桜と雪のイヤリング

いつものアクセサリー作り上手なお友達が作ってくれたやつ。雪のイヤリングは私が誕生日の時に貰ったやつだけど、まだここに載せてなかったと思うから載せとく❄︎.*

1月か2月くらいの雪降った日の朝に撮影したやつ。この後太陽が出てきたらすーぐ雪溶けたからギリギリでした( ᐛ )

そして最新作の桜のイヤリング。❀

こちらはオーダーしました!自分じゃ作れんなって思って🤣

そしたらその子が「ろきはピンクってイメージじゃないから、勝手に夜桜っぽく紫も混ぜてみた」とか言ってて、私のこと分かってる〜〜って感じで嬉しかった笑

しかしこの写真、二枚とも自分的に納得いってなくて…。一人で撮影してた&ちっこいのも一緒だったから中々上手く撮れなくて。でもちっこいの的には落ちてた桜を集めてきてくれたりして協力はしてくれてたんだけどね笑

でもここ公園だから遊びたすぎてあんまいい写真が撮れんかったの🫠

けどイヤリングは凄い可愛いから最高。❀

桜の季節は短いからいつまで着けていられるかな〜

去年の今頃に幸華と化物が着けてるピアスモチーフのイヤリングをオーダーして、そしてユキ姉の雪の結晶、サクラの桜イヤリング。そして夏にはソフィアの海をイメージしたイヤリングもオーダーするつもり…ってかもう予約してある🤣

ユキ姉本当ならネックレスの方が良かったのかもだけど、ちっこいのが産まれてからもうネックレス着けなくなっちゃってさぁ。流石に3歳にもなって物事も分かるようになってきたから抱っこしてもネックレスは引っ張らないだろうけど、なんとなく着けなくなっちゃってねー。赤ちゃんの頃にスターウォーズのイヤリング破壊されたこともあるしね😇

夏はどんなイヤリングにしようかな〜。今の夏は嫌になるくらい長いから沢山着けれると思うし笑

うちの子たちのモチーフなんてそりゃ知らないし知られたくもないから絶対言わんけどw、でもやっぱり手元にお嫁にくると凄く可愛いし嬉しいもんだね( ˶ ᷇ ᷆ ˵ )

一番新しい幸妃のそういうイメージがまだ全然ないからどーしよっかな〜って考えてるけど、他の女の子たちって季節で表現出来るから簡単なんだけど幸妃は違うからね。ま、ゆっくり考えますわヽ(•̀ω•́ )ゝ

そんなわけで幸妃たちのお話ですっ。長いから二分割にしてまーす

 

しんでれらは、、

 

「あれ、今日はデートなん?」

「あ、はい。ちょっとご飯行ってきます」

桜井さんに尋ねられたので自分が素直に答えてみせると、隣にいた坂さんが「うん、あとで行ってくるねー」と無邪気〝らしく〟笑いながら私の左腕を取ってギュッとわざとらしくしがみついてくるのでほんの少しだけドキドキしてしまっているのが桜井さんにバレていたらしく、にーやにやされた顔でこちらを見てくる。

今日は地方に来ているので、二人でどこかご飯へ行こうかということになりちょっくらデートしようっていう流れになって今に至る。ホテルに戻り、それぞれの部屋へと一旦入ってから着替えをしてリラックス出来る服装になるとやっぱりどこか落ち着く。スーツ着るのは慣れてるとはいえやっぱり柔らかい素材の方が着心地もいいし動きやすいしで最高だ。

あらかじめ坂さんとは待ち合わせの時間を決めてあるし、その時間までまだ十分ちょいくらいある。なので軽く身だしなみを整えて持ち物の確認だけしてからベッドへボフッと座り込んではちょっとだけ休憩だ〜!と思い、ぼーっとしようとして二分後くらいのことだった。

コンコンとドアをノックする音がしたので、誰かな?と思いつつ立ち上がってドアの方へ行って「はい」と一応返事しながら開けてみせると……

 

