秘坂とソフィアのデート❤︎”2

もっとなんか後半色々書きたかったけど、これ以上書くとグダグダになりそうだからやめた。笑

 

てか進撃のアニメ、地震速報であとちょっとで終わるってとこでブツ切られて悲しかった(´;ω;`)笑

こればっかりはしょーがないけどね〜

今回はリヴァイの超見せ所!!なシーンだったから、MAPPAがどう頑張るのか見ものだったけど、まぁ頑張った方かな?とは思った‥が、リヴァイの回転斬りの素早さが足りなかったりとやはり色んな面でWITと比較してしまう。なんかねー、MAPPAは呪術廻戦の方に力入れてるから進撃のクオリティーが‥‥

こんなにも進撃のアニメの楽しみが半減するとは思わなんだ

 

秘坂とデート❤︎”2

 

ランチも食べ終わり、幸ちゃんがお会計してるから先に出て外で待っとけと言われたのでお店の外で待っていると、ちょうど通りかかってきた男の人二人が突然私に声をかけてきた。あー‥これナンパってやつかー‥

「お姉さん今一人?めちゃ可愛いね」

「あ、ありがとうございます‥」

「今からお昼するの?それなら一緒に食べない?」

「えーっと‥今食べ終わったところなんで‥」

 

うわ〜、これマサルとコウちゃんに見られたらこの人たち絶対ボッコボコにされちゃいそうだな〜。

元の世界でもこういうことはたまにあった出来事だし、まさかこっちの世界でも同じこと体験する羽目になるなんてなーなんて考えていたら、背中から「おい」と幸ちゃんの声が聞こえてきた。なので振り向くと、彼はこの二人組の男の人に向かって「わりぃな、コイツは俺の嫁だから他の女当たってくれねーか?」と思ってもみなかったセリフで一瞬ドキッとしてしまった。

そしてヒラッとさせた左手の薬指にはいつの間にか指輪が嵌めてあって‥

え?と思ったのは当たり前。

 

「ナンパしたくなるのも分かるよ、俺の嫁可愛いからなぁ」

「あー旦那さんと一緒だったんスねー!すいません、可愛かったので思わず声かけたくなっちゃって」

そんな会話のラリーをしている幸ちゃんたちだったけど、やがてそれも終わり男の人たちはアッサリと立ち去って行ってしまった。‥というか、幸ちゃんだからもっとコワイ顔して脅しながら追い返すのかと思ってたけど、違うんだ‥?

今日一緒にまだ半日いるだけなのに、色んな発見がある。

 

「ありがと、幸ちゃん」

「ちょっと目を離すとコレかいお前は」

「ごめんなさい‥。あ、それよりその指輪って‥」

「ん?あぁコレか?仕事で女と出歩く時とかによく用いる道具みたいなもんよ。あんま気にすんな」

「へ、へぇ」

ナンパ撃退の仕方が大人の対処法だぁ‥。多分、指輪の話しも本当だと思う。仕事用で彼氏や夫を演じる時にさり気なく着けてるんだろうなとなんとなくそれで分かった。

 

「んで、これからどこ行きたい?水族館にでも行ってみるか?」

「すいぞくかん?」

「魚たちが沢山泳いでるところだよ」

「へぇ?なんか気になるから行ってみたい!」

「じゃあ、水族館行くか。タクシー拾うから待ってろ」

「うん」

タクシー拾うって‥何を拾ってくるんだろう?

そう疑問に感じていたら、幸ちゃんはこっちの世界では車と呼ばれているものを引き止めたかと思うと、乗れって言ってくる。ん?乗っちゃっていいのかな?

よく分からないでいると、急にドアが勝手に開くからビックリしちゃったけど幸ちゃんが先に入り、私もその後に続いた。そしたらまたドアが勝手に閉まった。す、凄い‥どうなっているんだろう?そんなことを考えている間にも幸ちゃんは前にいる人に向かって、行き先を教えていた。

 

「ねぇ幸ちゃん、タクシー拾うって言ってたけど何か拾ったの?」

「はっ?え、ちょ‥!おま、小声で喋れ!」

「?どーして?コレ車っていう乗り物でしょ?私、馬車しか乗ったことないから‥」

「おめーなぁ〜〜‥!!」

まるで空気読めと言わんばかりの目をしている。あ、ごめん。

そんなことで当たり障りない会話を数分続けていると、水族館とやらにもう着いてしまったみたい。幸ちゃんがお金を払うと、またドアが勝手に開くので私も幸ちゃんも外へと出る。

