このグラノーラおいしい

昨日の夜眠たくて寝落ちしちゃってたから今朝に更新してる😂

これから出掛けるから一日中いないもんで、今日は創作出来ないかな。ていうかお話2話とか言ってた癖に3話になるわコレ…。でも今日は書けないから更新は明日になるかな…?分からん!笑

んでグラノーラ

私が好きなスイーツ系のインスタグラマーさんのレシピで、よーやく作れた!健康とかどーでもよくて、美味しさを追求したグラノーラだからマジでこれ美味しい(´~`)ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”♡

甘味をはちみつじゃなくてグラニュー糖(私はきび糖だけど)なだけで、確かに食感違うね!私も砂糖の方が好きかも!

みんなで食べると一瞬でなくなりそう😂

あ、お話載せとく

 

 

ほんのちょっとのすれ違い

 

桜音さん電話に出ないな〜。気づいてないだけかなー?なんて思いながら一旦バツマークをタップすると、高見沢が「出ないん?」と聞いてくるので「うん」と簡潔に答える。

「んじゃもうちっと待つか〜」

「そうだね。…俺ちょっとトイレだけ行ってきてもいい?」

「おう」

高見沢に荷物だけ見ててと頼み、俺は一人で御手洗がある場所まで歩いていると、なぜか御手洗とは反対側の廊下には桜音さんがいた。あれっ?もう来てたのか?

そう思い、桜音さん!と名前を呼ぼうとしたのだけれど…

聞こえてきてしまった相手の嫌な言葉。

「桜井さんってこの夏休み中、色んな男と寝たんじゃないの?」というセリフが耳に直撃してきて俺の心臓はドクンと騒ぎ出し、一瞬息がしにくくて「ハぁッ…」と変な呼吸の仕方に変わってしまう。

そしてそのあとなぜか桜音さんはあの男の腕を取って人の少なさそうな向こう側へと行ってしまったではないか。え?なんで?どゆこと??

 

「……。」

頭の中がグルグル回る。

俺、桜音さんにとんでもないことしてないか?大学中にもしこんな噂が出回っていたとしたらヤバくないか?桜音さんが可哀想すぎないか??

俺がこんな性癖だから桜音さんのイメージが悪くなってしまったとか?高見沢との関係がどこかでまた誰かに見られていたのか?棚瀬に寝取らせようとしていたことまで誰かに知られた?いや、そもそも桜音さんが本当に俺の知らないところで色んな男と会っていたとか…?

お、桜音さんが俺に黙ってそんなことするはず……

「ないとも言い切れんか…」

俺のこの性癖のせいで、寝取られたことに興奮するこんな残念な頭だから桜音さんが密かに他の男と会って関係持っててもそれはそれで俺を喜ばそうと…鬱勃起させてやろうとか考えてたらないとも言い切れんのがなんとも…。だからそれに関しては桜音さんは悪くない。俺の方が悪いから桜音さんを責めたりなんて出来るはずがない。

それともアレか…?あの事件の噂がおかしな形で出回っているとかか…?

あの時桜音さんはあのゴミクズ野郎どもに襲われかけたその話が変な尾鰭がついてあらぬ方向にいってしまったとか…?どうなんだろう…その話も有り得るから今はなんとも言えないけど、なんにしても俺のせいで桜音さんがそんな変な目で見られるようになってしまっただなんて耐えられない。

そんな話が広がっていたのならそりゃああの男が桜音さん誘うのも当然と言えば当然か…。しかも俺なんかと違って背も高くてイケメンで爽やかで堂々としているから、桜音さんがそっちに惹かれるのも仕方ないよな…。さっき桜音さんの方から手を引いて向こう側へ行ってしまったあの意味ってなんなんだろう。俺を置いてあんなイケメン二人で何をしようとしてるんだろう。イケメンと言っても桜音さんは女性だからそりゃあねぇ…しかも俺の寝取られ性癖理解してくれてるせいで、アイツと二人きりでどっか行っちゃったりしても俺なんにも言えねぇや…

あーーダメだ…どんどん考えが沈んでいく…

 

