殺し屋VS秘密警察

はえーーっ。創作意欲復活してから3ヶ月くらい経ったかな。まだまだ創作したいものが沢山浮かんでくる。なんかコワイ

今までずっと放置していたけど、まだ来て下さる人たちがいる。もちろん感想や❤︎だって欲しいと思ってしまう。それが創作者の性だと思ってしまうから。そりゃ中には自給自足平気!って人もいる。でも今の自分にはそんなこと思ってしまう権利すらおこがましいと考える..のに、やっぱり欲には勝てない。承認欲求こえーっ( ˊᵕˋ ;)💦笑

だから今は頑張るしかないね!サイトを運営し始めた頃みたいに、とにかく作品を沢山アップしていくしかない!..ホントね、サイト始めたの中学卒業した春休みからだってーのに、未だにこうしてサイト続けられてるのが不思議だよ。笑

誘い受けだと思っても構わない。とにかく今を楽しく、今までやれなかった分を取り返してやれるだけの事をやってみる!

その背中を追いかけて3

 

一瞬のことだった。

俺と高見沢が桜井に帰ろうと促し、こちらに近寄ってくる桜井の握っていた銃が..一瞬にして空中を舞っていたからだ。

 

その出来事に、この場に居る全員頭の理解が追いついていない。というか、何が起こったのかも分からなかった。桜井が油断していたとしても、アイツがこんなあっさりと銃を手放すなど有り得ないからだ。

だけど今、俺の見ている光景は..

 

桜井がなぜか右手を押さえながら、ほんの少し焦っているようにも見える姿。あの桜井が焦っている?そうとすれば、この男はかなりの強者だ。

..俺たちも逮捕だけはされたくないんでね。

 

「高見沢!桜井助けに行くぞ!」

「おうよ!」

今まで高見沢の左腕で首元を軽く絞められていた新人の秘密警察が邪魔だと判断したのか、高見沢がソイツを手放そうとした瞬間..

 

「..鈴木、伏せてろ」

「えっ..?」

 

奴がポツっと何かを言ったかと思えば、新人秘密警察が急に高見沢の腕をすり抜けてバッと慌てて地面に伏せてしまった。その直後、目にも止まらぬ速さでいつの間にか高見沢の目の前まで来ていた棚瀬とかいう男が、高見沢の頭部目掛けて回転蹴りをお見舞いしていやがった。

咄嗟の判断でなんとか両腕で頭をカバーした高見沢だったが、奴の豪快すぎる蹴りで高見沢の大きな体は軽く数メートル先まで吹っ飛んでいってしまったじゃないか。

 

「高見沢!?」

「..遅い」

「えっ?」

 

そしていつの間にか俺の左腕を奴が取ったかと思うと、バキバキボキィッ!!という骨が折れる音が耳にこびり付く。

 

「なっ..!?」

「坂崎ッ!?」

 

桜井の俺を呼ぶ声が聞こえてきたけれど、今はそれ所じゃない。

そのボキボキに折れた左腕を取ったままのアイツは、ほんの少し力を入れただけで俺の体を地面に叩きつけてくる..と同時に、みぞおち目掛けて奴の全体重をのしかけた強烈すぎる右手拳が入ってきてしまったようだ。

 

しかも、驚くことに今の衝撃で地面にビシビシッとひび割れた音が伝わってくるレベル。

 

「がハッ..!?」

「..思い知ったか不死身野郎」

 

さ、流石に異常な再生能力持っているこの俺でもこのパンチはキツい..

ヤバい..あばら骨もいったかもしれねぇ..

 

ゲホッと咳き込むと激痛が走る。しかも口から血が..。クソが、なんなんだコイツ?なんで今までこの男は外に出て来なかった?

俺を上から見下ろしてくるその表情は、不気味なくらい無に近いといってもいいほど。この野郎..なんにも考えねぇで突っ込んできやがってんのか?

