最恐トリオ11

ダメだ、眠い!!

明日も仕事だから1話しか話あげられんかもしれん

 

 

最恐トリオ10

 

「うわっ!?」

「ちくしょうッ‥!」

 

今起きた出来事に頭と体が現実世界では追いついてこなかったせいで、俺と七十二番はものの見事吹っ飛ばされた際地面に着地するのを失敗してしまった。

な、なんで‥

なんで俺は秘密警察を受け止め切れなかった?

 

倒れた体をぐっ‥と起こそうとしてみるも、着地に失敗したせいで体が痛てぇ。そんな俺を見兼ねて助けてくれた坂崎が「しっかりしろ!」と喝を入れては俺を立ち上がらせてくれた。

七十二番も同じく罪人の俺に手を差し伸べられ今しがた体を起こしたところだったが、アイツの顔‥絶望してるようにしか見えない表情をしていやがる。いや、それは俺だって同じだ。あの精神世界からこっちに戻る直後、俺たちは秘密警察を救い出したとは言い難いことをしたような気がする‥

 

「社長、見てください」

「‥?」

隣にやってきた棚瀬が少し困ったような顔をしていて、見ろと言われた方に顔を向けてみせると‥そこには、意識を失って倒れている秘密警察の坂崎がいた。

え‥?

 

「さ、坂崎!?」

「坂さんッ!」

「坂崎さん!!」

地面にぶっ倒れている秘密警察の坂崎目指して、仲間の五人はあっという間にアイツの元へと集まって行ってしまった。名前を呼んでいるが反応がないらしく、五人とも焦りが見え始めているようだ。

それは俺たちも同じで、やっぱりさっきアイツを受け止め切れなかったのは‥まだアイツをあそこから助け切れてやれないという証だった。未だにアイツの記憶は‥あの精神世界に残されたままだと言うのか‥っ?

そんな‥

なんでこんな事に‥

 

「救えなかった‥。アイツの記憶を‥アイツの体を俺が受け止められなかったから‥っ!」

「俺も‥。アイツの手袋だけがすり抜けていく感触だけが‥未だに残っていやがる‥。クソォッ!!」

自分の右手を見つめては顔面を真っ青にしている七十二番。

でも‥でも、まだチャンスはあるはずだ‥!衛兵がそこに居るということは、まだ精神世界へ行ける道があるということ!
震えている手を抑えつつ、俺と七十二番が倒れている秘密警察のところへ向かった時だった。

近づいてきた俺たちに対して、向こうの棚瀬が物凄い目で俺たちを睨みつけながら「これ以上近づくんじゃねぇッ!!」と、アイツの口からは聞いたこともないような怒声がここら辺一帯に響き渡っていく。流石にその声にビクッとなってしまい、俺も七十二番もその場で足を止めるしかなかった。

 

「でもっ‥」

「貴方たちはこれ以上坂さんを苦しめたいんですか!?そうでなければもうこれ以上関わるなッ!!」

「違う!俺たちはただソイツを救おうとしただけだ!」

「うっせぇ黙れ!坂崎こんな風にしてまだそんな悠長なこと言ってられんのかお前らは!!」

「見損なったぜ主君も七十二番も!おめーらどんだけ自己都合で動いてんのか分かってるのか!?」

「はァ!?犯罪者の俺たちにそんな口聞かれても困るってんだ!バカかお前らは!!」

「俺も主君も自分のことしか考えてこなかった犯罪者だぜ!?今更そんなこと言われようが知ったこっちゃねぇよ!」

「クズどもめ‥っ」

 

俺たちの挑発がやり過ぎたのか、向こうの棚瀬が氷のような目で俺たちを睨みつけたかと思うと「衛兵、坂さんを俺たちの世界に戻せ」と言いつけていやがる。なっ‥衛兵に命令するだと!?

しかし衛兵たちは、棚瀬の言葉通り坂崎を持ち上げてはここから立ち去ろうとしている。

ま、マズイぞ!?衛兵ここで逃せば精神世界に行くチャンスを失っちまう‥!