「えっ…!」

「なんだよ。文句あるのか?」

「い、いえそんなことは…」

目の前に立っていたのはもちろん坂さんだったのだけれど…その、格好が…

「か、…可愛いですっ」

「そう?…ありがと」

いつもはほぼ男装姿な為か、今はパンツスタイルであろうとも女性っぽさも感じる服装をしているので流石にこれはドキドキせざるを得ない。口元が緩みそうだ…。しかも眼鏡も外してくれている。

ネイビーの花柄?いや、ペイズリー柄?のトップスに、下は白のパンツ。相変わらず折れそうなくらいに細い脚だなぁとしみじみ思いながら全身を眺めていると、やっぱりこの女性らしい格好が可愛くて…ついついジッと見てしまい、緩みかけている口元をキュッと閉めておく。

にしても髪型も少し変わった?アイロン使ったのかな?いつもみたいな猫毛のようなふんわり感がなくなってる気がする。

かわ…いぃ…

 

「なにニヤニヤしてんだよ変態」

「いやだってぇ…。不意打ちすぎて嬉しいというか…そりゃニヤけちゃいますって」

「これなら俺だってパッと見じゃ気づかれんだろ。ほらそれに、たまには棚瀬だって…女とデートらしいことしたいだろ?」

「えぇ、まぁ…。いやっ、いつもが別に嫌って訳じゃないですよ?ですけど…たまにはこういうのもいいですね」

あはっ、と照れ笑いしてみせると坂さんも私のこんな笑顔に少し驚いた風な表情をしており、数秒私を見つめてきたかと思いきや俯け気味になりながらボソッと「なら良かった」と呟くのがギリギリ聞こえた。

そんなことで予定の時間より五分ほど早めに出ることが出来た。桜井さんと高見沢さんになんとか見つかることなくホテルのロビーまで降りて来れたのは奇跡か。

 

てことで夜の街を二人で歩いているが、なんだかいつもと雰囲気が違うせいで逆にどうしたらいいのかが分からなくなってしまっているなぁ。

照れてあんまり坂さんの顔が見れないでいると、坂さんがつまらなさそうに「こっち見てよー」とまたまた可愛らしいセリフで伝えてくるけれど…やっぱりそっちに顔を向けられない…!そんな私をからかうようにクスクス笑っている坂さんがまたいつもとは違う色っぽさが溢れ出ていて頭こんがらがりそう。

それでもなんとか平常心を保ち、どこ行こう?となり店も予約していないので本当にフラフラと適当に歩いているだけだったけれど、坂さんが「あの店入りたい!」とご指名だったのでそのお店に入ることにした。

坂さんのご指名はハンバーガー専門店のお店で、店構えはさほど大きくないけれど店内はアメリカンな感じの内装で、ダイナーとはまた違う小洒落た感じのお店だった。でもってお客さんもそんなに多くないからちょっと嬉しい。

お腹はすいてたのでお互いすぐにメニューを決め、そして会話をしていたら運ばれてきたハンバーガーを食べて、満足そうに幸せそうに頬張る貴方の笑顔を見ているこの時間が幸せで…。胸がキュンと一瞬なってしまったのは秘密です。

坂さんが男装してないってだけで、こんなにもデート感が増すんだなぁ…と改めて実感してしまった。毎回とは言わないけれど、たまには女性らしい姿で外出もしたいなとほんの少し思ってみたり。

 

「は〜食った食ったぁ。美味しかったな〜!」

「えぇ、美味しかったですね」

店から出てもニコニコ笑顔な坂さん。こういうのが守りたいこの笑顔ってやつなのかな〜なんて考えてしまった。ま、いつも坂さんに守られてばっかな気がしますけど。

「なんかカフェオレかラテ飲みたいなー」

「じゃあそこの店でテイクアウトします?」

「うん、そうしよっかな」

「私が買ってきますんで、坂さんここで待っててもいいですよ。レジも待ちがなさそうですし、すぐ戻れますから」

「ほんと?ならお願いしようかな」

コーヒー系ならなんでもいいとのことだったので、さっき言ってたラテでも注文しようかなと考えながら店内へと入り、自分も何か飲もうと思ってレジの少し手前で上に貼ってあるメニュー表を眺めてはフルーツティーでもいいな、と注文するものが決まったので外が一瞬気になりチラッと坂さんのいる方へと目を向けたら…

そこには坂さんと私の見知らぬ男性がなぜか笑いながら会話している所が目に映ってしまった。

 

「……。」

背丈も高くて顔も小さいし、モデルみたいとまではいかないけども中々のイケメンな男だ。ナンパか…?

