マンダロリアン観てきた!!!
まだ特典もあって良かった嬉しい!!🥹
ストーリー面白かった!そしてあのマンダロリアンのテーマ曲が流れた時、もーーーーかっっこ良すぎて一人で痺れてた笑⚡︎⚡︎
一生聴いてられるくらいあのテーマ曲好きすぎる
ただ映画観てて思ったのが「んー…、これドラマでも良かったんじゃね…?」とちょっと思ってしまったり🤫
いや、観やすくて面白かったよ?出てくるキャラも良かったし、何よりグローグーの成長が見られて泣けちゃうくらい愛おしかった🥺
でもやっぱドラマでボバフェットやらルークやアソーカが出てきてみんなお祭り状態だったから、その爆発力が映画にはなかったかな〜…?と思ったり🤔
うん、でも私は満足!面白かった!あんま予習しなくても割と面白く観れるんじゃないのかな?ただスターウォーズはもちろん観てる前提だよ
あのテーマ曲聴きたいが為にもう1回映画館行きたいくらいだもん…笑
そういえば罪人の話数言ってなかったね。全部で11話だけど、ラストはかなり短めかな。区切った方がいいなと思ってそこで区切っただけだから笑
もう佳境ですよ(. .`)
秘坂「………。」(顔後ろ向けて見せない)
主君「……はぁ」
人魚「二人ともどうしたのー?( ´・ω・`)」
旅人「大丈夫??」
秘坂「うるせぇ」
主君「話しかけてくんな今集中してんだろ」
旅人「めっちゃ怒られた( ´•ω•` )」
人魚「ごめんなさい( •́ㅿ•̀ )」
罪人たちの舟 終焉8
「二十四番、七十二番」
「……あ?」
「んだよ…」
「貴様らの処罰はこの島での死だ。もう二度とこの判決を覆すことは認めん。本日の日没までが貴様らの寿命とする。分かったな?」
「…分かった」
「異論はねぇよ…」
「珍しく物分りが良いな」
「ちょ、ちょっと待って下さいマモン様…!」
「今度はなんだ…。流石に鬱陶しいぞ貴様ら三人」
イラついては舌打ちされそうな顔で俺の方を睨んでくるけど、そんな判決いきなり出されても俺がまだ困るんですよ…!
ていうか二人の寿命が今日の日没までって…
「急すぎます!まだ他の船頭候補もままならない状況で、本土の方でもきっと混乱している状態のはずです…!」
「だからなんだ?」
「コイツらの死はどうかこの状況が回復して体制が整ったあとでもよろしいのではないでしょうか…!?私一人じゃとてもじゃありませんが全ての仕事をこなすのも厳しいかと…!」
「ではその期間だけ仕事量を減らそう。なんせお前一人しかおらんのだからな」
そういうことじゃなくて…!!
「だってまだ何も決まっていないのですよ…!?それなのにコイツらを今日で終わらすのも如何なものかと…っ」
「坂崎…」
「は、はい」
マモン様が俺の名前を呼んだ直後、ものすっごい見下した目付きで「貴様は罪人どもを死なせたくないというのか?」と聞いてくるせいで全身がゾクッと寒気に襲われてしまう。
クソッ…。だからそういう意味じゃ…。だってこっちは一人になってしまうんだぞ…!?それだと俺の心が…とてもじゃないが持たないんだよ…
それでも逆らうことなんて許されるはずもないので俺は大人しく引き下がるしか出来なかった。
「そういう訳では…」
「ならば何も問題はないはずだ」
「しかし…!!」
もう一度反論をしようとした俺に対し、二十四番が「船頭」と俺を呼ぶ声がするので振り返ってみせるが二人はもう生きるつもりはなさそうな姿勢しか見せてはくれなかった。
「もういいんだよ、俺たちは」
「でも…!!」
否定したくて俺が言いかけようとしたけれど、次は七十二番に「お前の魂、これ以上使えないんだってば」と言い返されてしまった。
「たったの十年しかお前の残りの寿命はないんだから…これ以上俺たちの命を延命しようとしたら、お前の魂がまた消費されて削られちまうんだ」
「それがなんだって言うんだよ!?あと数週間や一ヶ月使ったところで俺の寿命なんてそんな変わんねぇよ…!!」
「そんなこと言うな船頭。命をムダにするな。生きたくても生きられなかった奴らが大勢いる中お前は一人だけ助かったんだから…そんなこと言うんじゃねぇ」
「あぁ。だから俺らはお前の魂をこれ以上は使わない」
「そんなこと言ったって…ッ」
また泣きそうになっている俺を見兼ねたのか、二十四番がフッと優しい顔付きにして俺の方を真剣な眼差しで見やってくる。
