桃ケーキ!

頂いた桃をショートケーキにしてやりました!

そしたらデコレーション失敗したぜ🤣

クネル難しい( ˘•ω•˘ ) まぁ初めてやってみたからそりゃそうだ。うーん、もっと練習必要ですねぇ🤔

🌱‬‪どもはバジルです。家に葉っぱがバジルしかなかったんです許して🥺

でも美味しかったよぉ!やっぱり桃は幸せ(♡´▽`♡)

追記はシンデレラお話ですっ。ずっとC!ばっか書いてたから久しぶりに違うお話をと思って。C!書くのは結構気が済んだからまた別のお話たちもぼちぼち書こうかなと言いつつC!書いてそう🤣

 

坂とたにゃ

 

ポケットのスマホがヴヴッと鳴った気がして確認の為に取り出してみたら、そこには大学時代の友人からの飲みのお誘いのメッセージだった。

あー、アイツかぁ。久しぶりだな〜と思い、二つ返事で行こうと返したはいいけどすぐ様返ってきた返事の内容は「今日の夜とかどう?」という割と唐突なものだったので一瞬行こうか行くまいか悩んでしまったが、遅くなってもいいなら…という文章を送ればそれでもいいみたいなので今日の夜行くことになってしまった。

この誘ってきた友人とは大学卒業してからは定期的に会ってはいたものの、ここ一年以上は全く会っていなかったので会うのは久しぶりな気がする。普段SNSで繋がってはいるから近況的なものはお互い知っているし見ているので、そこまでめっちゃ久々〜!ってな感覚はあまりない。

まぁ、仕事が終わったらまた連絡しよう。


「坂さん、今日送りましょうか?」

「んー今日は桜井と高見沢とメシ行くから大丈夫だよー。散々世話になってるしたまには奢ってやるかと思って」

「そうなんですね。私もこの後大学時代の友人とご飯行くことになったのでちょうど良かったです」

「…ふーん。どこの店行くの?」

「え?えーっと、相手からの指定された店が確かあったはず……あ、ここの店です」

そう言ってスマホを坂さんに見せる。

「へぇ。じゃあ俺もここにしよ」

「えっ」

「あ、見かけても声はかけねーから安心しろ!」

「は、はい…」

ん?本当に来るつもりなのだろうか?いや別にいいんですけどね。こっちに声をかけるつもりも一応なさそうに見えるし。私は友人知人にマネージャーの仕事をしているとは伝えていても、誰の担当だとかは一切教えていないので突然来られたら相手もビックリしてしまうと思うから、坂さんたちはどこかで見ていてくれたら私はそっちの方が有難いです。

「じゃあ俺桜井と高見沢来るまで待ってるから先帰ってていいよ棚瀬」

「いいんですか?ではお先に失礼しますね坂さん」

「うん、お疲れ〜」

ここで坂さんはお分かれし、私は指定された店まで行くことにしたのだけれど…本当にあとで坂さんたちも来るのかなぁ?少し恥ずかしい気持ちはあるけど、またあとで坂さんと会えると思うと嬉しい気持ちのがやはり勝ってしまう私はチョロい男なんだろう。

 

「……。」

「坂崎おつー」

「そろそろ行くかー?」

「ねぇ。店の場所変えてもいいか?」

「えっ、なんで?」

「いいだろ、俺の奢りなんだし」

「そう言われちゃあ俺たちはなんも言えねーよ」

「またなんか目的でもあんの?」

「うん、もちろん。棚瀬を見張る為」

「あー…うん、分かった。じゃあ坂崎の言う通りにしよう」

「ありがとっ。それとちょっと一回家帰って着替えてきていいか?」

「へ?別にそのまんまでもいーじゃん」

「…ちょっと、ね」

「?」

俺と高見沢が顔を見合せて不思議そうな顔をしたが、取り敢えずそのままタクシーに乗り込みコイツの家まで行って坂崎一人だけが自分の部屋に戻って俺たちは暫く待たされたのだが、戻ってきた坂崎の格好を目にして俺と高見沢は色々と察した。

「お待たせ。じゃあ行くか」

「おう。車出してもらってすまんな坂崎」

「俺は今日飲まないからいいよー」

そんなこんなで予約しておいた店まで坂崎が車出してくれて俺たち三人はそこへ行くことになった。

 


