ..!」
「王子?今の俺はシュンだよ?」
「しゅ、俊..!!待っておくれ..!このままじゃっ..もたないぞ..!!」
素直に受け入れたね..。というよりも、快楽で思考が追いついていないんだと思うが。
「そんなこと言われても知らないなぁ」
ユキちゃんの気持ちは無視で、また激しい動きをしてみせる。さっきイったばかりなんだからら、またいとも簡単に身体をビクビクさせながらイってしまった。
荒い息を吸っては吐いてるユキちゃんの体を持ち上げ、次は目隠し。「やだぁ..」と言いつつも期待してんでしょ?
彼女の体を壁に預けさせ、背中にはクッション代わりに枕をおいてみせる。これで深くバイブを飲み込んでくれるだろう。
ハァハァ言っているユキちゃんをよそに、もう一度バイブを突っ込んでは一番奥の子宮まで届くよう突いてみる。案の定根元までズッポリ飲み込んでいるし、もうこれ以上奥に進めないようだ。
ローターを取り外し、今度は俺自身の舌を使い彼女を攻め立ててみようか。そうなれば彼女も少し恥ずかしいのか、いつも〝女〟を見せる。
「ぃや..!ソコは舐めちゃ..!」
「そんなこと言ってる場合?ね、ユキ姉」
間髪入れずにユキちゃんを攻めてみせると、また絶叫がこの広くない部屋に響く。
ジタバタして、俺から逃れようと腰を引いているけど逃がさないよ..〝ユキ姉〟?
「僕のことが気になるなら逃げないでよ、ユキ姉」
「ンンンんんッ!!!」
「嬉しい。こんなに気持ちよくなってる姿のユキ姉見れて僕は幸せだよ。坂崎以上のことをしてやれるなんて最高じゃないか」
本能なのか、シュンの本音なのか..変なセリフがポロポロこぼれ落ちていく。
もう叫び声にもならないユキちゃんの掠れてきた声。何分こんなことをしていたんだろう?イってもイっても俺の手が止まらないせいで、何度も押し返されたがそんな弱々しい力で俺に勝てるとでも?
目隠ししている布がうっすら濡れている。もう訳が分からないくらい気持ちよくて涙が溢れ出ちゃった?目隠し取ってあげるね、ごめんね。
あぁでも手遅れだ。目が虚ろになっている。というより、次イったら確実に気絶するんだろうなって目をしていた。
「ねぇ、ユキ姉..。今日は僕が何度でもユキ姉のこと起こしてあげるから、ね?」
「ぅ、あ..」
「やっと目が覚めた?」
「王..子..?」
「ご、ごめん。マジで今回やりすぎたかもしれん..」
「記憶が飛んでる気がするぞ..」
「かもね..」
気絶しては無理やり起こしての繰り返しをしていたので、ユキちゃん今動けないみたい。
つーか俺….ホントに大丈夫なのか?坂崎が目を瞑ってるとはいえ、なんかさっきまでシュンに憑依されてるかのような感覚だったから今は心臓バックバクなのよ。夢から現実に戻ったようで、最後ユキちゃんが意識を手放した数秒後、自分は何をやってるんだとハッとなったが..もう手遅れみたいだね〜って。
死にたい..
「さ、坂崎には言わないで欲しいな..」
「..うん。幸之助には今までのこともこれからも..言うつもりないぞ」
「ありがと..。じゃ、動けるようになるまでここに居るから..ゆっくりしてな」
「王子..」
「ん?」
「ごめん..。ウチ、王子のこと、高見沢さんって分かってるつもりなのに..どうしても俊と..」
「そんなこと分かってるよ。俺もこれからユキ姉とこうする時は、シュンの気持ちになってユキ姉の相手をしようと思ってる。その方が俺も気が楽だしね..。まぁ、終わったあと絶望感凄いけど..」
「ごめん」
「いいよ、もう!..坂崎や桜井には俺たちの関係バレちゃったけど、..多分なにも言ってこないから..うん。あんま頻繁には相手出来ないとは思う..けど、その..」
「うん..。分かってるぞ..?ウチの為にありがと、王子」
きゅっと俺の服の袖を握ってくるユキちゃん。
….ズルい。
「ハア..」
俺はもう最初からこの娘に振り回されっぱなしなんだから、これでいいんだ。
ユキちゃんが俺..もとい、シュンを必要とするならば俺はそれに応えよう。都合のいい男に成り下がってでも、俺はこの娘のことをなぜだか大切にしなくちゃいけないと思ってしまうような相手。
前世の俺がユキちゃんにしてあげられなかったことを..今のこの俺が代わりにやるしかない。例え坂崎とユキちゃんがこの先結ばれるようなことがあったとしても、それを俺は引き止めもしないし見守るつもりだ。
花魁だった娘に..寸前まで体が壊れるのにも気づかなかった娘に俺はこんな形でしか支えてあげられないけど、坂崎とはまた別の方法で君を大切にしよう。
周りから見て、説明もしてやらなければ最低な関係に見えるんだろうけど、そんなのどうだっていい。これは俺たち四人にしか分からない関係なんだから他人にとやかく言われる必要なんてない。
だから..
「ユキ姉、こんな形でしかユキ姉の傍に居てやれないけど….僕は幸せだよ?」
「俊..?」
「….高見沢だよ」
可愛い僕のかつて愛した人..
歪んだ関係になったって君の隣にいられるなら僕は..
✁┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
1話で終わるつもりが長くなった(´・ω・`)
華高とユキ姉のこのよく分からない微妙な関係が好きだから書いた。こういうことを華桜とは絶対させられないからどーしても出番が偏っちゃうけど、華桜は華桜で賢さんのことを心配してて欲しい。
幸之助も本音は嫌なんだろうけど、自分の知らない平行世界のことに関してはユキ姉に対して強くは言えないし、出来る限りのことをしてあげたいと思ってるから、これで納得しようとしているらしい。
華高は俊くんの影がチラホラしてるけど、多分俊くんの思いを代弁してるような感じ..かな?笑
これからもかつてのソフィアたち以上にこの奇妙な関係になって貰いたいものですね!
※コメントは最大1000文字、10回まで送信できます