「船頭、お前のお陰で俺らは人の命の儚さや重みをお前と生きてきたからこそ嫌というほど知れたんだ。そこに関してはそれを俺たちに教えてくれてありがとう、感謝している」
「…っ」
そして次にまた七十二番が口を開く。
「俺なんかは本当は生きてちゃいけない人種だったってのに…。でも無理やりとは言え俺たちをここまで生かしてくれて、そして俺らの大きな罪を教えてくれてありがとう、船頭。この気持ちに嘘偽りなんてない」
「……。」
真っ直ぐすぎる瞳に対して俺は何も言えなくなってしまっていた。こんなにも二人が真剣に向き合ってくれているんだから…それに俺は応えなくちゃいけないって意味だもんな。我が儘言ってる場合じゃないってことだもんな…これ。
悪足掻きをしてるのは俺だけで、二人はもうとっくに覚悟は決まっているってことか。なんだよ…寂しいじゃねーかバカ野郎…
俺の目の前にいた二人が少し先にいる悪魔たちの手前の方まで移動すると、二人は悪魔たち相手だろうが素直に頭を下げては「今まで世話になったな」と一応お礼の言葉は述べているようだ。二人が悪魔たちに反抗しないのなんて…よっぽどのことがない限り今まであんまりなかったのに、こんな姿を見せられちゃあ俺にはもうどうすることも出来ない。二人の覚悟をこれ以上口出ししちゃいけないんだから俺も覚悟決めなきゃならないのだろう。
「やけに素直だな」
そうサタン様が嫌味たらしく二人に向かって言い放つけれど、当の本人たちは静かに軽く何度か頷いているだけで特に反抗するつもりはないらしい。なのでレヴィアタン様が「不気味なものよ」と嘲笑うけどやはり反抗しないから他のベルフェゴール様やルシファー様も少し面白くなさそうなつまらなさそうな態度で罪人二人と向かい合っていた。これ以上悪魔たちの機嫌も損ねない方がいいので俺も半ば諦めに入っては先に「今までこの二人を生かして下さりありがとうございました…」とこちらも頭を下げてみせるしかない。
「行こう…二人とも」
そう俺が二十四番と七十二番に声がけをしてこの場から立ち去ろうとしたら、マモン様が「今日は嫌になるくらいの晴天だな」と窓の外を見つめながら奇妙なことを呟くので何か意味でもあるのかなとは思ったが、今はもう聞く時ではなくなってしまったのでこちらからペコっともう一度頭を下げてからマモン様の部屋から三人で無言のまま出て行った。
「確かに超天気いいな」
「こんな天気いいの桜井が死にかけたあの日以来だと思うわ」
「あー…そうかもしれんな」
館の外へ出てから空を見上げると、そこにはキラキラと元気よく輝く太陽が雲に覆われることなく俺たちの真上にあるではないか。雲一つないとは言わないけれど、白い雲と青いあおい空とのコントラストが美しい。やっぱ天気がいいと気分も少しだけ晴れていくな。
「これからどうするんだ船頭?」
歩きながら二十四番に尋ねられたので、俺は少し考えてから「じゃあ普段通りの仕事をしよう」と提案する。
「施設や窯の点検と、畑の様子見もしておこうか。あ、あと舟に異常がないかも見ておこう」
「所謂罪人たちが島に連れて来れられてない間の作業しとけばいいってことだな」
七十二番に言われたので「うん」と短く答える。
「分担して作業しようか。いつも通りのことやればいいだけだから気づいた仕事があればそっちもやってくれると有難い。…ちょっと人数減っていつもより大変かもしれないけど、今日だけだから頑張って欲しい」
「あぁ」
「最後まできっちり仕事はするさ」
「…ありがと」
自分で「今日だけだから」なんて言ってしまったせいで途端に下から何かが込み上げてくるものがあったから、二人に気づかれない程度に顔を俯ける。
そして二人とは分かれ、それぞれ別の場所へ行っては自分の持ち場の仕事を片付けていくこととなり、正直そんなに大変な仕事でもないのでやがて全員正午までには終わったから一旦また集合場所に戻って三人で行動をすることにした。
「お疲れ。特に異常報告もないみたいだし今日はこれで終わりにしようか」
「はいよ」
「おつかれー」
いつものあの感じで返事をする二人は今どう思い、何を感じているのだろうか。俺はこれで二人とする仕事もこれで最後か…と思うと、なんだかやるせない気持ちばかりが募ってきてしまう。一緒に死のうって言い合っていたのにやっぱり先に二人が逝くことになってしまった今、俺は二人になんて声をかけていいのかも分からずじまいで気の利いたセリフも浮かんでこないなんて俺は薄情なのだろうか?