待ち合わせをした店までやって来ると、顔馴染みの友人がそこに座っていたので「久しぶりぃ」と声をかけると向こうも「よぉ、棚瀬」と名前を呼んでくれた。

対面の席に座り、先に色々と注文してくれていたみたいなので自分の飲む分だけ頼むとそこからは今何してる?とか、懐かしい話しに花を咲かせる時間となる。にしても坂さんたち本当に来てるのかな〜?と疑問に思いつつもあまり気にすることをせずに友人と飲むしかない。

互いの近況報告などで盛り上がったりしていると、やはり向こうからは「お前って誰のマネージャーしてんの?」と聞かれるが、そこは話すつもりはないので「言わないよ」と人差し指を口元に持っていきながらシーッとやる仕草を見せつける。そうしたら「えーいいじゃねーかよー」と大体の人たちは言うが、私は誰にも話すつもりはないので笑って誤魔化す。

 

「じゃーさぁ、彼女は出来たんか?」

「彼女は、いたりいなかったり」

「答えが曖昧すぎんぞオイ」

「だって今は仕事に集中したいもん」

「やっぱ芸能界ってそんなすげーの?」

「そりゃーねぇ、色々あるよー」

「どの女優が美人だとかどの俳優が格好いいとかってあるん?」

「そりゃあ俺たちとは全然違う世界の人たちだからやっぱりあの人たちは別格だよぉ。メンタル凄いもん」

「すげーな〜。お前のイチオシは誰とかある?」

「そんなの自分が担当してる人に決まってるじゃん」

私が尊敬するのはあの御三方ですから、ね。当たり前な質問をされてもこっちが困る。

「そっかー。でも棚瀬お前なんとなく雰囲気変わった?」

「そ、そう?どこら辺が?」

「んー?なんとなーくだけど…女味があるというか?」

「!?」

それって私が散々坂さんに彼女扱いされたからって意味だよね絶対!?

飲み込もうとしていたお酒が変なところに入ったせいで、思わずゲホゴホと咳が出て止まらなくなってしまう始末。最悪だぁ…

ていうか一年以上会ってない相手からしてもこういう雰囲気って伝わるもんなの?え、なんか恥ずかしすぎるし嫌すぎるんですけど…。ていうか自分が情けなすぎて意味もなく赤面してしまったのを見られてしまい「ほらやっぱなんか女っぽい」とまたからかわれてしまった。

恥ずいよぉ…

 

「や、やめてよ…そんなんじゃないから」

「可愛いじゃん」

「どこがっ!こんな髭生やした男のどこが可愛いんだよ!」

「まぁまぁそんな恥ずかしがるなよ〜。なんかそのツッコミにも慣れがある感じするな」

「そんなことないッ!」

クッソ、危ない…バレるじゃないかこんなことしていたら。

いつも坂さんに可愛いかわいい言われるせいでいつもみたいなツッコミをしてしまったからか相手に変に思われたりとかしていないだろうか…。あーもう最悪すぎる。だ、だからと言って坂さんが悪い訳ではありませんからね?

男同士アホな会話を続けていたらあっという間に二時間は経過していたみたいで、お互い明日もあるので今日はこれで解散かな〜となり店を出る。そろそろ帰ろうと思い、向こうに対して「じゃあそろそろ…」と言いかけたがなぜか相手は「ちっとそこで散歩でもしよーぜぇ」と謎のお誘いをしてくる。正直なんで?ってなったけど、食後の運動と言われてしまえば付き合うしかない。

道を挟んだところにかなり大きめな公園があるもんだから、そこを一緒に歩く羽目になってしまった。ま、たまにはこういう運動も必要だからいっか。

夜に公園で遊んでいる連中なんてほとんどいないので、たまーにジョギングしてる人とかウォーキングしてる人たちとはすれ違うが、時間も地味に遅いのですれ違っても数人程度しかいない。ブラブラ好きなように歩いていると、急に相手が黙りこくってしまいどうしたんだろう?と思い「気持ち悪くなった?」と尋ねるも、首を振るのでそれは違うみたいだ。体調悪いのかな?一度街灯がある辺りで立ち止まって友人の顔色を見せてもらうことにした。