 

そしてなんの躊躇もなくこの男は桜井を見据えながら、俺の左肩目掛けてもう一発発砲してきやがった。

 

 

。。。

 

「た、棚瀬さん..!」

「何アレ..?本当に棚瀬さんか..?」

 

鈴木が慌てて俺の居る方へと逃げ出してきたはいいものの、今俺たちの目の前に居るのは本当にあの棚瀬さん..?

なんて言ったらいいんだろう。いつも傍に居る坂崎さんみたいな..いや、もっともっとそれ以上に恐ろしい形相をしている。目が据わってるというか..とにかく、今棚瀬さんに何を言ってもムダだというのだけは理解していた。

 

正直に言って怖い。あの棚瀬さんが死ぬほど怖い。けど..

 

けれど、それと同時に死ぬほど格好良かった。

 

アレが..坂崎さんと棚瀬さんにだけしか備わっていない、無慈悲で情け容赦のない氷のような心。

 

悪を打ちのめす為なら手段を選ばない男の目。

 

「でも、凄い..」

「..うん。一瞬にして殺し屋たちが二人もやられた」

殺し屋の坂崎さんが不死身なのをいい事に、棚瀬さんはさっきから容赦なくやりたい放題かましている。俺たちが殺し屋の坂崎さんを見ていて、死んでしまうのではないかと不安になるくらいのレベルで。

先ほど棚瀬さんに吹き飛ばされた殺し屋の高見沢さんが、顔を歪めながら立ち上がったかと思うと彼はこの場から急ぎ足で去ってしまった。心の中で、あっ..とは思ったものの、棚瀬さんの強さに逃げてしまったんだろうか。

 

そんな事は気にも留めていない棚瀬さんは、殺し屋の桜井さんをすうっと睨みつけて「次はお前だ」と低く唸る。

 

「..うちの坂崎と高見沢にここまで怪我負わせたのはアンタが初めてかもな。高見沢の野郎もあの感じ、腕にヒビくらいいってるか。坂崎に関しては..」

「この男は暫く再起不能にしてある。いくら薬の力であっても、ムリな時はムリだ」

「かもな。さて、アンタは一体俺をどうするつもりだ?」

 

「悪はこの世から始末するだけ」

「悪いが俺もこの二人みたいに一筋縄じゃいかねぇぞ」

 

さっき棚瀬さんの蹴りで下に落ちてしまっていた銃を素早く拾い上げる殺し屋の桜井さん。そして、俺と鈴木が地面に置いたワイヤーを奪われてしまい、それを棚瀬さんに向けて放ってしまった。

しかし棚瀬さんはワイヤーなんかにも目もくれず、バシュッと噴き出してきたワイヤーに右腕を掠めてしまっていたが、アレは自分でも分かってて突っ込んで行っている。なんという怖いもの知らず..

あのワイヤー、壁とかにも突き刺さる程の威力なのに、なんで自分目掛けてきているというのに怖くないんだろうか?それはまだ俺にも鈴木にも到底理解し難いものだった。

 

そして銃声が一発響く。

棚瀬さんが殺し屋の桜井さん目掛けて撃ったものだったが、殺し屋の桜井さんは涼しい顔をして自分に向けていた棚瀬さんの腕を取ると、別方向に逸らして撃たせたものだ。だから向こうの桜井さんは傷一つ負っていない。

腕を取ったはいいけど、あまり棚瀬さんの近くに居たくないんだろう。そのままバッと再び距離を置いてしまった。だけどそれを許さない棚瀬さんが、もう一度距離を縮めていく。

 

近づいてくる棚瀬さんに向かって銃口を向ける殺し屋の桜井さんは、なんの躊躇いもなく何発も撃ってくる..けど、棚瀬さんに弾が掠ることはなかった。やっぱすげぇ、棚瀬さん..

けれど向こうの桜井さんも自分が怪我を負わない為に、すぐ一定の距離を保ちにいってしまう。身体能力じゃ圧倒的に俺たち秘密警察のが格上なはずなのに、なんでこの人たちはいつも坂崎さんたちから逃れられることが出来るのだろうか?さっきから見ていても特別な力を持っているのは、向こうの坂崎さんだけみたいに思えるんだけど..