家のある方向へと歩き出す二人の背中に向かって俺はとある提案をしてみせた。
「あ、あの二人とも俺と昼メシ食うか…?」
咄嗟に出てきた言葉がコレ。まぁ、何も言わないよりかはマシだろう。
「いいのか?」
「うん…最後くらい三人で食べようよ。朝食のお礼もしたいし…俺がなんか作るよ?」
「へぇー…。何作んの?」
七十二番に聞かれたがまだ何も考えていなかったので二人の好きな物でもいいよ、とだけ答えた。
「好きなもんって言われてもなぁ…」
「食材があるかないかで変わってくることね?」
「それもそうだけど…。でも最後くらい二人が好きなもん食わせたいっつーか…」
「別に俺らはいーよ、昨日あんだけ好き勝手食えたんだし。船頭が普段作るような男飯で構わんぜ俺らは」
「そ、そう?なら帰ったらちょっと冷蔵庫ん中見てみるわ」
なのでこのまま三人で俺の家へと戻って来ると、俺は手洗いを済ませてから早速冷蔵庫の中身を確認してみせるが…うーん、どうしようか。簡単なものすぎると可哀想だし、かと言って凝った料理作ってると時間もないからやはりパパッと作れてガッツリ食えるものと言えば…
「ら、ラーメンでもいい?」
「おう。俺らは食えればなんでもいいぜ?」
「最後にラーメン食えるなら悔いはねぇなー」
「ホントか?それならラーメンにするか」
男はラーメンだーい好きだからこれが正解なんでしょう、きっと。流石にインスタントだと可哀想なのでちゃんと生麺タイプのもので作るからな?良かったこの間結構多めに注文しておいて…。三人分なら余裕で作れるぞ。
二人は椅子に座ってくつろいでいるが、もうあと数時間後に死ぬだなんて思わせない態度しかしていないので逆に俺も普段通りに動いていられる。それが二人なりの気遣いなのか、はたまた本当に死ぬことに恐怖を感じていないのかは分からんがやりやすいので有難いわな。
台所に立って十五分ほどして昼メシが出来上がったので、先に二人に丼を差し出せば二人は「お、美味そう」だとか言ってくれたのでちょっと嬉しかった。今回肉も野菜も多めのガッツリ系にしておいたので、腹いっぱい食って幸せ感じてから死んでくれ。
いただきまーす、と律儀に声に出してくれる二人がほんの少しだけ可愛いなコイツらって初めて思ってしまったのはさておき…、俺も二人の真向かいに座ってからラーメンを食す。本当は本格的に作ってやりたかったがラーメンのスープって時間かかるから本当に時々気が向いた時にしか作らんもんなぁ…。つーかこんな状況でラーメンスープなんて仕込んでられるかってんだ。
「いいねぇ、うめーわ」
「ラーメンやっぱ美味い」
「褒めてくれてどーも」
ものの数分であっという間に平らげ、今度は「ごっそーさーん」と言うセリフがまた出てくるのでなんだかおかしくてちょっと笑ってしまったが、二人が見えない場所で笑っていたので二人にツッコまれることはなかった。
洗い物も済ませ、今から何する?って話にはなったが特にこれといってこの島でやることなんてないから島全体の様子見も兼ねて散歩することになった。これだけ天気もいいので外にいた方が気持ちいいし、せっかくの晴天なんだから外に出てないともったいないと思っちまうもんでね。
海が一望出来る高台みたいな場所までやって来ると、本当に気持ちが良すぎてずっとここにいられると思ってしまうぐらいに景色が綺麗で、これがまさに絶景というやつなのだろう。海の透明度もかなり澄んでおり、いつものあの暗ーい今にも引きずり込まれそうな色をしていないのでこういう日ぐらい海で遊んでみたいなーなんて考えてしまうこともしばしば。あとこの景色を写真に収めておきたい。だってそれほど綺麗なんだもん、天気のいい時のこの島は。悪魔たちが住み着いてなくて天気がいい日も多ければ、リゾート地になり得るくらい自然の環境は素晴らしい場所だとは俺も思うし?緑も水も綺麗で、ホテルが建っていたらオーシャンビューの部屋にでも泊まってゆっくりくつろげるリゾートになるとは…思うんだけどねぇ?