 

「走るぞ主君!」

「分かってる!!」

そう七十二番が言ってきたので衛兵を追いかけようとしたけれど、やはり秘密警察たちが俺たちの前に立ちはだかる。

「どけぇ!!」

「誰がどくかってんだ!」

このままじゃ埒が明かねぇな‥っ。

すると、俺たちの前に船頭と二十四番が立ったかと思うと、二人は「俺たちで食い止めるから行け!」と口にしてきた。お前ら‥

そうすると、うちの棚瀬が「皆様、一旦落ち着きましょう」とこの場に居る全員に呼びかけるので、「‥?」と思っていると、棚瀬と坂崎と左手が更に船頭たちの前に立っては秘密警察の五人に向かって言葉で説得し始める。

 

「船頭様、二十四番様、貴方がたは今暫くお待ちください。ですが‥その時がくれば動いてください」

「えっ?」

「お、おう?」

コイツら‥なにを企んでる?まぁ、棚瀬のことだし何か考えあってのことなんだろう。

そんな棚瀬たちが、秘密警察たちに向かって声をかけてこの場をなんとかしようとしてくれるところ。

 

「秘密警察、お前ももう少し冷静になれ。話し合おうではありませんか」

「話し合おうだって?よく言うよ、俺たちのことずっと監視してた癖に‥!」

「あ、やっぱり俺のこと気づかれてた?」

「あぁ、気づいてたよ!どこの世界の高見沢さんか分からなかったのも当然か‥貴方が奴隷の高見沢さんだなんて、気づくはずがない!」

「正体バレてなかっただけマシか」

「まーまー、そう怒ってくれるなって秘密警察たち!俺らもさ、ほら桜井がこんな調子じゃ困るのよ?ね、そう思うでしょ?」

ニコニコしながら一歩ずつ秘密警察たちの方へと歩み寄ってく坂崎に若干警戒している向こうの棚瀬だが、坂崎は「だーいじょうぶ、なんにもしないから!約束する」と手の平をヒラヒラさせながらそんなセリフを口にして奴らの手前まで来た時。

バカめ‥その坂崎のセリフと仕草にほんの少しだけ油断したのが運の尽きだったな。

 

バッと両手で何かを取り出した坂崎は、目の前に居た棚瀬と向こうの俺目掛けてバチバチッ!!とスタンガンを押し付けたようだ。その音で驚いた向こうの高見沢が「桜井!?棚瀬!!」と二人を心配していたが、その隙をついて左手が奴の後ろを取った。

「高見沢さん!後ろっ!!」

「しまっ‥」

奴の後輩が叫んだものの一歩遅かったようで、左手はもう一人の自分に向かって躊躇なくスタンガンを押し付けていた。そうすりゃ強敵の三人は暫く戦闘不能ってか。

全身が痺れるせいか、向こうの三人は身動きも出来ない状態になっているので今がチャンスか?そう思い、俺も七十二番もこの場から立ち去ろうとしたが、まだそれを阻止する秘密警察たち。棚瀬が「吉田!鈴木っ‥!」と、苦しそうに後輩たちの名前を必死に絞り上げた声に、慌てて反応する二人は秘密警察の坂崎を追おうとしたところ。

 

しかし‥

「させるかぁッ!!」

「悪いな、新人たちっ!」

「なっ!いつの間に‥」

「船頭さんと罪人‥!?」

俺たちの気づかないうちに先回りしていた船頭と二十四番が、秘密警察の後輩たち目掛けて棍棒で思い切り攻撃したせいで見事に二人は空中でバランスを崩し、そのまま地面にゴロゴロと叩きつけられてしまっていた。

さっき棚瀬が言っていた”その時”とはこの事か!

すると船頭と二十四番が「行けぇッ!!」と叫んでくるので、七十二番と目を合わせてはこの場から一刻も早く立ち去ってみせた。待ってろよ、秘密警察!