「はァ…」

フラフラと元来た道を戻って行き、トイレに行くはずだったのにそんなもの忘却されてしまえば俺は自分の荷物が置いてある椅子まで戻ってきてそのまま荷物だけを持って勝手に行ってしまった。そんな俺を見ていた高見沢が「えっ?ちょっ、坂崎??」と声をかけてきていたのだが、正直アイツの相手なんてしてられる精神状態じゃない。なので何も言わずにフラッとここから立ち去ろうとしたんだけど、高見沢は慌てて自分のカバンを手に取っては俺の後を追いかけてくる。

はぁーーー……

「お、おい坂崎!桜音はどーすんだよッ?まだアイツ戻ってきてねーぞ??」

「いいよもう…。桜音さんすぐそこにいるっぽいし…」

「えっ?そーなん?…なら尚更待ってやった方が良くねーか?」

「俺桜音さんに合わせる顔がないや…」

「トイレ行って帰ってくるだけの間でおめーに一体何があったんだよ」

半分呆れてる高見沢に対して俺はまた無意識にデカいため息が出てきてしまい、こんな俺の様子にようやく察しがついたのか「桜音の奴となんかあったん?」と聞いてくる。

「……俺桜音さんの印象を悪くしてしまったかもしれない」

「ん?どゆこと?」

「俺なんかよりもああいうイケメンの方がそりゃいいに決まってるよね…そうだよね…」

「はァ?」

「死にたい…」

「話の脈略がよぉ分からん。もっと分かるように喋れや」

あーーもうさっきからうるせーなぁこの男は〜…!!

「着いてくんなクズ野郎、鬱陶しいんだよッ」

「急にどしたんマジで?お前が俺に対してそんな暴言吐くなんて…」

「それは日常茶飯事だろーが」

コイツのこういうテキトーなところが今は余計にイラッイラするわぁ〜〜…

校舎から出てどこへ行くのかもまだ決めてないのにフラフラ歩くも、やはり九月と言えどまだまだ暑い。すぐに汗が滲み出てきて太陽のこの眩しさが逆に鬱陶しくて、もう帰ろうかな…なんて思っていたら高見沢の方から「ちっと寄り道しよーぜ」と誘ってくる。面倒くさいわ…

 

「もう帰りたい…」

「まぁまぁ、なんか美味いもん食って気を紛らわせ。俺さーちょっと食ってみたいアイスがあるんだけどよ〜」

「っ…。お前みたいにそんなすぐ心切り替えることなんて俺出来ないんだよっ!見りゃ分かるだろッ?俺落ち込んでんの!絡んでくるな!ウザいわ!」

「……。」

立ち止まっては急に俺が声を荒らげたもんだから高見沢は次の言葉を口にすることなく黙ってしまったけど、俺は一人になりたかったからコイツを置いてただ駅に向かって歩き出す。しかし帰る方向が同じなので結局は高見沢も一緒なんですけどね…

「桜音と別れようとすんなよお前」

「……。」

「なにをそんなにショック受けてるか知らねーけどさぁ、桜音に話し聞いたの?桜音と話したんかお前は?」

「あんな状況で話せる訳ねーだろ…!」

「どんな状況かは知らんが俺なら行くぜ?その場でスッキリさせた方のがいーじゃん、どう考えたって。今のお前みたいにグダグダ考え込んでる時間の方がムダだもん」

「そりゃお前みたいに無神経に相手の都合も考えず凸ることが出来たら俺だってしてるよ!でもそれが出来ない性格なんだよこっちは…!相手の顔色ばっか伺って、相手に失礼のないようにするにはどうすりゃいいかをばっか考えて…そしたら動けなくて言葉も出なくなってそれに対して苦しむ性格なのに、俺なんかよりも格好よくて女たちからあんなにも人気者のアイツ相手に俺なんかが勝てる見込みねーのくらい高見沢だって分かんだろッ!?…いいよなお前は。前にも桜音さんが男装仲間の女子とラブホで撮影会してたのを勘違いして、ホテルから出てきた桜音さんに対してすぐに聞きに行ける性格してるもんなお前は…。俺にはそんな行動力もないからその場で帰っちゃうよ…」