「めちゃめちゃ天気いいな、マジで」
「マモンが言ってたあの言葉の意味って何か分かるか船頭?」
二十四番が聞いてきたので「あぁ…」と思い出したかのように今度は俺が会話を続ける。
「天気が悪いと日没がいつになるのかも分からないから、敢えて今日は晴天にしたんじゃないの?」
「ふーん…」
「いいのか悪いのか分からんな」
「悪魔たちなりのお見送りなんでしょ、きっと」
「うへぁ…」
「嬉しくねぇ…」
「あのなぁ…」
俺への態度は改めてくれてはいるけど、やはり悪魔に対してはあんま変わらねーなコイツら。せっかくマモン様たちがこうして物理的に明るく送り出そうとしてくれてるんだから、それを好意的に受け止めてあげればいいのに。…いや、コイツらにはそんなもん通用しないわな。
「でもさ、曇りだったり雨なんかよりはまだいいじゃん?だろ?」
「まぁな」
「このままこの天気がちゃんと続けばまだいいんだけどよ」
「大丈夫でしょ多分。日が沈むまでは天気いいはずだもん」
ただの食後のお散歩みたいになっちまっているが、これはこれでいいでしょう。最後の穏やかでいられる時間なんだから、二人とはあんま言い合いや喧嘩とかしたくねぇしこっちだって。でも気を遣いすぎている訳じゃなくて、居心地が悪い訳でもないからこれまた不思議な感覚がしてしまう。
ここまで来るのに時間かかりすぎたのかな…俺らは。
俺が数歩先を歩いていると、後ろから二十四番が「なぁ船頭」と言って足を止めてくるので俺は気にすることなく振り返るが、二人の顔付きはやはり神妙な面持ちをしておりこれからまた真面目な話でもしてくるんだなと理解した。
「なんだ?」
「お願いがあるんだが聞いてくれるか?」
「お願い?」
なんだろ…お願いって。頭がハテナになってしまった俺を見ては七十二番が「簡単なこった」と言い切ってくるが、あんまりよろしくないことなのは目に見えているので本当は聞くのを渋りたかった。
「俺たちが死んだあと、俺らの体は瞑道の窯の中に捨ててくれないか?」
「……。」
七十二番のその真剣な面持ちとセリフに対し、俺はすぐに「分かった」とは返事が出来なかった。そういえばそうだよな…お前らが死んだあとの後処理もしないといけないもんな…、そんなことすっかり頭から抜けていたわ。
何も答えないでいる俺に少し呆れたのか二十四番が「聞いてるか?」と尋ねてくるので一応「あぁ」とだけ返す。
「嫌だとは言わせねぇぞ。知っての通り俺たちは罪人だ。さっきマモンが俺たちに判決を下したんだから、最後くらいお前は自分の仕事を全うしろよな。いいか?」
「だけど…」
俺が言いかけた時、七十二番が「だけどじゃねぇ」とすかさず俺の言葉を遮ってきた。
「大勢の罪人たちが死ぬところを俺と桜井は見てきた。そんな俺たちだけが普通の奴らと同じように埋葬されていいはずがねぇだろうが。それくらいは分かってるよな?お前は船頭なんだからよ」
「それはそうだけどさ…」
でも…なんで俺は躊躇しているんだ…?