にしても車楽しかったな〜!あんなにも早く移動出来るなんて感激しちゃった!馬車だと時間かかっちゃうもん。

 

水族館っていう建物の前に来れば、何やらガラスの向こう側にお姉さんたちがいてその人に向かって幸ちゃんが「大人二枚で」と言っているけど、よく分からないのでポーっと見ていた。そして何かを受け取った幸ちゃんが、私に向かって「行くぞ」と声をかけてきたので彼に着いて行けば、建物の入口にまたお姉さんが立っていたので、幸ちゃんはさっき貰った紙を渡してしまった。

かと思えば端っこを切り取ってまた手元に返してくれた。うーん‥よく分からないなぁ‥

だけど、そう考えてたのは束の間。

 

建物の中へ入って、少しずつ奥へと進んで行くと中は薄暗く、でもガラスの向こうで沢山の魚たちが優雅に泳いでいるのが目に入ってきた。

なにこの空間?すっごく綺麗‥

 

「こんなにもお魚さんたちがいるなんて‥」

「ペンギンもいるしアシカやイルカもサメもいるぜ」

「えっ!なんでそんな生きてる場所が違う子たちがここにいるの!?」

「それが水族館だ。普段見られない海の生き物たちが間近で見れる場所。どーだ?気に入ったか?」

「‥‥でも、この子たちに自由はないの?」

「ある意味自由気ままに生きてるとは思うけどなぁ。危険はないし、ご飯だって食える。とは言っても海で育ってきたお前にとっちゃコイツらは籠の中の鳥と同じなのかもな。魚だけど」

「そっか‥。確かに食べられたりする恐怖がないのはいいかもしれないね」

「自由は人それぞれの考え方だしな。ほら、暗いから俺から離れねーように腕掴まってろ」

「うん、分かった」

 

幸ちゃんの言う通り彼の腕に掴まって、私にとってはこの不思議な空間を歩いて見て回ることになった。

私は人魚だったから海の中で彼らがどのように生活をしているのかを当たり前のように見ていたけれど、人間はそれを知らない。だから大勢の人がここに集まってそれを観察している。大人も子供も関係なく目を輝かせて彼らをじっくり見つめ、可愛いやらブサイクやら綺麗とか色んな言葉をかけていた。

‥そっか。人間もこんなに海の中のことを知りたがっていたんだね。

 

この後も幸ちゃんと水族館を回り、イルカショーとかいうのも見たり私でも見たことのない生き物たちと触れ合える場所があったりと、中々に楽しめる場所だった。

ちょっと歩き疲れたので、水族館の中にある飲食出来るスペースで一休みすることにした。カフェ?って言うらしい。

 

「お前、シュワシュワしたもんとかヘーキか?」

「しゅわしゅわ?多分」

「じゃ、このフルーツソーダとアメリカン一つずつ。なんか甘いもん食いてーか?」

「食べたい!」

「あと‥この深海パフェってやつ一つで」

幸ちゃんが注文し終えると、空いてる席にテキトーに座った。なんだか幸ちゃんにお金ばっか使わせちゃって悪いな〜‥なんて思ってはいるけど、私たちの世界と幸ちゃんの世界じゃお金の種類も全く違うからどうやって返そうかなって内心考え中。コレを今言うと多分、いらねぇとか言われそうだから今度断れない状況にしてから何かしらお返ししてあげよっかな。

ボーっと幸ちゃんの顔を見つめながらそんな考え事をしていれば、彼が「おめー、何か気ぃ遣ってんだろ?」と言われてしまった。うぅ‥顔に出てたかなぁ?でも流石にアレコレして貰ってるし、申し訳ないと思うのはフツーじゃない?