「…それだともったいなくねーか?」

「知らねーよ…。誰しもお前みたいにすぐに動ける行動力を持ち合わせちゃいないって意味だよバカ…。羨ましいよ、こっちからしたら」

「人生半分くらい損してそーだなおめーらネガティブ人間は。逆に俺は坂崎みたいなネガティブ野郎のことを羨ましいなんて一度も思ったことねーわ。生きてて楽しんか?」

「苦しい時のが多いに決まってんだろ…。生まれつきの陰キャで根暗な俺だぞ?桜音さんと付き合ってからだよ、こんなに楽しいって思えるようになったのも…。高見沢とも…それにお前の後輩たちとも…急激に自分の周りに人が集まり始めてきて俺はその忙(せわ)しさに慣れてないし心も体もまだ付いていけてない時もある」

「人が多すぎて疲れたんか?」

「そりゃ疲れるよ物凄く…。周りに人がいればもちろん気は遣うし場を盛り下げたりしたらダメだとか色々考えちまうから帰るとドッと疲れる時も多いよそりゃあ」

「そうだったん?なんかすまんな」

本気で謝ってんのかそうでないのかが分からんからスルーしておこ。

 

「でも……、楽しいって本気で思えるようになったのも桜音さんやお前がいつも一緒にいてくれるからだと思う」

「…!」

あぁーダメだ、胸が張り裂けそう…

「卒業も近いのになんでこんなにも楽しくて…今になって卒業したくないんだろうって本気でそう思っちまってる自分がいるんだよ…!おかしいだろこんなの…!こんな感情知らなければここまで苦しむことなんてなかったってのに俺は…ッ、俺はバカだから今更この青春まがいの体験で今まで守ってきた心を全て壊されて…一人になるのがもう怖くて恐くて堪らないっていうのに…!!桜音さんをまた傷付けてしまいそうなこの状況から逃げ出したいっていう矛盾が生じて俺本気で最低な人間だなってつくづく思う訳で…。高見沢みたいに俺は誰かを守れやしないうえに、また逃げようとしている…。でも桜音さんのことを想うと逃げちゃダメだってのは頭では理解してるけども…」

限界だ……

「坂崎…」

「俺は高見沢や桜音さんのように強くなんてない…。今まで逃げてきて自分が傷付かないようにする為にはどうすればいいのかばかり考えてきたある意味お前より自己中人間なのかもしれん…。前に桜音さんをフった時だってそうだった。俺は自分の都合でただ一方的に桜音さんをフってしまったんだよ…相手の話しも何も聞かずにさ。桜音さんの為をとか言いながら俺はきっと自分があれ以上傷付くのが怖くて桜音さんをフって大学を中退しようとしたんだと思う…。今思えば…俺クッソ自己中じゃんね…。最低だわ…」

「……、」

なんだか目の前がクラクラしてきそうだ。

今までずっと口にしてこなかった気持ちを思わずこんな男相手に全部ぶち撒けてしまったではないか。なんという屈辱。

しかしそんな高見沢はやっぱりマイペースに「取り敢えずあちーからどっかで涼まねぇ?」と口にしてくるだけなので、最早ある意味尊敬するわコイツのこういう精神。

 

「そこの定食屋入らね?あそこ安くて美味いんだよ」

「……分かった」

高見沢に促されるまま俺たちは取り敢えずそこの定食屋へと入ろうとしたその時。俺のスマホが鳴るのでポケットにしまっていたスマホを取り出すと画面の文字は桜音さんの名前が映し出されている。しかし俺はその電話を取る気には当然なれなかったのでスルーする。

一度切れた着信のあとに、諦めていないのか分からないけどまたもう一度かかってくるがそれに出ることもない。ボケーっとスマホを見つめていたら高見沢に「桜音か?」と聞かれたのでコクンとただ頷くだけ。また着信が終わり、内心どこかホッとしていると今度は高見沢の方に電話をかけてきたらしく、スマホを確認した高見沢が出ようとしたけども咄嗟に俺が「今は出ないで」と口走ってしまったせいで、高見沢は仕方なく俺の言うことに従ってはくれたみたい。

「出なくていいのかよ?」

「今は喋る勇気がなくて…」

次第に高見沢のスマホも静かになり、高見沢が「大学戻った方が良くね?」と尋ねてはきたものの、こんな俺が今桜音さんに会える勇気があるとでも?

