平行世界の君

結局この土日はなんか半分くらい死んでたんでひたすらベッドの上で寝たりゴロゴロしたりしておりました🫠

はーーやだやだ。まだお話書いてる途中だし、今3話目書いてるけどどこまで続くか分からんから取り敢えず1話目だけ載せとくねぇ🥱‪‪‬ᐝ

タイトルの通りもうなんのお話かは察せるでしょう。少し前に、去年の冬からずっと考えてた話と書いたけど、結局考えついてたところまでしか頭の中では進まずだったので、えーいもう書いて流れに任せろ!な状態で書いてたら意外と書けるもんなんやね😂

変な方向にズレないよう、ネタバレ集に載ってる続編に上手く繋げられるようなんとか頑張って書いてみます😌

 

 

平行世界の君

 

「幸之助のバカぁー!もう知らない!ウチお家帰らないぞ!」

「へいへい、バカで構いませんよ。じゃあ帰ってくんな」

「っ〜…!バカ!王子の家に泊まりに行くからなっ?いいんだな??」

「どーぞユキの好きにして下さいな〜」

「むーーっ!」

些細なことでユキと喧嘩というか言い合いをしているけど、今回ユキが変に頑なだからこっちも年甲斐もなく意地の悪いことを言ってしまう。そして巻き込まれた高見沢は俺たちの方を見て「ちょっと…やめてよ…」と言っているが、ユキは構わず高見沢の背中に引っ付いて俺の方に顔を向けては舌出してベーーッなんてしてくる。相変わらず腹立つなぁ〜…このバカ女。

ふんっ、とそっぽ向いては俺をシカトしてくるユキだが桜井に「いい加減仲直りしたらぁ?」なんて言われちまえばユキも一瞬寂しげな顔をした気がしたが、やはりまだムカつくのか結局は高見沢から離れないでいる。

 

「王子、今日王子の家に泊まりに行く」

「えーー…」

「別にいいだろっ?」

「坂崎に許可もらってからにして…」

ずっとタジタジ状態の高見沢だが、俺の方を見れないのか何か後ろめたさでもあるのかは知らんが顔を一向に合わせてはこない。そんな高見沢を見ていた桜井の顔がまるで「ご愁傷さん」と言っているかのようだ。

「幸之助!ウチ王子の家に泊まりに行くからな!?」

「どーぞご勝手に」

「むぅぅ〜…!ほら行くぞ王子!」

「うわ、やめてぇ…」

「高見沢頼んだわ」

「ユキ姉が余計なことしなければまぁいいんだけどさぁ…」

「え、本当にいいの?」

「一日くらいなら…」

「だってさユキ。良かったな〜、高見沢の家に泊まれて。じゃ、俺先帰るから」

「ふんっ!じゃーな幸之助!早く行け!」

「はいはい行きますよ」

三人にサヨナラ告げてから俺は一人で自分の家へと帰る。

いつもの下らないちょっとした喧嘩。明日になればきっとユキも機嫌直してまたこっち戻ってくるんだろう。

そう思っていたのに、次の日とんでもないことに俺は巻き込まれるなんてこの時知る由もなかった。

 


 

さっきから桜井が心配そうに「本当に大丈夫か?」と聞いてくるが、こうなっちまったもんはどうしようもない…。ユキちゃんに「着替えとか持ってるの?」と尋ねてみても、当然のように「ない」とキッパリと言い切る。なので俺も桜井もため息つきながら結局は近くの店で桜井も連行してユキちゃんの替えの下着と寝巻きになるようなリラックス出来るタイプの服を買ってあげてから俺とユキちゃんの分の晩メシも買いに行き、振り回されている俺と桜井は疲れきった顔してからここで解散となる。

「ありがと桜井、一緒に来てくれて…。俺一人だとムリだったかも…」

「あぁまぁ、いいんだけどね…。高見沢一人だけだとなんか不安だったし…」

「うん…。ほらユキ姉、そろそろ行くよ」

「はーい」

「ユキちゃん、あんまり高見沢のこと苛めないでね?」

「ウチ別に王子のこと苛めてるつもりないぞ?」

「あーそう…それならいいんだけどさ…。じゃ、そろそろ俺も行くわ」

「じゃーなマサル!」

「さんきゅー桜井」

「あいよー……ッ!?」

「? どした?」

「ん、いや…。ちょっと一瞬なぜか頭がピキッときて痛かったような気がして…」

「俺らももう若くねーから気をつけとんなぁ。帰り事故するなよ?」

「うん、気をつけるわ…。じゃ」

「じゃ〜」

「……。」

「どうしたのユキ姉?」

「えっ?あ、なんでもないぞ」

「あ、そう?じゃあ俺らも帰ろうか」

「うん…」

ユキちゃんの雰囲気がどことなく変わったような気がしたけど敢えて何も指摘しないようにしよう。俺はもう今日はユキちゃんと変なことするつもりもないからな?やらなきゃいけない仕事も残ってるし。