 

「いーよ、こっちは俺らの世界だし。お前が何か出来る訳じゃねーから俺にされるがままにしとけ」

「でも‥今日一日ずっと色々して貰ったり、食べさせて貰ったりしてるし‥」

「あたりめーだろ、それがデートってもんじゃん。違うか?」

「どう、だろ。私もマサルとコウちゃん以外の人とこんな風にお出かけしてデートするのって初めてだし‥ましてやうちの二人と私は好き合ってるからこういうのが当たり前かと思ってただけで‥そうじゃない男の人にここまでされると‥ね?」

「世の中女落とす為なら金を落とす男も大勢いるさ。それに、奢られて当たり前だと言う女もいるし。ま、ソフィアがそういう女じゃないから俺はお前に楽しんで貰えるようにしてるだけだが」

「うぅ‥っ?あ、ありがと。幸ちゃん、ホントに今日優しいね」

「女といる時は大体いっつもこんなんだよ」

「そう、なんだ」

 

運ばれてきた飲み物たち。それに、さっき幸ちゃんが注文してくれたパフェ?ってやつの見た目が‥凄い!なにこれ?食べ物??

今幸ちゃんと話していた会話の内容が吹っ飛ぶくらい、興奮してしまっている。このフルーツソーダってやつも、グラスの中に何種類ものフルーツがゴロゴロ入っていて、しかもこの泡たちが綺麗!わぁー‥もうっ!ズルいずるいよ!こんなの出されたら心掴まれて当たり前じゃん!

いつの間にかマスクを外していた幸ちゃんは興奮気味の私を見やりながらまたもや苦笑して「わっかりやすいな〜お前は」と、コーヒーを飲みながら笑ってくる。

 

「しょーがないでしょ!こんなの出されて興奮しない訳がないよ!‥この飲み物、口の中がパチパチ弾けて面白い!パフェってやつも、甘くて美味しいー‥!いいな〜こっちの世界、ホントに羨ましい」

「パフェ俺にもちょっとちょーだい」

「うん、いいよっ」

当たり前のように私は幸ちゃんに対してあーんをしていた。それを拒否することなく幸ちゃんもパクッと食べていた。あれ?なんかもう完全に恋人同士じゃない?

「あー、美味い。でも夜も飯食うと思って予約してあっからあんま腹一杯にすんなよ?」

「へっ?まだ何かあるの!?幸ちゃん、やり過ぎだってば〜‥!」

「それが最後だから文句言うな」

「うぅ‥分かったよぉ」

 

もうここまで来たら幸ちゃんに全部任せちゃお。

幸ちゃんが言うには人もそんなに居ないから、かなりゆっくりしてても文句は言われないだろうってことで、ここで結構な時間を費やした。のんびーり幸ちゃんとお喋りして、今日今まであったことの感想とかを言ってたらあっという間に時は過ぎていく。

スマホの画面で時間確認が出来るみたいで、幸ちゃんは「そろそろ出るか」と口にするので言う通りにここの水族館とはお別れした。素敵な場所に連れて来てくれてありがとね、幸ちゃん。

 

そして‥‥最後に連れて来られたのはなんかちょっといい建物っぽい感じのところ。いかにも日本風って感じの見た目っていうの?

そこに躊躇なく入って行く幸ちゃん。そしたら中から着物を着た女性が出迎えてくれて、靴を脱いでから案内された。靴って脱ぐんだ?というより、あの人ユキお姉さんみたいに着物着てて凄い‥!いかにも日本人って感じ!

通されたのは個室。わ、これが畳ってやつか‥!というより‥

 

「外の景色、とっても素敵だね‥」

「だろ?今の時期と言えば梅の花だからな。川沿いに咲くライトアップされた梅の景色、お前に日本のいいところ見せたくてよ。もうちっと時期が遅ければ桜も見せてやれたのにな」

「うぅん、この梅の花っていうのも可愛らしくて私は好きだよ!夜の外がこんなに明るく照らされて、しかもこんなに綺麗だなんて想像してなかったよ。‥ちょっと感動しちゃった!」

「そっか。それなら良かった」

 

窓際にいた私の隣にふっと立つ幸ちゃん。

マスクはしていなくて、彼もここからの景色を眺めては優しい眼差しで外を見つめていた。

たまに見せるこの表情。これに思わずドキッとしてしまう。

 

景色に気を取られていたけれど、幸ちゃんは席についてしまったので私も同じく座ったはいいものの‥えーっと、こういう場所は正座のがいいんだよね?でも幸ちゃんみたいにあんな綺麗な座り方出来ない。