ハァ…とまたため息を漏らした途端、再び高見沢のスマホが唐突に鳴るので高見沢がスマホ画面に目を向けると高見沢は「っれ?棚瀬からだ」と呟きながらそのままパッと電話に出てしまう。一瞬俺は「あっ…」と思ったものの、止める隙もなく電話に出たのでもうしょうがない…

 

「うん、…うん。あぁ一緒にいるぜ?…あー、それはちっと多分今はムリだわ。…ん?あぁそういうことね。おう、…んー分かった。じゃーな」

すぐに通話は終わり、高見沢が「棚瀬と桜音今一緒にいるらしーぜ」と言ってきたが、まぁ大体の予想はついていたさ…

「一応今は会いたくねぇってのだけは伝えといたぞ」

「ありがと…」

「桜音の奴も坂崎と会いたそうにしてるってさ。どする?」

「うん…そっか。でも今はちょっと…いいかな」

「…そか」

そして店の扉を開けると「いらっしゃいませー!」の元気な声が店内によく響き、お昼前なので満員という訳ではないけど半分ほど席は埋まっているからお好きな席へどうぞと案内されれば好きな席へとつく俺と高見沢。

正直なんにも食べる気もなかったし、食欲なんて失せていたけど高見沢が勝手に店員さん呼んで「この冷やし肉うどん定食二つ」となぜか勝手に注文しやがったので俺は有無も言わさず冷やし肉うどん定食となってしまった。まぁ食欲なかったしもうなんでも良かったから別にいいんだけどさぁ…

「んで、結局坂崎はどーしたいんだ?俺にはおめーの言う答えが見えんのだが?」

「答えなんてねーよ…。どうすりゃいいか分かんねぇんだよ…」

「んなら俺から言えることはただ一つ。一方的に桜音と別れようとすんな。お前は暴走すると桜音のこと考えてるようで全く考えてねーからあんまそれ繰り返すと流石に桜音も可哀想だろ。アイツだって見た目はあんな風だが中身は割かしちゃんと女なんだから、桜音をもうこれ以上悲しませるようなことはすんな。ダチ兼セフレの俺と違ってお前は彼氏だろ?お前がそんなんでどーすんだよ。また桜音泣かすんか?」

「俺と別れた方が桜音さん泣かなくて済むんじゃないかなぁ…」

俺のボソッと呟いた一言に対して高見沢が珍しくカチンときたような表情をしては、腕組みしながら目を細めては「ほーーう…」と一人なにかに納得している様子。

 

「なに…」

「じゃあ桜音が他の男に取られてもいいってことだよな?」

「……。」

「十年間追いかけてやーーっと手に入れた高嶺の花なのに、坂崎はその花をすーーぐ手放そうとするもんな〜〜。桜音がお前の寝取られ性癖に付き合ってくれてる今アイツは俺のことや坂崎以外の他の男なんかを好きになんてならんだろうけど、坂崎が桜音を手放すっつーことは俺が今後桜音のことを好きにしてもいいんだよな?なぁ?」

「お前ならまだ…」

「んじゃあ俺以外の男はどーだ?棚瀬や吉田鈴木とか知ってる奴らじゃなくて、お前が全然知らん野郎どもなんかに桜音が惚れても一切文句言わねぇんだなお前は?」

「……、」

「未練タラタラのクセにそんな格好つけられるほどお前は強い男なんか?あ?桜音が変に目覚めて俺らみたいなヤリチン野郎どもなんかと連んで股開いてアンアンよがってても文句言うなよテメェはよぉ?俺らの大学には桜音を狙ってる奴なんざ大勢いただろうから次こそ桜音がフリーだと知ったら今度こそ桜音を狙いにくる奴らが出てくるぞ?つーかさっきもナンパされてたしぃ?お前は大学来て桜音が他の男たちに囲まれているところを遠くから見てるんか?それ耐えられるんか?桜音が他の男を好きになってお前を忘れて遊びに走ってもそれでいいのか?なぁ?」

「……っ」

「想像しただけでいっちょ前に傷付いたツラしてんじゃねーよこのザコ。本音は嫌でイヤで仕方ないんだろ?なぁ坂崎さんよ?」

「くっ…!」

挑発されたような目線に無性に腹が立ったので、前髪の隙間からコイツをギッと睨んでは反論してやろうかと思った瞬間「おまたせ致しましたー!」という明るい声と共に運ばれてきた食事のせいで、俺の怒りが発散されることなく口の中でモゴモゴとその怒りを咀嚼することとなってしまった。