車に乗り込み、自分の家までユキちゃんを連れ帰ってくると彼女は礼儀正しく「お邪魔しまーす」と一応は口にするから意外だな、なんて失礼なことを思ってしまった。

初めてユキちゃんを家に招き入れたけど、彼女はグルっと部屋を見渡してからは「猫がいっぱいいないのが不思議だぞ」と言ってくるから、あーそっかと思いながら「ご飯食べる?」と聞くと二つ返事で「うん」と答えるユキちゃん。なので二人でテーブルの前まで行きすぐに食べる準備をする。

全て買ってきたもので申し訳ないけど、ユキちゃんもあんま気にしてなさそうだし彼女も俺と普段接する時と同じ態度でいつも通りにしてくれているから有難い。

そしてまずはユキちゃんに言わなければならないことがある。

 

「ユキ姉、俺今日は何もしないからね?寝る時も別々で寝てもらうから」

「えー」

「えーじゃない。俺もまだやらなきゃならないことが結構残ってるしユキ姉の相手してられないから」

「ふーん。それなら仕方ないか」

「ていうかなんで俺の家泊まるって急に言い出したの…」

「幸之助に心配して欲しくて…」

ちょっとだけむくれてるユキちゃんだが、多分坂崎はずっとユキちゃんの心配ばっかしてると思うんだけどねぇ。

「でも明日は坂崎の家に帰ってね…。俺はずっとユキ姉の面倒見てられないから」

「ご、ごめんな王子…!王子に迷惑かけたい訳じゃなかったんだがウチも咄嗟に出てきた言葉だったせいで引くに引けなくなったというか…。ごめん」

「ま、そんなとこだろうと思ったよ。俺もう食べ終わるからお風呂ぐらいは沸かしてあげるけどその後はもう自由にしてて。ベッドで寝てもいいけどもし嫌ならソファーで寝てね。寒いからブランケットは多めに渡すから…」

「ベッドで寝たいぞ」

「あ、はい…。じゃあ俺がソファーで寝るわ。…俺のこと襲いに来ないでよ??」

「寂しかったら王子と一緒に寝るかも?」

「やめてくれマジで…。お、俺風呂洗って沸かしたらもう別の部屋行くからあとはリビングで好きにしててね。寝たかったら寝室行って下さい」

「事務的で寂しいぞ王子ぃ〜」

「ユキ姉は寂しさ紛らわす為に俺と居るつもりなの?寂しいなら坂崎にすぐ謝れば良かっただけじゃん…」

「イヤだ!たまには幸之助だってウチがいなくて寂しい思いさせておかないとウチの存在価値がなくなるからな!」

「そうですかぁ」

君が平行世界へ戻って居なくなった期間、坂崎は寂しがってたとは思うんだけどね。まぁ俺としてはユキちゃん居なくなってくれて良かった…だなんて口が裂けてでも坂崎の前では言えないけども…

リビングにユキちゃんだけを残して浴室へ行って風呂掃除をするも、あんまり俺風呂とか入らないからお湯張るの久しぶりかもしれない。ユキちゃんが入ったあとたまには俺も入ってみるか〜最近寒すぎるし。適度に風呂に入っとかないと疲れも取れないとかよく言うしな。

まだやりたいことが残っているので自室籠ってパソコンに向かい合ってみせるも、やはりユキちゃんが同じ家にいるだけで集中力が欠けてしまう。

んーー…ユキちゃんと二人きり、かぁ…。俺ガチでユキちゃんとあの時ヤっちゃってるもんな〜…。俊の記憶すっぽ抜けたあとだから本当に記憶がないんだけど、ユキちゃんとこの家で二人きりのこの状況が少し恐ろしいと思ってしまうのは自分の中にもう一人の自分がいるのを分かっているせいなのか。坂崎がなんとか目を瞑ってくれているとはいえ、俺もユキちゃんと半分は体の関係持っちゃってるし間違いを起こさないようにしなければならないと思えば思うほどそればかりが頭にこびり付く。

もう一人の自分がユキちゃんに対する愛し方を間違えてしまったというのもなんとなく聞いてるし、時折自分の意思ではないものが不意に出てくる時がある気がしてきてそれがとても恐ろしい。こんな状況になって、俺は自分が自分のままでいられるのだろうか?