まぁ…坂さんなら自分で撃退出来るから大丈夫なはずだ。そう思い、モヤモヤした心を押し込めてひとまずレジでラテとフルーツティーの注文と会計をし終え、ドリンクが出来上がるまでの待ち時間もチラチラと外を確認してみるものの……まだあの男がいる。

なんか自分が惨めだ。なんだろう。凄く死にたくなる気分。

ドリンクが出てくる間の短い時間がとても長く感じられた。店員さんからドリンクを受け取り、店の外へ出ないといけないのは分かってはいるけど…出たくない。仕方ないから出るけどさ。

自動ドアが開き、坂さんと男がいる方へ行ってみせると坂さんが私に気づき「ほら、言ったでしょ彼氏いるって?」と一応私を待ってくれてたみたいだ。すると男の方は「ほんとじゃん、残念。でも絶対俺の方が良くない?」とまだ粘る。目の前に彼氏がいるのになんという図々しさだ…。逆に尊敬する。

 

「ごめんねぇ。フリーなら遊んであげたけど今回は縁がなかったってことで」

「そっかざんねーん。でも連絡先だけ交換しとかない?めっちゃタイプなんだよねぇ」

「ありがと。でもそれはムリかなぁ。じゃあそろそろ行くね」

「しょーがない。またどこかでチャンスがあればね〜」

…彼氏がいるのになんて会話だ。

自分の中で嫌な感情が渦巻いてる気がする。

「ごめんごめん徹。ラテ買ってきてくれてありがとね。さ、行こっか」

「…どこに行くんっていうんですか?」

「え、なに?怒ってる?」

「怒ってません」

「またそれぇ?見れば分かるよ、怒ってんじゃん」

「…嫌な気持ちにはなりますってそりゃあ」

「でもなんともないでしょ?俺別にあの人とどーにかしてたワケでもないし?ちょっとしつこかったけど最初から断ってるじゃん」

「でも楽しそうにしてましたよね。…こんな私なんかよりイケメンの相手してた方が楽しいですもんね、そうですよね」

「ちょっと…」

「店の中から見てた坂さんたち、傍から見ればお似合いのカップルでしたよ。私よりも背も高くて顔立ちも良くて、ハッキリ物事を言う所とか…私にないもの全部持ってますもんね。魅力的に見えますよね、坂さんにも」

「なに言ってんだよおい…。それ本気で言ってんのか?」

「えぇ、本気ですよ。だって…本来坂さんの隣にいるのは、私なんかよりああいうタイプの人だと私は思ってますもん」

「……なんだよ、それ」

「だって…誰がどう見てもそうじゃないですか。貴方に本当に相応しいのはもっと自分に自信がある人なんじゃ…」

「…あっそ。なら俺が今からさっきの男追いかけてっても文句言うなよ?」

「……。」

「返事もしてくれないのかよ。分かったよ。じゃ、棚瀬との今日のデートはもうおしまいな。俺は俺でどこか行くよ。その堅い頭よく冷やせ」

「……、」

ラテありがと、と一応お礼を言いつつも私の右手に持ったままだったラテをほぼ奪い取る形で持っていかれ、そして坂さんはそのまま一人でどこかへと行ってしまった。

私は何しているんだろう…

 

はァ…とため息をついたけど、やっぱり自分に自信がないのが最大の弱点だ。

あんな風に立ち並んで笑顔で話している姿を目にしてしまえば、自分が劣った存在だというのを再認識せざるを得ないじゃないか。だって今の坂さん、凄く…綺麗じゃん。芸能人なだけあって纏ってるオーラも一般の人とはどことなく違うせいか、やはり寄ってくる男がいるのも当たり前だしそんな言い寄ってくる男が自分より格上な相手だと突きつけられると…

自分なんかが坂さんと付き合うのに本当に相応しいのか?という思考になるには至極真っ当なことでは?違うのか?私はあの場で一体何をすれば良かったんだ?