 

「どうした?大丈夫か?そこに自販機あるから水買ってくるからちょっと待ってて」

「あ、あぁ…すまねぇ」

本当にすぐ目の前ぐらいに自販機が置いてあるのでそこで水を選んでボタンを押せば、ガコンッと水の入ったペットボトルが落ちてくる。すかさずペットボトルを手に取り、街灯の柱にもたれかかっている友人に「はい」と言って渡すが不意にペットボトルを持っていた方の手をグッと握られてはそちらの方へ一瞬引かれそうになった。

ビックリして「えっ?」と声を思わずあげてしまったが、目の前にいるのはよく見慣れたはずの友だと思っていたのに今はなぜか全くの別人に見えるほど狙いを定める獣みたいな目つきをしている。ど、どゆことですか??

訳が分からず頭の中はハテナでいっぱいになり、何もすることが出来ずただ突っ立っているだけでいると相手からは「抱きしめていいか?」と耳を疑うようなセリフが聞こえてきたせいで、益々頭の中は疑問で埋め尽くされる。なに?なんのこと?突然すぎて思考が全然追いついていないんですけど?

手を握る力がどんどん強くなり、引っ張り込もうとする力もさっきに比べて増してきているのでなんとかグッと足で踏ん張っては拒否してはいるものの、向こうは無理やりにでもそっちに引き込みたいようだ。ダメだダメだダメだ、これは絶対にいっちゃダメなやつだ。

 

「な、なにしてんの?早く離しなよ…!」

「昔からお前のことが好きだった。だから彼女がいないなら今しかないと思って」

「は?何言ってんの…!?俺別にそっちのけないよ!?」

「今日だけでいい…、これで会うの最後でもいいからお前への想いをここで終わらせたい」

「い、いやだって俺今…」

「一回だけでいいから…お願い、変なことはしないからさ」

いやいやいやいや!今まさに変なことしてますけど!?

街灯がある場所から外れて茂みがある方へと誘導されかけてしまっているが、思いの外力が強いのと自分が恐怖で怖気付いているせいでそっちの方へと連れて行かれそうになってしまっている状態。これは本格的にヤバいですね…!!

ていうか昔から俺のこと好きってなに!?いつから好きなの!?いや確かにコイツやたらボディタッチ多いし二人きりで遊びたがるなとは思っていたけど、まさか好かれてるなんて想像もしていなかったぞ!?

どーーーしよ〜〜〜!?と頭の中で物凄い早さで思考を巡らせてはいるが、変に事を大きくしたくはない。別に告白されたって嫌いにはならないよ?ならないけど!でも今はそういうのじゃないでしょ!?違うってば!
だけど相手は覚悟を決めているのかなんなのかは知らないが、険しいような切ないような表情をしてこっちをふと見てくるから傷つけたくはないもんで内心どうしよう…と考えまくったはいいが、やっぱり俺は興味がないので断るしかない。

だから「ごめんだけど…ッ」と震えそうな声で勇気出して断ろうとした時だった。

後ろから誰かが走ってくる足音がしたかと思いきや、その影が俺たちの間にスっ…と入り込んだその瞬間。

 

…ッパァァアーーーーン!!!と、物凄く勢いのついた足蹴りを相手にかましていったせいで、思いっきり友人は吹っ飛ばされてしまっていたではないか。

思わず「えっ!?!」と大声が出てしまったけれど、片脚立ちで足を天に向けるかのようなその綺麗で細い脚とその逞しい背中を目にした瞬間、その人物が誰なのかは言わずもがな分かっている。

こちらに背中を向けているせいでどんな表情をしているかなんて不明だが、きっとヤバい顔しているんだろう…

 