 

「っ〜〜…。頭痛くなってきた…」

俺たちのこの不思議な四角関係は、歌にしてしまえばなんか面白そうだなとは思いつつも流石にそんなの曲にしてこの世に残しておくのもおかしいのでやらないけどね…

「よし…、やるか」

鈍った思考回路をどうにか動かし、無理やり俺は数時間この部屋へと篭もりっぱなしだった。


仕事も一区切りつき、リビングへ戻ってくると明かりはついたままなのでまだ起きてるのかな?と思って様子を見に来てみるも…あれ?ソファーでユキちゃん寝ちゃってる。

「…風邪ひくのに」

持ってきたブランケットをユキちゃんの上に被せ、無防備に寝ているユキちゃんの顔を上から見つめているだけでなぜか心がぎゅうっと締めつけられる感覚が残る。

この娘(こ)は坂崎じゃなくて、俺が手に入れるはずだった人…なのかなぁ。

「…なんてね。ユキちゃんは坂崎とがお似合いだよ」

サラッと撫でたその髪からは俺が普段使っているシャンプーの香りがする。

同じ家で同じ物を使い、俺に警戒することなく眠る君は……どうしてこんなにも見ているだけで泣きそうになってくるのだろう。

「……っ。頭が痛てぇ…」

あぁ…ダメだ。ここにいると俺はおかしくなりそうだ。なので俺はリビングの部屋の電気を消してからこの部屋を去っていく。

 

☀︎*.。

 

今朝坂崎から電話があり、あとで一緒に高見沢の家に一緒に行ってくれないか?っていう要請がきたので「なんで」とは思ったものの、ユキちゃんのことがあるから俺たち三人が揃った方のがいいと思ったのかは分からんがなぜか俺も一緒にアイツん家へ行くことになってしまった。

正直メンバーの家へ遊びに行くことなんてもうないし、高見沢が今住んでいる家に行くなんてほぼほぼ初めてだろう。

俺は今日仕事はないから構わんのだが、坂崎も高見沢も仕事があるだろうからなんかユキちゃん押し付けられそうだな…なんて嫌な予感はするものの、坂崎がわざわざ電話してきてまで頼んでくるんだから行くしかないので今から出るところだ。

家から出る際「行ってきます」と言えば「行ってらっしゃい」と帰ってくる言葉がある。そのあと俺は車に乗り込み高見沢の家へと向かい、そして坂崎と合流する。坂崎の車を見つければ俺も車を停めてから外へ出てアイツに「おはよう」とだけ告げる。うーさむっ。

 

「おはよ」

「急にどうしたの、高見沢の家に一緒に来てって」

「なんか色々不安だったから…」

「まぁ確かに不安は不安だよねぇ」

一人で行く勇気はないってことなのかね?俺たちのこの平行世界のアイツらを含めたよく分からん関係は棚瀬すら知らないから頼れるのが俺しかいないってところか。

「高見沢にも電話して行くとは伝えてあるから…」

「そっか。それならもう行くか」

「うん」

高見沢の住んでいるこのマンションのアイツの部屋まで行き、インターホンを鳴らすも中々高見沢が出てこない。二人して「ん?」と思い、もう一度鳴らしてみせるがやはり出てこない。出掛けてるとかか?

二人して不思議に思っていると、ようやくガチャンと鍵が開く音がしたかと思えば中から出てきたのは高見沢ではなくてユキちゃんだったので俺も坂崎も「あれっ?」となってしまった。そしてユキちゃんは昨日坂崎と喧嘩したことなんて忘れてたかのような勢いで「幸之助、マサル!王子が…!」とどこか慌ててる様子。高見沢になにかあったのか?

「高見沢がどうしたんだよ?ユキお前まさか変なことしてねーよなっ?」

「し、してはないぞ…!ただずっと王子の様子がおかしくて、落ち着かせようとしていたから中々出れなくてごめんな幸之助」

「いや、それは別にいい。高見沢はどうした?どこにいる?」

「ソファーで今寝かせておいたぞ…」

「病気か?」

「ずっと頭が痛いって言ってて、流石に恐いから救急車呼んだ方がいいのかどうかも分からなくて…」

坂崎と一瞬目が合い、慌てて靴を脱いで三人でリビングの方へ駆け出してみせるとソファーにはかなりしんどそうにぐったりしている高見沢がそこに横たわっていた。

俺と坂崎で「高見沢!」と呼びかけると一応は「なに…」と返事をする余裕はまだあるみたいだから良かった。

 