そりゃそうだよな、コイツら二人は罪人なんだもん…さっきマモン様からの判決を下されたのだから他の罪人たちと同様コイツらもあの窯の中へと喰わせなきゃいけないのなんて頭では理解しているが…それを俺一人にさせろと?中々酷なこと言うじゃんおめーら。だって俺もう一人ぼっちなんだよ?悪魔以外誰もこの島からいなくなるんだよ?俺の負担デカすぎねぇか?
「こっち見て分かったと言え船頭」
「……。」
二十四番に上から目線でそんなことを言われまったので、俺は二人へと視線を少しずつ戻していっては二十四番と七十二番の目を見つめる。その瞳はもう決して何に対しても揺らいだりしない強固な目力でしかなかった。
「だって俺…」
「だってじゃねぇ。お前が俺と高見沢をあの舟に乗せて俺たちをこの島に運んできたんだろうが。それが船頭の仕事だろ?だったらお前が終わらせてくれ。全てを」
「悪魔たちだと嫌だけどよ、お前の手で終わらせてくれるなら俺らはなんも文句言わねぇよ。だから俺と桜井が死んだあとは頼んだぞ船頭」
「……。」
「返事をしてくれ」
七十二番の切ないような声色を聞いてしまえば、俺はグッと握り拳を作っては俯き加減で「……分かった」とその条件を受け入れるしかない。
そうだよな…、俺がコイツら二人を連れてきたんだもんな…。最後まで面倒見なきゃいけないのは俺の仕事だもんな…
…あぁ分かったよ。ちゃんと仕事やり通すから、だからちゃんと最後まで見ててくれよお前ら。
「ありがとう、船頭」
「約束だからな?ちゃんと…お前の手で俺たちを終わらせてくれ」
「……あぁ」
こういう会話をされると二人の死が近づいてきているんだなって改めて実感してしまう。あーダメだ…ここ最近涙腺バカになりすぎて何度も何度も泣けてきてしまう。笑って送り出した方がいいのだろうか。嫌ってる同士でそんなことするのってやっぱ変か?どれが正解なんだろう…
唇を一度噛み締めたあと、フウッと大袈裟に息を吐き出しては顔をあげてみせれば二人は優しい顔して「よろしく頼んだぞ」と俺へと全てを託してくるので、俺も精一杯それに応えなきゃならない。
これは俺の仕事だ。俺以外の奴がやるのも許さないし、させるつもりもない。コイツら二人をここまで生かしたのもこの俺だ。責任はしっかりと取るべきなので、逃げるつもりはもうないから安心してくれ二人とも。きっちり最後までこなしてみせるさ。
「顔付きが変わったな」
「いいツラしてんじゃん」
「うん。二人がそう言ってくれたお陰で俺も覚悟が決まったよ。大丈夫、俺が責任を持ってお前たちの体を瞑道の窯の中へとやるから。俺は俺の仕事をしなきゃならないもんな」
「あぁ、そうだ。だから…頼んだぜ、船頭?」
「もう迷うなよ?」
「もう迷わないよ。やり遂げてみせるから」
これで決心がついた。俺はやる。必ずやらなきゃならないからだ。
そう自分に言い聞かせ、俺たち三人はこののどかな島をブラブラと宛もなく歩き続けていった。
。
。
数時間後、自分たちの家の目の前の海を見渡せる場所でのんびりそこで座っては喋りながら過ごしてきたけれど、七十二番がかなりしんどそうな素振りを見せてきたので俺たちは一旦二人の家の中へと戻り、キツそうな表情を浮かべている七十二番を自分のベッドへとそっと下ろしていく。元々俺と同じで体調優れない日もあるにはあったから、体にガタが二十四番よりも先に来てしまったのだろうか。しかし二十四番も流石に少しずつ息をするのが苦しげな雰囲気をしているのを俺は見逃さなかった。
だから二十四番にも「ムリすんなよ」と伝えると、アイツもコップ一杯の水だけを飲んでから自分のベッドへと寝転がるのでやはり段々と体がしんどくなってきているのだろう。
もうすぐ二人の命は尽きる。
俺が何かしてやれることなんてないが、ただ二人の息を引き取るところを見守ることしか出来ないなんて…無力だよなー…と自分の評価を落とすことしか出来なかった。
「七十二番、苦しいか?」