 

「くっそ‥まて‥っ」

「悪いと思わないでくださいね、秘密警察。私たちの世界ではこの程度の卑怯な真似は当たり前ですので。油断した貴方たちの負けですよ」

「っ‥!」

「俺と高見沢も一応死線はくぐり抜けてる仲だしねぇ〜」

「ふんっ。情けねぇ奴らだ。一般人の俺らに出し抜かれてちゃお前らなんかじゃ秘密警察の坂崎は救えねぇよ」

「分ってください、秘密警察。もちろん私たちも貴方たちの気持ちは十分に理解出来ます。ですが、このままでは貴方たちの為にもならないのです。そちらの坂崎様の記憶が元に戻るのであれば、それで良いではありませんか」

「だけどっ‥!」

「ま、俺らの世界の住人がコレ言っても信じたくないだろうけどさ。そっちの俺、記憶なくなる前に言ってただろ?桜井と七十二番に向かって〝信じてる〟って‥。だからさ、アイツら信じてやってくれよ‥。な?」

「っ‥」

 

。。。

 

ちょっくら時間喰っちまった‥!

急いで衛兵たちを追いかけていると、突然俺たちの横に最強サカザキと白黒騎士がやって来ては俺たちに並走しながら「成功してないのか!?」と尋ねてくる。つーかおめーら、元の世界に戻ってたはずじゃ‥!

俺と七十二番が声をあげて驚いていると、サカザキがこっちを睨んできやがった。やべ、こわっ。

 

「失敗したのか!?」

「精神世界でアイツを解放するのには成功したんだが、なぜかこっち戻ってきたら秘密警察が気ぃ失って倒れちまってたんだよ!」

「おい、それってまさか‥」

「秘密警察の精神までも向こうにあるという意味ではないのか、それは!?」

「なんだって!?」

「今のアイツは中身空っぽの本体だけってことだ!記憶もなければ精神もない、ただの植物人間状態っつー訳!」

「そんなっ!?」

「ウソだろおい!」

「ったく。この俺が手伝ったっていうのに、これで失敗したらお前ら洒落にならんからな?おい、黒騎士白騎士、行くぞ!」

「おう!」

「承知した!」

 

シュバッ!と俺たちなんかよりも素早く衛兵たちのところへと向かって行く三人は、もうすぐ秘密警察たちの世界の入口手前だったが、そこに入られないように阻止しようと黒騎士が「来たれ!」と口にした途端、腰から引き抜いた真っ黒な剣から物凄いデカい黒龍が飛び出してきた。す、すげぇ‥

「黒龍!鎧の奴らをあの入口に入れさせるな!!」

「ふんっ。そのくらいのこと大したことではないわ」

勢いよく黒龍は衛兵たちの手前までやって来ると、その巨体で秘密警察たちの世界への入口を隙間なく閉じてしまった。突然現れた黒龍に戸惑う衛兵たちだったが、そこに最強サカザキが右の掌を口元に持ってきたと同時に息を吹きかけてみせると、どういう原理か不明だが衛兵たち目掛けて一直線に地面が一気に凍りついていく。

足元が急に凍りだし、バランスを崩した衛兵の腕の中から秘密警察の体がフワリと浮いてしまった。ヤバい!と思ったのも束の間‥

 

「私の脚の速さと無効化の効力、どちらが速いか勝負してみようではないかっ!」

 

目にも止まらぬ速さで倒れゆく衛兵たちの元へ駆け抜けた白騎士。その脚力は獣の如く‥余りにも速すぎた為か、衛兵たちでさえ無効化の力を使えずにいるようで、白騎士はあっという間に秘密警察の体を抱えてバッと俺と七十二番の元へと降り立ってきてくれた。

や、やっぱコイツらつえーわ‥

ズウウゥンと滑って転んだ衛兵たちだったが、奪われた秘密警察を見やるともう一度俺たちの方に向かって武器を構えてくる。

 

「きた!」

「巻き込まれたくなければ離れてろ!」

「あぁ、ここはお前たち二人だけで行けっ!」

「今度こそ失敗するなよ!」

「失敗したら俺に殺されると思っとけよ」

一斉に俺たちから素早く離れていった三人は、光の攻撃を受けないで済む安全地帯まで行っちまったが、やっぱここは俺と七十二番の二人だけで行くしかねぇ!!

 

「行くぞ、七十二番!」

「もう次こそは手放さねぇぞ!」

 

待ってろよ‥秘密警察!!

 

 

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