「さ、坂さんッ!?」

「テメェ、俺の彼氏(オンナ)に手ぇ出してんじゃねぇッ!!!」

「なっ…、なんだよアンタ…ッ」

ツッコミたいことが色々あるけれど、一先ず目の前にいる坂さんはなぜかいかにも女性ですという格好をしているではないか。もちろんパンツ姿だけど髪型もストレートにしていて履いてる靴は高さはあまりないけど珍しくパンプスを履いていて、持っているバッグも女性が好きそうな何が入るの?と言いたくなるような小さめなバッグと、左手首に嵌めてあるのはゴツくも何ともない可愛らしい腕時計。ちなみにメガネも外している。だから本当に今目の前にいる坂さんのしている格好は、それなりに一緒にいる自分でさえここまで女性らしい姿は初めて見るかもしれない。

一瞬めちゃくちゃ見惚れて「かわいい…」と思わず呟いてしまったが、友人にやっていることはかなり武闘派なことをしているので我に返った今、ハッとなりこの状況どうしよう…とやはり困惑してしまった。

倒れて尻もちを着いている友人も痛みと急な来訪者のせいであっちはあっちで困惑しているが、こちらを見つめながら「なんだよ、彼女いるんじゃねーかよ…」と凄くガッカリされたような態度を取られたので、なんかそこで思わずカチンッときた。

 

「襲おうとしといてなんだよその態度?失礼にもほどがあるだろ!」

「彼女持ちなんか興味ねーよ。もう失せろ」

「はぁ!?なんだその言い方!流石にそんな…」

「もういい、行くぞ徹。友人を無理やり襲おうとする奴なんて友達でもなんでもねぇ。それと女だからって油断すんじゃねーぞテメェ。徹に傷一つでも付けやがったら地獄の底まで追いかけて復讐してやる。分かったらもう二度と徹に近づくな」

「…クソっ」

坂さんに「行くぞ」と言われグイと手を引かれたけれど、さっきとは全く別の感情を貴方は私に与えてくれる。恐怖なんてどこにもない。ただただ優しさと心配の塊でしかないこの手のぬくもりは私を心の底からホッとさせてくれるものだった。

振り返ることもせず私は坂さんに引かれる方へ着いて行くだけ。その間坂さんは何も言葉を発しないし、私からも何かを言う雰囲気ではないのは分かっていたので暫くはこのまま黙っていよう。

心配させてしまって本当にごめんなさい…

でも貴方が来てくれて嬉しかった。

なんという逞しい彼女(カレシ)なんでしょうね。そう心の中で微笑みながらふと呟く。

 

少し歩いたところまで来てみると、二つの影がそこにはあったのでその二人が誰かなのかは一目瞭然だったから一応顔はまだ見えなくても「お疲れ様です…」とだけ伝えておく。するとようやく見えてきたお二人の表情はというと、めちゃくちゃ焦っているかのような顔面蒼白にしでもしているかのようなそんな表情をしている。そ、そりゃあ坂さん一人で突っ走って行ってしまったらそうなりますよね…

「さ、坂崎お前いい加減にしろよォ!?いきなり行く奴があるかッ!!」

「そーだぞ!もしお前に何かあったら俺らどうすればいいんだよ!?」

桜井さんと高見沢さんのガチ説教が始まりそうなのが鬱陶しかったのか、坂さんは面倒くさそうな態度をしては「でも俺強いから」とだけサラッと告げて終わり。とは言え貴方は女性なんですからもう少し警戒心も持った方がいいんじゃないですかね…?

「強くってもお前は今女の格好してるんだから下に見られたらどうなるかとか考えんのかッ?相手は男なんだぞ!?」

「だから普段から鍛えてるんだろーが。棚瀬を守るこういう時の為に俺は鍛えてるんだよ」

「いや自分守る為に鍛えろやッ」

高見沢さんの的確なツッコミで思わず私も頷きそうになってしまった。鍛える基準が違うんですよ坂さん…

だけどお二人は無事と分かった私たちを見て、どこかホッとしたかのような雰囲気を纏っては「二人になんにもなくて良かった…」と呟いて下さった。心配ばかりかけさせてしまいすみません…はァ。

 

「にしても棚瀬おめー、まさか男にも狙われてやがったのか……」

「計算外すぎて俺らお前のこと守りきれんわそんなんだと」

「いやだって私だって初めて知りましたからね!?そんなんだと思いもしないじゃないですか…!大学時代からの連れなんですもん、油断も何もないですからね…!?」

「そーだぞテメェ、俺の知らん女と二人きりになるなとは言ったがもうこれからは俺の知らん男とも二人っきりになるな!なんなんだよ、お前こんなにもモテて狙われやすいのかよ!」