「…少しだけ」
ハァ…はァ、と息をあがらせては自分の額辺りに右手を当てては天井を見つめている七十二番のこんな姿を見ているとやっぱり胸が苦しくなる。
二人のベッド付近に椅子を持ってきて一番近くで看取ろうと思うけど、こんな風に人が穏やかに死ねるところを見る方のが俺にとっては珍しいので俺の人生中々ハードモードだったよなーなんて感じてしまった。
「なぁ船頭…」
「ん?どうした?」
七十二番に呼ばれ、静かに返事をする。
「なんだかさぁ…俺このまま普通に寝るだけって感覚で…、朝になればまた目が覚めるんじゃねぇかって思っちまうぐらい死ぬ実感がねぇや…。ちょっと疲れたから一眠りするだけって感じなんだよね…今」
「そっか…。苦しんで死ぬよりかは全然いいじゃねぇか…!一番理想的な死に方じゃん…!悪魔たちのお情け受けられるだなんてお前ら本当に運が良かったんだな…っ!」
七十二番のこんなセリフに対して俺は気丈に振る舞うしか出来ず、今にも溢れ返ってきそうな涙を必死に目尻で止めてはいるけどダメかもしれない…。油断すると零れ落ちるよ…
すると二十四番も少し苦しそうではあるが、寝転がりながら「手厚いお情けだなぁ…」なんて呟いているのが聞こえてきた。
「瞑道の窯の中へ…生きたまま飛び込まずに済むのはまだありがてぇけどな…。やっぱこえーよ、あそこから飛び降りるのは…」
「なんだかんだでお前らも仕事はちゃんとやってくれてたからね、そこは悪魔たちも評価してるんじゃないのかっ…?俺の予想でしかないけど…」
「…ま、それでも…ベッドの上で死ねるなら本望よ。普通こんなの有り得ねぇからな…。他の船頭たちでさえ…それが叶わなかったのに…俺らのような罪人なんかが…」
「いい…気にしなくていいから。俺たちの仲間はその程度で二十四番と七十二番に文句言うような奴らじゃないの分かってんだろッ…?みんな凄く…優しくていい子だったじゃん…。みんなこんな仕事なのに途中で辞めるどころから最後まで全うしてくれた奴らばっかで本当に尊敬するよ俺は。俺だったら五年くらいで辞めるもんなぁ…!こんな意味の分からない仕事」
「そうだな…本当に訳の分からん仕事だったよ…。マジで。…でもそのお陰で俺たちは最後に気づけた。俺らが特別になっちまっただけで、人の命はそう簡単には蘇ったりなんてしないことも…、どんな奴らだろうとやっぱ人が目の前で死ぬのを見るのはキツかったよ…」
「それが俺らの罪だからな…しゃーねーよこればっかりは…。だけど船頭に生かされた意味は絶対にあったはずだ…。最初はもちろん死ぬほど嫌だったけど、俺をここまで引っ張って来てくれてありがとな船頭…。散々お前を責め立てたりしたのに…桜井のことがあって以降の俺を責めずにいてくれて感謝してる…。お前が肯定してくれたから…俺は悩みながらもここまでやってこれた」
「そっか…それなら良かったよ…」
「なぁ船頭…」
「なんだ?」
少し息苦しそうにしながらもこちらに顔を向けてきた七十二番は、俺にこう尋ねてきた。
「俺たちのこと……まだ嫌いか…?」
「……。」
そんな質問…最後にしてくんなよっ…
震える唇が言葉を発することを許してはくれないこの状態の俺を見て、二十四番がフッと軽く口角あげながら俺をバカにしたような態度で先に向こうから言われてしまう。
「俺たちはいつだってお前のこと大っ嫌いだぜ、バーカ…」
「俺たちがお前のこと好きって言うと思ったぁ?残念でしたぁー…、言う訳ねーじゃあん」
「なっ…!お、お前らなぁ…!最後くらいは素直に好きになりましたって言ってみろよバカ!ていうか聞いてくんなよそんなことッ!」
二人のいつものあの態度に戻ったその瞬間、俺も二人に対する態度をいつも通りにしてみせる。してみせると言うよりは、最早反射的にツッコミを入れる体になっちまってるから涙出そうになってたけど勝手に口がそう喋ってしまっていただけだ。染み付いてんなぁ…俺の口は。