 

「あの桜井さん、なんで今の棚瀬さんと対等に戦えているんだっ..?」

「..確かあの桜井さん、有名なヤクザの息子なんでしょ?」

「え、あぁ。そうだったはず..」

「何度も死線をくぐり抜けているんだよ、きっと。この世界で生半可な覚悟じゃ生きていないって意味なんだと思うよ..」

「覚悟..」

 

俺たちに足りないもの..

 

 

棚瀬さんが苦戦している訳ではないけれど、殺し屋の桜井さんも凄く真剣な表情で棚瀬さんの相手をしている。

だから俺たちに今出来ることと言ったら、コレくらいしかない。

 

俺と鈴木は自分たちの拳銃を拾い上げ、銃口をそっと殺し屋の桜井さんへと向けてみせた。

まだ棚瀬さんに気を取られて俺たちの存在に気付いていない。殺るなら今だ。

 

人を撃てるくらいの..いや、人を殺せるくらいの冷徹な心の持ち主こそがこの俺たちの世界で生き残っていけるコツなんだと。

ようやくそれに気が付けた気がした。

セイフティを外し、トリガーに指をかけて殺し屋の桜井さんが居る方へと照準を定める。あとは

撃つだけ….

 

「!」

「く、喰らえーーー!!」

「棚瀬さん離れて下さいっ!!」

 

バッと勢い良くその場から離れる棚瀬さんを見た時、あぁ..あの人は俺たちのことを信じてくれているのかな、なんて思ったりしてしまった。
そして俺たちに気付いた殺し屋の桜井さんは、こんな新人相手に怯むこともなく睨みを利かせては銃を構えてくる。くっそ..俺らナメられすぎだろ..っ。

 

「俺に銃を向けてくるということは、どうやら本当に死にたいらしいな、子犬くんたち」

「っ..!誰が政府の犬だ!!」

「そこまで言ってねーだろ?」

 

俺も鈴木もこのトリガーを引く。

もちろん殺し屋の桜井さんも俺たちに向けて発砲してくる。

 

だけど….

なんで….?

 

「え、嘘..」

「なんで動けるんだ..?」

 

殺し屋の桜井さんの少し手前には、向こうの坂崎さんが今にもぶっ倒れそうなくらいフラフラになりながら俺と鈴木が放った銃弾二発と向こうの桜井さんが撃った一発..合計三発の銃弾を自分の体を使って犠牲にしてしまっていた。

流石の離れて見ていた棚瀬さんも驚いていたようで、さっきアレほど骨が折れたり銃弾喰らっていたりしていたのに、なんで動いて立っていられんだあの人は..?

まるでバケモノ..

 

「悪ぃな坂崎」

「….もぅ、ムリだ….」

ほぼ無意識で動いていたのだろうか。

重力に逆らえないその体は、ドシャッと下へと一度落ちてしまっていた。しかしそれをすかさず殺し屋の桜井さんが坂崎さんの体を抱いあげ、すかした顔で俺と鈴木を見据えて「また今度だな」なんて勝手なことを言っている。

 

「に、逃がすもんか!」

「そこを動くともう一回撃つぞ!?」

「….、」

 

心底下らなさそうに殺し屋の桜井さんは、口許をフッと吊り上げてみせた途端、どこからかドゥウウン!!というバイク音が聞こえてくるではないか。なんだ?と思い、辺りを見渡そうとした時。

 

棚瀬さんが物凄いスピードで俺と鈴木の体をその両腕で抱えたかと思うと、すぐさまその場から離れてしまった。

えっ!?という声を出す余裕もなく、何が起きたのか不明だったけれど、その数秒後には俺たちがさっきまで立っていた場所に銃弾の嵐が浴びせられていたのだった。ど、どういう事なんだろうか..っ?