「そんなこと言われましてもぉ…」

キッと凄い勢いで睨まれてしまったが、こんなの回避しようがなくないですか…?むしろどうやったら回避出来るか教えて下さいよって言いたいくらいだ。

ていうかアイツのことサッサと置いてきちゃったけど大丈夫そうかな…?い、いや。アイツの心配なんてもう誰がするもんか。別に好きになられるのはそれはまぁ仕方のないことだし、否定するつもりなんてなかったのだけれども坂さんが来てからのあの態度はちょっと頂けない。それでもって無理やり連れて行こうとするから余計にコワイわあんなの。想いをぶっちゃけてくれるだけならまだしも、私を襲おうとしていたのはやっぱりもうこれ以上友人関係は続けられないので連絡先もSNSも全てブロックしよう。

なんか…呆気ないなぁ。虚しいよこんなの…

 

「はァーー……」

「…ごめん棚瀬、助けるの遅くなって」

「えっ!?そんなの気にしてませんよっ?というより本当にありがとうございました坂さん、お陰様で無事でしたから」

「それと…お前の友人思いっきり蹴っちまってすまんかったわ…。頭に血ぃのぼって体が先に動いちまってたからどうしようも出来んかったわ」

「い、いいんですってば!大丈夫です。…そりゃ仲がいいと思っていたのでショックはショックですけど、相手のああいうやり方はやはり間違っていますもんね。好きならそれ相応の配慮や気遣いくらいして欲しかったですよ…」

「言っとくけど俺はお前が誰にモテようが一切容赦しねーぞ。ましてや棚瀬を危険な目に遭わせる奴なんて言語道断だ。俺に制裁されて当たり前だっつーの。…だから無事で良かったよ、棚瀬」

「ありがとうございます、坂さん」

スルッと坂さんの右手が私の左頬を滑らせて来たかと思えば、坂さんはそのまま右手だけで軽く私の頬を包み込んでくれた。あぁ…やっぱり貴方は本当に男前で格好いい人ですね。

にしても見慣れなさすぎる貴方のその私服姿はあまりにも女性らしくて見ているとついついニヤけてしまいそうになるのを堪(こら)えるしか出来ないでいる。だって可愛すぎるもん…。少し前に女性らしい姿を見せてもらった時もあったけど、その時より以上に一目で女らしさ全開の貴方にドキドキしてしまうのは当然でしょう?

私のこんな考えなんて当然御三方には見透かされているので、高見沢さんからは「何ニヤけてんだ気持ち悪」と毒を吐かれてしまった。

 

「だって…坂さん可愛すぎますもん…」

「あー、これ?」

坂さんが自分の格好をチラッと見てからもう一度私の方へと視線を戻す。

「なーんか胸騒ぎがしたから女の格好して店行ったんだけどどうやら正解だったな。俺があん時男の格好して出て行ったら余計に拗れそうだったもんな」

「た、確かに…」

いつもの坂さんの格好で助けに来られたら、私が男と付き合ってる風に見えてしまうので逆にもっと狙われる率が高まったかもしれないので本当に坂さんナイス判断すぎます。あぁ、なんて格好いい彼女なんでしょう。

私の頬っぺたから坂さんの右手が離れてしまったけれど、その手を私の腰辺りにチョンと軽く触れたかと思えばその合図の意味がなんとなく分かってしまった為に少しだけ照れがきてしまう。だ、だって桜井さんも高見沢さんも見ているんだもん…恥ずかしい気持ちはあるにはある。しかもあんまりこういうの慣れていないんだし…ね?