タイミングぅ…

 

「おっ、うまそ。いただきまーす」

「…いただきます」

割り箸割って食い始めることしか出来なかったが、高見沢はうどんに集中しながらも「桜音を誰にも取られたくないって、本音はそう思ってんだろ坂崎は?」と尋ねてくるのでどこか諦めた俺は小さな声で「…当たり前じゃん」と呟く。

「お互いが今も好きなのに別れる理由なんてなくね?片一方が不満溜まって相手に愛想尽かしたり浮気したりモラハラ野郎だったりしたらそりゃ別れてぇとか思ったりするだろうけどよぉ、でも坂崎も桜音もお互いのこと不満も別に大してないんだろ?お前も桜音もお互いのことが好きで好きで仕方ねーんだろ?それなのになんで別れようとする?前回もそうだったけどさぁ」

「……俺と付き合ってから桜音さん、色んなことに巻き込まれちゃって大変そうにはしてたし、何より俺が桜音さんに自分の性癖を強要してるような気がしてそれもやっぱりダメだったんだろうなって…。そのせいで大学での桜音さんの評価や周りの目がおかしな方へいったりなんかすると、俺が耐えられないから…」

「だから別れるって?桜音の話しも聞かずに一方的に?」

「それは…」

「別れたいけど桜音は他の男のもんになって欲しくないってか。…ざけんなよ豆柴、桜音のこと舐めるのも大概にしやがれ」

「…っ」

うどんの上に乗っている肉を頬張りながら高見沢は俺の隠れている視線を前髪の隙間から捉えてきて、今度は向こうからギロッと俺を睨みつけてくる。その迫力はまさに狼に遊ばれている豆柴のようだ。そのせいで肩が一瞬だけビクッとしてしまったのを多分コイツにはもう気づかれているはず。

 

「お前が一番桜音を大事にしてやらなきゃならねぇ立場なのに、なんでそのお前が桜音を毎回蔑ろにする?桜音はただの飾りか?付き合えればそれでいいってか?まぁ坂崎と桜音がそれなら別に俺はもう口出ししねぇけどよぉ…。だけど俺はお前と桜音を引っつけさせた責任があるからお前らがどんなに危険な状況になろうとも俺なりにここまで守ってきたつもりだ。俺は本気でお前らに結婚して欲しいし、マジで応援してるから俺はいつも…いつもお前らと本気で向き合ってきたつもりだったのによぉ…」

「……ぁ」

「俺の本気は無意味だったってことでいいのか?」

そんな…ことは…

「…ごめん。そんなつもりじゃ、」

「俺が邪魔なら俺を切ってもいいんだけどさぁ…、お前だけは桜音を切っちゃダメだろ?あんなにいい女に出会えて付き合える確率なんて坂崎みてーな弱男なんかはゼロに近いんだから、意地でも桜音にしがみついて離すんじゃねぇ。お前みたいな男が桜音に好かれてること自体が奇跡なんだから、んな最高の女を自分から手放すとかよっぽどのバカとしか思えんね俺は」

「…うん」

ヒデー言われようだが高見沢の言ってることはこの上なく正しい。俺みたいな奴が桜音さんという人気者に好かれているだけ奇跡に近いのに俺はそんな人をすぐに手放そうとしてしまう。この癖の治し方を教えて欲しいよ、本当に。

 