それでも二十四番が「船頭の答えは?」と聞いてくるので、しっかりと答えてみせる。
「…嫌いだわバーカ!お前らが死ぬってんならこちとら清々するわッ」
「ひどぉい…」
「血も涙もねぇなテメェ…。流石は悪魔の使者だな…」
「お前らが言わせたんだろうがッ!」
普段通りの会話。毎日のようにしていたおふざけ。
二人が気を利かせてくれているのが凄くよく伝わってきてしまうが、コイツらってこんなに俺に対して優しく出来るんだな。始めっからその優しさ発揮しておいてくれよ…。散々おめーらに手こずったんだからな、こっちは。
だけどこの戯れもあと少し。オレンジ色というより最早赤に近いような色をした太陽が窓の外を見やればそこにあるけど、今まさに沈み込もうとしている。もう半分もないくらいの高さだ。
「あー…眠くなってきたぁ…」
「俺も…。このまま寝ちまいそうなくらい…瞼が重てぇわ…」
「……。」
もう本当にあと少し。逃れられない死が目の前まで迫ってきている。
膝の上に置いてある両の手の拳がギュッと固くなるのを自覚し、二人の最期を見届ける為に俺はその手でグイと涙を軽く拭き取ると七十二番が「ねぇ…」と再び呼んでくるので「なに?」と返す。
「十年間…ありがとう。ホントはまだいっぱい…船頭に言いたいことがあるけど…もう何言っていいか分かんねぇや…。俺も焦ってるせいで何を伝えたいか分からなくなっちまってる…」
「俺も……二人に沢山言いたいことあるのに、いざこうして目の前で死にそうな二人を見てると…なんにも頭に浮かんでこないッ…!本当にごめん…、ごめん…!」
「謝るな船頭…。最後くらい感謝の言葉伝えようぜ…。な…?」
「っ…!」
二十四番の言う通りだ。謝罪をするより、ありがとうを言葉で伝えた方が遥かにいいじゃないか。そっちのが全員気持ちよく…終われるしな。
「ありがとう…坂崎」
「……えっ?」
今二十四番なんて…?
「俺からも…ありがとな、坂崎」
「……っ」
七十二番も……今初めて俺のこと名前で…?
一瞬意味が分からなすぎて、二人のことを滲んだ視界のままただ見つめることしか出来ずにいると七十二番が二十四番に向かって「桜井ー…」と呼びつける。
「なんだ、高見沢…?」
「俺たち死んでも一緒だよねぇ…?」
「あぁ…寂しがらんでも絶対一緒だろ、…お前と俺なら」
「良かったぁ…一人じゃなくて…。桜井も…ありがとな。お前は大事な相…棒、だか…ら……」
「こっちこそ…十年間、感謝して、るぜ…高見沢…」
プツリと何かが途切れたかのように言葉を発することをしなくなってしまった二十四番と七十二番。
本当に…お前らはいつまで経っても一緒がいいんだな…。羨ましくて仕方ねぇよ…
「……高見沢、…桜井…」
いつの間にやら太陽の光がこの世界から失われていき、俺はその最後の光を眺めると同時に目の前のベッドで横たわっては息をしていない二人に目を向けては二人の名前を呼んでみせる。
最後の最後で二人は何を思ったのだろうか。
我慢出来なかったのかなんなのかは分からないけれど、二人の目から流れていった一筋の水滴は沢山の想いが込められた涙だったはずだ。
お前らだって…罪人だけど人の心はあるもんな…。普通の人間だもんな…。死ぬのは怖くないって言ってはいたけど、本当は怖かったかもしれないしな…。でも俺の残りの人生の為にお前たち二人は俺に魂返してくれたんだもんな…?
ありがとう……、本当にありがとう…二人とも…
「ぅ……うぅ…っ」
俺はこの家でいつまで泣き腫らしていたかも覚えていないし、このあとどうやって自分の家へ戻ったのかもほとんど記憶になかった。
高見沢と桜井の体が今日だけは安らかに眠れるよう、布団を被せてあげたのまでは覚えているけど…二人の眠っている顔を見ては、また明日も起きては一緒に仕事するんじゃないかって勘違いしてしまうほど穏やかな表情をしていたのは確かだった。
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