 

「行こ、棚瀬」

「はいっ」

私に触れたその指先に自分の指をそっと絡めると、ほとんど外ではしたことがない恋人繋ぎをしてくれたので私の心臓もうドッキドキで持たない気がするってくらい変な緊張感と嬉しさが込み上げてくる。だっていつもは男装姿の貴方としか外は歩かないし、この間も女性らしい格好をしてくれた際も坂さんを怒らせてしまったせいで、あんまり外で二人きりで出歩く時間も少なかったうえに手繋ぎすらしていなかったなと今思い返せばなんでしなかったんだろう?とふとそう思ってしまった。

しかも桜井さん高見沢さんが目の前にいるのにも関わらずこうして積極的にイチャつきたいという意思を示してくれたのも可愛すぎるポイントだ。だから私も今回ばかりは恥ずかしがらずにお二人が目の前にいようともからかわれようとも、私は坂さんと手を繋ぐ方を優先する。だって坂さんがこの格好してる時じゃないと出来ない行為なんですもん。

キュッと重なり合った互いの手は暫く離すことなく私たちはそのまま公園内を歩いていた。

幸せだなぁ…

 

「っはー…。マジで焦ったわ…」

「まさか走って蹴り倒すなんて思わんだろアレ…」

前歩いている坂崎と棚瀬を後ろから動画で撮りつつ桜井とさっきの話しを小声でし始めるが、坂崎の奴も無茶しすぎなんだよ…もう。

坂崎が一旦家に帰りたいと言った時は正直面倒くさいなーとは思っていたが、戻って来た時の格好を目にしてしまえばなんか普通じゃないことが起こりそうだなと思ったらコレよ。棚瀬くん、貴方どんだけモテるのですか?俺たち対処し切れませんよそんなんじゃ。

「ていうか桜井はサングラスもしてないんだからお前が芸能人だなんてだーれも分からんから坂崎追いかけて行ってやれよ…何が起きるか分からんのだからよぉ」

「いやあんな急に飛び出していかれたらこっちだってどーにも出来んわ」

ブチブチ文句は垂れていても、前を歩いている二人が今はすんごく幸せそうな雰囲気をバンバンに溢れ出しているからか、もうこれ以上は何も文句を言う気にはなれなかった。だってさ、坂崎がここまで女っぽい格好することなんて滅多にないからたまには二人とも男女としてのデートを楽しみたいわなそりゃあ。棚瀬も俺たちに見られていることなんて気にも留めていなさそうだし、坂崎優先ってか。

にしても棚瀬の野郎、俺らアイツのことどこまで見張ってりゃいいのか分かんなくなってきたわ…。大学時代の友人なんて、そんなもんマークする対象にすら入ってないのだから俺たちだって防ぎようがない。しかも男て……。コイツ地味にどんどけモテるんだよ。

さっき三人でメシ食ってた時は棚瀬たちからは俺らが座っている席なんて個室だったから見えもしなかっただろうけど、俺と桜井からしてみればなんて事ないただの友人同士にしか見えていなかったのに、坂崎からしたら何か引っかかるものがあったらしくメシの間もずーっと見張っていたもんなぁ。坂崎のこの鋭い勘が冴え渡っていたお陰でアイツらと同じタイミングで店を出て、棚瀬たちを後ろから追っていったら……てな感じ。やっぱそういう勘がいいところは坂崎も女なんだなぁと心底思う出来事だった気がした。

 

「どーする桜井?これからの坂棚対策、もっと今以上にしっかりしないと破滅するんじゃねアイツら」

「別れることになったら俺が困る」

「俺も困る。棚瀬の周囲の人物を洗い出しておくか?」

「その方がいいかもなー…。アイツかなりモテるのに棚瀬自身にその自覚がないから余計に狙われやすくてこっちも焦るぜ」

「それな。んじゃ、棚瀬の身の回りの一般人も念の為調べておくか」

「だな」

俺らは警察かって言いたくなるけど、これぐらいしておかないとまた棚瀬がヤバい目に遭われちゃ困るからな。坂崎はまぁ当然モテるの分かってるから自衛出来てるからいいんだけど、棚瀬の方がなぁ…。もっと強く言っとかんとダメだな多分。また今度言っておこ。

少し前を歩く二人がこれだけイチャイチャしているけれど、今回だけは俺も桜井もイタズラしてやろうって気は起きなかったので後ろから二人の笑顔を見守っているだけに徹していよう。ったく、しゃーねーなぁ。

 

まぁでも…二人が無事で良かったよ。

お前ら絶対別れるんじゃねーぞぉ?

 

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強い幸妃が書きたかっただけです笑

あ、でも本当に幸妃さんお強いですよ。

 

 

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