「ねぇ…」

「んー?」

もうとっくに食い終わってる高見沢は最後に水だけ飲み干しているけどまだ俺はうどんもご飯も半分ほど残っている。早く食べなきゃな…

「俺のせいで桜音さんがみんなから誰とでもヤる女みたいなレッテル張られて嫌な噂が出回ってしまった場合はどうすればいいの…?」

「そんな噂が出回ってんのか?」

「分からないけど…さっきのあのナンパもそういう意味なのかなと思って…」

「そんなんで落ち込んでんのお前?」

「だってそんな目で見られる桜音さんが可哀想じゃ…。それにあの時の事件も既にみんなの耳に入ってるらしいから、あらぬ噂をたてられたら余計に桜音さんが可哀想で…」

「んなもん事実を流しときゃいい話しだ」

「それに桜音さんが…俺の知らないところで他の…男と、会ったりなんかしてヤってたりなんてしたら、流石の寝取られ性癖の俺もそれはちょっとキツいというか…」

「…ん?え?今なんて?」

「桜音さんがこの夏休み中に他の男と会ってたかもしれないって話が…」

「ちょっとまてまてまて。どっからそんな話しが出てきた??桜音は坂崎と俺以外の男となんて相手してねーだろ??棚瀬はちっと危うかったけど…。…ん?桜音って誰か他の男と会ったりしてたんか?んな話し俺も聞いてねーぞ?」

「だって俺も知らないし…」

「え?てかそもそも桜音がホントにそんなこと言ってたんか?」

「いや、桜音さんは言ってないよ?さっきナンパしてきたアイツがそう言ってたから…」

「は??」

「は?」

高見沢の目が点になっている。

え?俺なんか変なこと言ったっけ?

こちらも頭がハテナ状態なのだが、高見沢が正気を取り戻したかのように右手を自分の顔の前で横にブンブン振りながら「いやいやいやいや!」と思いっきりなにかを否定してくる。

な、なに?

 

「おめー、桜音以外のそんな奴のデタラメ発言を真に受けたんか??」

「え…?」

「そんな奴らの言ってることを桜音に確認する前に勝手に一人で落ち込んでんのかお前ッ??」

「う、うん…」

「え?は…?マジか…」

なぜか高見沢にドン引きされている状態だ。俺なんかそんな変なことしたっけ…?

相変わらず腕組みしている高見沢はデッカいため息をつきながらめちゃくちゃガックリと肩を落としては疲れ切ったようなツラをしているが、まぁ言いたいことは分かるよ…うん。俺が聞きに行く自信ないからこうなってるだけってのはもちろん分かってるよ…

「それがマジの事実ならそんくらい落ち込んでもまだ分かるけどよぉ…、まだ桜音本人に話しすらマトモに聞いてないのによくそこまで勝手に落ち込めるな??逆にすげーよお前…。さっき俺に対して“あんな状況で話せる訳ない!”とかなんとか言ってたよなお前?話せる訳ない、じゃなくてすぐその場で話してこいよ。いやマジで。そんなくっだらねぇ悩みを一人で抱え込んで変な方向に妄想して別れたいとかマジでバカなん??そんなんで別れられる桜音の身にもなってみろよな…」

「ぅぐ…」

確かに…逆の立場からしたら、なに勝手に一人で勘違い妄想して暴走して別れたいってほざいてるんだよって言いたくなる…わな。

高見沢に首を傾げられて盛大に呆れられている俺だけど、でもやっぱりお前みたいにその場ですぐに行動出来ないのが俺なんだよ…。あそこで動いていられたらどれほど自分の気持ちが楽になるんだろうか、って…そんなの自分でも分かってるさ。

 

「なぁ坂崎ぃ…俺何回も言ってるよなぁ、俺を使えって。そういう時に俺の出番だろ?」

「う、うんまぁ確かに…」

そんなことすっかり忘れてたわ…。あんな状況でそこまで頭が回るはずもないから後から後悔しても仕方ないが、そうか…ああいう状況の時こそ高見沢を使えばいいのか…

「お前と違って俺は相手に遠慮しねーからな。聞きたいことがあればその場で聞いてスッキリしてぇし、事実でもねぇことに一々そうやって悩んでんのがクソみてぇな時間だと思うんだよマジで。お前さぁ〜、その性格ちょっと見直してみ?だいぶヤバいぜ?」

「そ、そんなにヤバいかな…」

「一人で勝手に思い込んで死にそうなツラして、大好きな桜音と一方的にまた別れようとしてんのはヤバくないって言いたいんかおめーは…」

「あ…うん。それはヤバいね…」

高見沢にこうして面と向かって俺のしている行動を簡潔に口に出されると、「あ、俺ヤベェ奴やん」って思い知らされる。

落ち込んでいた時は高見沢の声に半分も耳を貸していなかったけれど、冷静になって高見沢から話しをされている今、俺トンデモネェことしてんなって突きつけられたわ。

高見沢に説教されなかったら俺このまままた桜音さんを最大に傷付けてたって意味だよな…?