頭の中がグルグルしていて上手く整理がつかない。

正解が分からないせいと坂さんを怒らせてしまったせいでなんだか泣きそうになってしまう。どうしよう…本当に泣きそうかも…

トボトボとその場から坂さんとは逆の方向へ歩いて行くと、横から「お兄さん大丈夫?」という聞き慣れない声がしてきたのでなんだ?と思い、そちらを向くと全く知らない女性が私の隣にいた。な、なに?

 

「お兄さん彼女さんにもしかしてフラれちゃった?」

「えっ…、はっ…?急になんですか…ッ」

フラれた…とかではないだろうけど物凄く動揺してしまった。

「さっきの見てたよー。お兄さん、弱々しくてかわいーねぇ。さっきの男がイケメンだったから自信なくしちゃった?」

「……まぁ、はい」

「やっぱりー?でも私ああいう男よりお兄さんのが誠実そうでチャラくないしタイプなんだよねー。彼女にフラれたんならさぁ…今からホテル行って今日のこと忘れない…?」

「…えっ?」

誘われ…た?こんな私が??

何が起こっているのかが全く理解出来ず、言われるがままズルズルと名前も知らないこの女性に連れていかれそうになっているけど…

これは流石に断らなければ…!!

でもなぜだか足は止めることが出来なくてそのままどこかへと連れて行かれるだけだった。

 

「……追いかけても来ないうえに、他の女に着いてくんだ…。へぇ…」


 

「あの…!さっきのは別にフラれたとかじゃなくて…!」

「そーお?フラれたようにしか見えなかったんだけど?」

「頭を冷やせと言われただけでフラれた訳じゃ…」

「じゃあ一回私とヤって頭冷そーよ。その方が冷静になれるでしょ?」

「そんなコトしたら後戻り出来なくなっちゃうじゃないですか!」

「いーじゃん別に。…だって今日はお兄さんのこと食べちゃいたい気分なんだもん」

「…っ!」

そう言ってくる彼女は露出多めの服だというのに、更に私に見えるようにわざと胸元をチラッとさせてくるので目のやり場に困ってしまった私はなんとかその誘惑を断たそうと視線をどこか違う場所へと移した。

それでも私の腕を取ってはどこかのホテルへと連れて行こうとするこの人は一体なんなんだろうか…と思うと恐ろしい。流石に立ちんぼの類とかではなさそうだし、ただ単に私に興味があるだけ?なんで私なんだ??

 

「あ、あの…こんな地味で真面目そうで見た目堅苦しい男になんでこんな誘いをするんです?」

「だってお兄さんかわいーもん。あんなフラれ方してるの見てたら慰めたくなっちゃうじゃん?」

「だからフラれたわけじゃ…」

「てかお兄さんどんだけ自分に自信ないのー?私が自信つけてあげよーか?」

「いやそれは…」

というより私の心見透かされてるぅ…。こんな初対面の人にさえバレてるってどんだけ私は自分に自信がないのだろう。

そして今目の前にはなぜかラブホがあって…。いつの間にかこんなホテル街に連れて来られたんだ?ていうかヤバくないか?

「ね、お兄さん。一時間だけでもいいからさ〜」

「いやいやいや…!ムリですって!」

「おねが〜い」

そんなやり取りをホテルの前でグダグダし合っていても仕方ない。ここは強く言い出さなければ…と思った矢先だった。

 

「おい、棚瀬!お前こんなとこで何してんだよ!?」

「…!?た、高見沢さん!?」

真後ろから聞こえてきた声に思わずビクンッ!と反応を示す体は冷や汗が一瞬で出るほどの勢いと、こんな場面を見られてしまったという焦りのせいで心臓はバクバク鳴り始める。