「どうした?大丈夫か?動けるか?」

「頭痛いってユキちゃんから聞いたけど…」

「分かんない……今朝からずっとめちゃくちゃ痛い…。薬飲んでも全く効かない…」

「頭はマズイだろ…。脳内出血してたら命に関わるぞ」

「どうする桜井?救急車呼ぶか?」

「万が一のこともあるから呼んだ方がいいだろ、なんかただの風邪じゃなさそうだし。高見沢、今は自分で立てそうなのか?」

「ギリ立てそうかも…」

「そうか。でももう仕事はキャンセルしろ。分かったか?」

「俺棚瀬に電話してくるわ」

「頼む坂崎。それとユキちゃんは濡らしたタオルをレンチンしてくれる?あったかいタオルを持ってきて欲しい」

「わ、分かった」

坂崎とユキちゃんがこの場から離れ、俺は高見沢の容態を気にかけては声をかけ続ける。しっかし今の高見沢、タダでさえ白い顔が更に真っ青になってやがるな…。不健康にしか見えないのは一目瞭然だ。

「気絶すんなよお前」

「頭痛すぎて寝れやしないよ……」

「熱とかインフルとかじゃないんだよな?」

「分かんねぇ…」

念の為高見沢のおデコに手を置いてみせると、途端にビックリするくらいにバチンッ!!という強い電気みたいな衝撃が走り、俺も高見沢も互いをバッと見やるしか出来なかった。流石の高見沢も今の痛みに驚いたせいもあってか頭痛のことを忘れているかのような顔をしている。

「な、なんだ今のッ…?」

「分からん…。静電気にしては強すぎねぇか…?」

もう一度高見沢と見やるも、高見沢が思い出したかのように頭を押さえては「ヤバい…」と言い出し、それを見ていた俺もなぜかズキズキと急激に頭が痛み出してくる。

え…?は?なんだよコレ?高見沢の頭痛が移ったっていうのか?まさかそんなこと有り得る訳がない。

そういえば俺も昨日高見沢たちと別れる際微妙な頭の痛みがあったよな…?

なにか関係してんのか?

 

「くっ…。なんで俺まで…ッ」

「…?大丈夫かよ…桜井」

咄嗟に手でこめかみ辺りを押さえるも、この頭痛はなくなってはくれない。

なんか……さっき高見沢に触れたせいなのか、変な嫌なモヤモヤとした感情がなぜこんなにも今心の中に渦巻いているんだろう?感じたことのないような…知らない光景が一瞬だけ脳裏を走っていったのは気のせいじゃないってことか?

だけど考えたくない。痛すぎてなにもしたくない。

高見沢が寝転がっているソファーの横でダランと体をソファーに預けることしか出来なくて、ハァハァと息をする感覚も短くなっていってしまう。ダメだ…こんなの絶対にダメだ…

二人してダウンしてしまっていると、廊下に出て棚瀬に電話していた坂崎が戻ってきたかと思いきやアイツが俺を見ては「えっ!?どうしたの桜井まで!?」と本気で焦っている様子なのが伺える。

 

「分からん…。高見沢に触れた瞬間、電気が走ったような衝撃を喰らったかと思えば俺の方も頭が急激に痛くなってきて…」

「な…!?ちょっと待て、おいおいおい…!!」

二人は頭の痛みで気づけていないけどこれってもしかして…二人の中で眠ってるアイツらが眠りから覚めようとしているんじゃないのか…!?

ヤバいと思った俺はどこかにいるユキを呼ぼうと「おい、ユキ…!!」と声をあげたその時だった。

突然玄関の方からガチャッという扉が開く音がしたかと思えば、廊下を歩いてくる足音が聞こえたので俺だけが警戒心マックスになってしまって、なんでこんな時に泥棒が入ってくるんだよ!?とか本気で焦っては何か武器になるものを…と思い咄嗟にリビングのドアの方を振り返ってみせたら…

 

「……えっ!?!」

「…こんなところに居たのか」

「……ウソだろッ…?」

見間違いじゃない。

すぐそこに立っている人物とは……

“俺”だった。

 

正確に言えば、歳は俺なんかよりだいぶ年下には見えるけど、明らかにその顔や身長に声なんかは俺そのものだった。

こんな場所には似つかわない白衣を着ており、リビングのドア付近で立ち止まっていた足を再び動かしては俺たちの目の前に近づいてきては俺たち三人のことをものすっごく見下したような視線で睨みつけてくる。