 

間一髪、銃弾の嵐を避けた棚瀬さんが両脇に抱えていた俺たちを下ろすと、さっきのバイク音の正体は殺し屋の高見沢さんのものであったのが理解出来た。

ギイィッとブレーキをかけて移動を止めたかと思えば、ブチ切れてるであろうその顔つきに加え「チッ」と盛大な舌打ちをかましてきた。

あの人の片腕にはアサルトライフルが握られており、さっきはアレで俺と鈴木を本気で殺しにかかってきていたようだ。あの高見沢さん..逃げ出したんじゃなくて、二人を救い出しに来たのか..

 

「ったくよぉ!おめーらのせいで坂崎が暫く使い物になんねぇじゃねーか!!この先の仕事どうしてくれんだ!あぁッ!?」

「あ、あの人..向こうの坂崎さんの心配より仕事の心配してんの..?」

「血も涙もない人たちだな..ホントに」

 

迎えに来てくれた殺し屋の高見沢さんの後ろへと跨る殺し屋の桜井さん。気絶している坂崎さんが落っこちないようにしっかりと支えたあと、高見沢さんに「出せ」と命令をしていた。それに従う高見沢さんだったけれど、バイクにぶら下がっていた瓶のような物を手に取ったかと思えば、それをいきなりこちらへと投げつけてきた。

そしてガチャンッと地面に瓶が落ちたと同時に、俺たちの目の前には炎がたち昇ってしまい、そして視界までも塞いでくる。

 

棚瀬さんが殺し屋たちを追いかけようとしたけれど、火の勢いと範囲が広く、そして強すぎてあの三人を追いかけることは不可能となってしまった。

 

「..逃げたか」

 

 

。。。

 

「クソがっ、チョーシのりやがってアイツら..!!マジで次に会った時ぶっ殺してやるぞ!クソ!」

「高見沢、言うまでもなく今回は初めて俺らの負けだ」

「んなこたァ分かってるっつーの!!アイツら..いや、あの棚瀬とかいう男..アイツ何もんだッ?」

「さぁな。俺の知る限りじゃただの情報伝達係かとばかり思っていたが、どうやらそれだけじゃないらしいな」

「坂崎をこんなんになるまでいたぶってくるとは..いい度胸してんじゃねぇか。もしあのままやられ続けていたら、バケモノの坂崎でも危うかったんじゃねーの?」

「かもな。コイツ、俺のこと無意識で最後まで庇いやがった。無茶しやがって..。つーか高見沢も腕大丈夫か?ヒビ入ってそうに見えたけど」

「..かもな!今もめちゃくちゃ痛てぇっつーの。早くあっちにある桜井の車に乗り換えてぇよ」

「バイクも俺が運転するか?」

「いいよ、こんくらいなら片手で運転出来る!」

 

珍しく高見沢がキレている。相当腹立たしい相手だったんだろう。

そして坂崎のこの様子だと..何週間、いや完治するまで一ヶ月近くかかっちまうかもしれん。新しく薬を投与した今の坂崎は、銃弾一、二発喰らったぐらいじゃそう簡単に倒れはしないし回復もアホみたいに早い。けど、今回はそうもいかないだろう。左腕とあばら骨は複雑骨折してそうだし、弾は合計何発喰らった?覚えていない。あの重たすぎる拳をモロに受けちまえば、内臓だって損傷していてもおかしくない。

「再起不能..ねぇ」

 

だが俺も、これからはあの棚瀬とかいう男にも気を付けておかなければならない。あんな奴が秘密警察の中で情報網を握っているとしたら、死ぬほど厄介じゃねーか。

もちろん秘密警察の俺ら三人も脅威といえば脅威なのは変わりないけれど、向こうの俺と高見沢は毎回戦っていて思うが正直そこまで苦戦するような奴らではない。問題は坂崎だ。

そう、奴らの中で俺たちをいつも追い詰めてくるのは坂崎一人だけだと思っていたからだ。なのに今日はとんだ収穫を得たよ。

 

「秘密警察の坂崎と棚瀬..。お前ら二人、いつか向こうの俺たちと同じ運命を辿って貰うことにするよ」

 

 

この俺を本気にさせた事をその身でたっぷりと後悔してゆくがいい。

 

 

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