高見沢さんの姿を確認すると、彼はやはり怒り心頭な様子。

「いやあの!ここに来たくて来たわけじゃないですよ!?無理やり連れて来られたんですって…!」

「あぁっ?後ろから着いてってみればな〜〜にが連れて来られただ。お前の意思でここまで歩いてきたように見えるが?」

「そんな訳ないじゃないですか!…というよりなんで高見沢さんがここに?」

「んなこたぁどーでもいいんだよ」

しらばっくれる気かこの人…

「お姉さん悪いけどこの男返してもらえる?」

「えーーせっかくここまで来たのにぃ〜」

「邪魔して悪かったな。でもコイツは俺たちの大事なマネージャーなんだよ。コイツに何かあったら俺たちも心配しちゃうからさ、だから強制的に返してもらうよ。じゃあね。ほら行くぞ棚瀬」

「は、はい…!」

「じゃあせめてお金くらい置いてけっつーのぉ!」

後ろの方で何か叫ばれてるけど気にしないでおこう…

 

つかつか前を歩く高見沢さんの後ろを必死になりながら追いかけていると、歩くスピードを緩めた高見沢さんが私に向かって「坂崎と喧嘩でもしたんか?」と尋ねられてしまったが、なぜそのことを知って…

「喧嘩…なんですかね、アレは…」

「はぁ?俺らは見てねーから知らんよ」

あ、見られてはなかったのか。

「坂崎から聞いたんだよ」

「えっ…!?さ、坂さんからっ?というより坂さんはどこです?」

「ホテル戻って来てるよ。今は桜井と一緒なんじゃないかなぁ」

「ホテルには戻ってたんですね…良かった…」

「全然大丈夫じゃねーぞコラ。お前あの女に連れてかれてくの坂崎に見られてるからな?」

「……!?」

背筋が一気に凍った気がした。

それは流石にちょっと…ヤバいかもしれない…

 

そんなに遠くに行ってた訳でもないので、自分たちの泊まるホテルにはすぐ戻って来れたのはいいのか悪いのか…

吐きそうなくらいの気持ち悪さを蓄積させ、この後どういう顔で坂さんに会えばいいのか分からないレベルで気分が悪い。動悸が激しい。

見るからに顔色の悪い自分を見た高見沢さんが「お前大丈夫か…?」と心配されてしまったが、正直全く大丈夫じゃありませんね…自業自得かもしれないですけど。

ロビーを通り抜け、エレベーター前までやってきた時に高見沢さんが「多分、坂崎は部屋にいると思うから」と一言添えてくれたので私だけそのまま坂さんの部屋に直行するしかなかった。そしてやっと坂さんの部屋の前まで来てノックをして呼び出してみせると、中からはなぜか桜井さんが出てきて…

僅かに動揺した心を抑えつつ、焦っていた私を見た桜井さんは「お前なぁ…」と呆れたような低い声で責めてくるかのような雰囲気でため息をつく。多分、坂さんから事情は全て教えて貰ってるのだろう。

 

「えと…坂さんは?」

「二階にある売店に行ってるぞ。…せっかくアイツが珍しく女らしい格好してお前とデートしてたのに、何してんだ棚瀬ぇ」

「ごめんなさい…」

「俺に謝られても知らんぞ。とにかくお前は坂崎と話し合え。…坂崎は別にそのナンパしてきた男のことなんてなんっっとも思っちゃいねぇよ。怒ってるのはお前のその自信のなさが原因だ。あと、のこのこ知らん女に着いてったとこだな」

「ぐうの音も出ません……」

「まださっき出てったばっかだから今行けば売店で会えるはず。サッサと行ってこい」

「はいっ…!」

そう言われてしまえば私には売店へ行くという選択肢しかない。

小走りになりながらエレベーター前まで行き、二階まで降りるだけ。二階に着いたらまずすぐ傍にある売店まで駆け込み、坂さんの姿を捜すと…えっと、いた。もう精算しているみたいだ。なので入口付近で取り敢えず待機しておこう。

商品を受け取った坂さんがこちらへ向かってくるのが確認出来たので、慌てて「坂さん…!」と呼びかけてみるも華麗に無視された。…えっ?…えっ!?