全身がゾオッとしたのは言うまでもなく、今この場に高見沢がいなければ俺はどんな行動を起こしていたのかと思うと本気で恐ろしい。

「……そっか」

「あ?」

なんでこんな俺が高見沢とこうして連み続けていられるのかがなんか今ふと理解出来た気がした。

真逆の性格の俺たちだけれど強く出れない俺に対してムリさせることなく、コイツはいつだってお前に出来ないことは俺に任せろのスタンスだし、出来ない俺に対して高見沢は特になにか文句を言ってきたことなんてないもんな…。それとは逆で、なんでもかんでも全部ぶっちゃけて言いたい放題言う高見沢に対して桜音さんとよく喧嘩しているコイツだけれど、気の弱い俺ではあるが人のことをよく見て伺って、相手の気持ちを逆撫でしないように気をつけながらその場をなんとか収めたいと思ってしまう俺…。きちんと相手の言葉に耳を傾けて、向こうが何をしたくて何を言いたいかを聞き取るの方がどちらかと言えば得意だ。

こんな風に性格が真逆だからこそ俺たちは自分にないものを互いに補っていられるのかもしれない。

凹凸が見事カチッとハマるみたいな、そんな感じなのだろうか?

……なんかヤダなぁ。

 

「ありがと高見沢気づかせてくれて。俺、今からきちんと桜音さんと向き合うよ」

「お?やっとその気になったか?」

「うん。桜音さんの話しも聞かずに勝手に離れたいだなんて、これ以上にない失礼な行為なのにまた俺はそれを繰り返すところだった…。正直桜音さんと俺が釣り合ってるとは今でもそんなに思ってはないけども、でも俺は桜音さんがずっとずっと大好きだったんだもん…。本音は桜音さんと離れたくないよ…、ちゃんと愛して結婚したいよ…」

「その言葉が聞けりゃあもうそれで十分だよ。おらサッサとメシ食って桜音んとこ行くぞ」

「そ、そうだね。早く食べなきゃ…!」

慌てて残っていたうどんを勢いよく啜り、メシの続きを食べていると高見沢がなにかに気づいてスマホを取り出しては画面を見やっていると、アイツは「棚瀬からだ」と言いながら相手へとすぐに返信している。

「棚瀬なんて言ってる?」

「んー…、桜音ん家に今一緒にいるってさ」

「えっ?そーなの?」

高見沢がなんとも言えない表情をしているが「今日はなんにもしませんよ、だとよ」と疑り深く言い放ってはいるが、俺からしたらアイツもなんだかんだで信用は出来る奴なので棚瀬のその言葉はもちろん信じよう。高見沢はそうでもないんだろうけど。

「ホントかよあの野郎」

「…きっと大丈夫なはずだよ。アイツはこういう時にふざけるような奴じゃないんでしょ?」

「さーね〜〜??俺にはアイツら後輩三人のことは分からんッ」

高見沢はこうは言ってるが俺はなんとなく今ん所あの三人の中で棚瀬だけは信じられそうだから、まぁ桜音さんのことは棚瀬に任せておこう。いや別に鈴木と吉田を信じてない訳じゃないんだよ?あの二人もよくやってくれているし、一応仲良くさせてもらってるから大丈夫だとは思うんだけど……でも棚瀬の本音を聞いているのとはまた状況が違うので、あの二人に関してはまだなんとも言えんってだけだ。

 

「なぁ、高見沢」

「んだよ」

「いつも俺らのこと見捨てないでいてくれてありがとう…。また俺はお前に助けられちまったよ…情けねぇな、ホント」

「なに言ってんだオメー。坂崎の情けなさは今に始まったことじゃねーだろうが?お前は俺様に対して一生感謝しながら生きやがれ」

「くっそ…、やっぱ腹立つわテメェ…」

「事実ですからぁ〜!」

ムカつくツラしてからかってくる態度の高見沢を無視して俺はメシを食うことに集中する。

早く桜音さんに会って謝りたい。

そして早く桜音さんを抱きしめたいや。

 

 

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