「お、お前は…まさか……?」

「幸姉さんは?姉さんはどこ?」

「この家にいるけど……」

「姉さんそろそろこっちの世界に帰ってきてって俺伝えといたのに…!ったくもう、姉さん!姉さんどこっ?」

「お、おいお前あんま大声出すなって…!二人とも頭が痛そうで苦しんでるから…」

「……。治してやろうか?」

「えっ…?治せるの?」

「薬くらいはあるよ」

そう言うとコイツはどこからかスッと二本の注射器を取り出し、それをいきなり桜井と高見沢の首元目掛けてブスッと勢いよく突き刺すので流石にビックリして「おいッ!?」と大声を出したせいか、ゴタゴタしてた俺たちの声に気づいたユキが「どうしたのだ幸之助?」とようやくこっちへ戻ってきたかと思うと……

 

「えっ!?幸介アンタなんでこっちにいるんだい!?」

「やっと会えたよ幸姉さん!ダメじゃん、一回元の世界に戻ってこなきゃ!姉さんの体の為の薬も定期的に飲まないとダメなんだから!」

「ご、ごめん…。でもちょっと待っておくれ…!アンタ今王子とマサルに何したんだいッ!?」

「ん?頭が痛いって言うからその苦しみから解放させてあげたところだよ」

「何してるのさ…!」

慌ててユキがこっちへやって来ると「王子!マサル!大丈夫かいッ!?」と本気で心配している様子が見て取れる。それを見て俺も二人が心底心配にはなったが、ぶっ刺された箇所が痛かったのか二人とも刺された箇所を押さえながら「なんとか大丈夫…」と一応返事は出来てはいるようだ。

ていうかコイツ幸介って名前なのか…。似てるな。

「ゆ、ユキ…コイツってもしかして…」

恐る恐るユキに尋ねてみると、ユキは「あ、あぁ…!」と慌てたように反応する。

「幸介のことかっ?そうだぞ、この子が平行世界での幸之助本人だぞ」

やっぱり……

「ほら挨拶しろ幸介!」

「…ふんっ。姉さんを取った盗人相手に挨拶なんか誰がするかっ」

「ちょっ、幸介…!アンタいつもそんな口悪くないだろうっ?どうしたんだい?」

「幸姉さん相手なら俺は素直になるけど、それ以外の奴なんてどーでもいいもん俺」

「こ、幸介…!」

なんだコイツ…気持ち悪ぃ俺だな…

思わず変な目で平行世界の自分を見ていたらその視線に気づいたのか、向こうの俺がキッと睨んできては「俺はお前たちこっちの世界の奴らが嫌いなんだからな!?」と突然の宣言をしてくる。

 

「はぁ…?俺らお前になんもしてないじゃん」

「姉さんを取っただろ!」

「ユキがこっちに勝手に来ただけだろ…」

「よくもそんなことぬけぬけと言えるな!?俺は大人になってからやっっと会えたもうたった一人しかいない家族なんだぞ!?そんな大事な人をこっちの世界に見送る俺の気持ち考えたことあるのかよ!?」

「な、なんかごめん…」

「お前俺が年下だからってあんま舐めた態度取るなよ!?」

「自分だから恐くないっていうか変な感じすぎてあんまり頭に入ってこない…」

「クソっ!」

イラついている平行世界の俺だが、俺もまだよく状況を飲み込めていないせいで頭の整理がついていない…

どうすればいいのか迷っていると、俺は未だソファーで寝そべっている高見沢とうずくまっている桜井が少し心配で「おい、二人とも大丈夫か…?」と声をかけてみせるも二人は曖昧な言葉でしか返事を返してくれない。本当にさっき打った薬は大丈夫なやつなのか?

「な、なぁ。本当に二人は大丈夫なんだよな?」

「さぁ?」

「さぁってお前なぁ…!」

「二人は無事といえば無事だよ。ただ、もう“二人”が無事なのかは俺も知らねーけどな。平行世界の記憶持った奴らなんて俺もどーだっていいし」

「…ちょっと待て、それどういう意味…」

「幸介アンタ、本当に何やったのさ…!?」

「記憶を呼び起こしたまでだよ。なぁ、クソ野郎どもッ!?」

「…ッ!?」

「クソっ…!」

平行世界の俺が高見沢と桜井の二人の胸ぐらを掴んだかと思いきや、無理やり起こされた二人はこの状況に困惑していたせいで今もまだ特に何か言ってはこないけど、俺の隣にいたユキは息が止まりそうになりながら二人をジッと見つめているようだ。

 

「俊…?賢さんなのかい…?」

 

 

 

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