 

「さ、坂さん…!!」

呼びかけているのにめちゃくちゃシカトしてくる。

私のことなんてまるで見えていないとでも言いたげな感じだな…。立ち止まってた体を動かし、坂さんが行った方向へ自分も動いてみせるもそのまま坂さんはエレベーター前まで来て上行きのボタンを押そうとしている。このまま完全スルーな感じなんですか?

流石にこのままじゃダメだとそこでようやく悟り、ボタンを押される前にズイッと坂さんの目の前まで割り込んでみせ「坂さんッ!」と少し大きめの声で呼びかけるも全くの無視。ここまでにさせたのは自分のせいとはいえ、ここまでされるとムカついてきた…

ボタンを押そうとした手をパッと取り、そのまま一階まで階段で降りて坂さんを人気のいなさそうな…あっ、あそこの扉から外へ出られるっぽいな。そうと決まればそちらへ向かうと、そこに広がるのはかなり大きなプールだった。季節的にまだプール入るにはまだ早い為、誰もいないが灯りはついているのでここでいい…か。

文句も何も言わず黙って着いてきた坂さんは死んだような目で私を睨んでいるのには気づいてはいたけども、ここで怯んだらおしまいだと思うから頑張れ自分…

 

「す、すみませんでした坂さん…!」

「……。」

「私が自信ないばっかりに坂さんを傷つけてしまって…本当にごめんなさい。それに、私に話しかけてきた女性とは何もないですからねっ?これは本当です!…というより、見てたんですか?」

「見てたよ?」

買ってきたであろう棒付きの飴を袋から出し、包装紙を破いては興味なさそうに私の話しを聞きながらそのままパクッと飴を口に咥えてはつまんなそーにどこか違う方を見ており、全然こっちを向いてくれない…。いや、答えてくれただけマシと思え。

「見ていたら分かりませんでしたか…ッ?私あの時、無理やり連れてかれたようなもんですから!」

「…でも俺を追いかけてこなかったくせに他の女には着いていくんだぁ」

「ち、違いますって!そんなんじゃないですってば!」

「俺も同じだったけど?」

「……っ!」

「俺だってあの男のことなんてどーーでも良かったのに、勝手に嫌な妄想を暴走させて勝手に自爆してんのは棚瀬の方じゃん。俺の言葉ってそんなに軽く聞こえる?そんなに俺の言ってること信じられないか?あ?」

「し、信じてないとかじゃなくて…、私がただ単に…本当に自信がないだけで、決して坂さんのせいじゃ…」

「じゃあさぁ、俺の言ってることちっとは受け止めてくれよ。いっつも否定ばっかされて気分悪くなるのは当たり前だろっ?俺は棚瀬が好きで、棚瀬がいいから付き合ってるって言ってるじゃん!何回言わせんだよ」

「でも…」

「ほらそれ!また否定してくる。お前が自分を否定するってことは、俺の棚瀬に対する好きって気持ちさえも否定してるのと一緒だと思えよ!てかそんなもん俺に言われる前に気づけよ!いっつもそれ言われる俺の方の身にもなれよな」

「ごめんなさい…そんなつもりじゃ…」

「俺ってそんなにお前から愛されてないのか…?」

「そんなことは絶対ありません…!坂さんのこと大好きですし、大切にしたいという気持ちももちろんありますよ…!?これは自分の弱さが原因であって、坂さんの問題じゃありませんから…」

「…あっそ」

さっきから返事が鬼のように冷たい…。仕方ないけども。

飴を口の中でコロコロしながら私との会話は話半分に聞いてる感じなのが伝わってくるし、坂さんをこんな風にしたのは自分のせいなのだから何も言えない。

 

「あーぁ、ストレス凄いせいでめちゃくちゃ甘いもんばっか買うはめになっちまったじゃん。ま、高見沢と桜井にはぜんっぶ愚痴ったから多少はマシだけど、まだ俺の気が治まらん」

「…どうすればいいんです?」

その私の一言を待ってましたと言わんばかりに飴を咥えながらニヤッと怪しい笑みを魅せてきたので、あーこれはマズイと心が過ぎったが最早時すでに遅し。ていうか私に拒否権ないだろうし…

そして次に放った坂さんのセリフに見事面を食らった。

 

「……え??」

 

 

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