うー‥となっていると、幸ちゃんは「ムリなら崩した座り方でもいいから」とフォローしてくれた。ごめんなさい‥多分ここ、いいお店っぽいからちゃんとしてなきゃいけないのに。王族としては失格かもしれない、うぅ‥

 

「んで、料理なんだけど‥日本料理って懐石とかだと基本魚介類が多いからよ、コースとかなしにしてお前の食べれるようなやつだけ注文しな」

「また気を遣わせちゃってごめんね‥」

「んなもん気にすんなって言ってんだろ?肉もあるし、ここの店は湯葉とかもうめーからよ」

「ゆばって?」

「この写真に載ってるやつ。お前の世界じゃ食えないだろうし、そんなに癖があるもんじゃないから食ってみるか?」

「うんっ」

「じゃあ一つは湯葉な。俺は海鮮食いたいから〜‥」

なんか‥幸ちゃんって、思ってたよりずっとずっと優しくて気を遣える人なんだね。

私にはよく分からないから幸ちゃんが私に食べられそうなものを注文してくれて、景色を楽しみながらお喋りしていると料理が次々とやってくる。

湯葉って食べ物も面白かった。四角い箱みたいなやつの中に白い液体が入っていて、それがあったまれば薄く膜を張るからそれを食べるみたい。なんか変わってる食べ方だな〜なんて思いながら湯葉を口にしてみると、想像してたよりも意外と味が濃ゆい。日本って不思議な食べ物があるんだね。

幸ちゃんは目の前で思いっきり海鮮食べてるけど‥

 

「ねー、幸ちゃん。今日まるっと一日中付き合ってくれて嬉しかったし楽しかった」

「んー?そうか、俺もちっとは仕事の息抜きにはなったかねぇ」

「ホントはもっと別の女の人と行きたかったでしょ?こんな既婚者で別の世界の女なんかとじゃなくて」

「‥なんでそう思う?」

もくもくお肉を食べながら尋ねてくる幸ちゃん。

「だって‥幸ちゃんにだって少しくらいは気になる人とかいるんじゃないの?貴方モテるんだもん、一度目を付けられたら他の女の人たちはほっとかないでしょ?」

「けっ。そういう女共はただの仕事上で付き合ってきただけだ。俺からしてみりゃ敵みたいなもんよ」

「ホントに気になる人とかいないの?」

「いねーよそんな奴」

「こんなにモテるのに?こんなにも相手を気遣うことが出来るのに?誰もいないの?今まで好きな人は出来なかったの?」

「‥‥昔は‥仕事始める前まではそりゃ好きになって付き合った女もいるぜ?でも今は女とかいらねーんだよ」

「どうして?」

「俺には一番に守らなきゃいけない家族がいる。そのうえポンコツな仲間たちもいるからよ‥そんなに多くの者を守り切れる自信がねーんだよ」

「そうかな?幸ちゃんだったら大丈夫な気はするんだけど」

「その甘い考えが自分を地獄に叩き落とすんだ。俺はそれを知ってるし、何度も味わったし味わいかけた。仲間でさえ失うのはキツいのに、一番大切な人を失う覚悟は俺には出来ん。こればっかりは過去に囚われそうだしな」

「‥失う前提なの?」

「お前んとこの王子たちもお前を失いかけただろ。聞けよ、俺の気持ち半分は分かるだろうから」

「ごめん‥」

「いーよ別に。俺はこの仕事引退したら好きなことやろうと思ってたし。そこでいい人に出会えたら一緒に生きていくかもしれねぇ。親父が総理辞めたら俺もかなり楽になれると思うしよ!」

「それまでは我慢するってこと?」

「人によっちゃそう聞こえるかもしれんが俺は我慢してる訳じゃない。この仕事が好きで誇りに思うから続けているだけだ。‥棚瀬以外の奴らの相手をするのは疲れるし、もうちっとマトモに成長してくれとは思うが‥それでも俺はアイツらを見る責任がある。もう二度と死ぬ思いなんてさせたくねぇ」

「‥そっか。うん、やっぱり幸ちゃんは人を想いやれる素晴らしい人間だねっ!」

「なんだそれ嫌味か?」

「ち、違うよ‥!今日一日中一緒にいて、ホントにそう思ったんだもん!」

「ふーん‥」

「ホントだってば〜!」

 

ジト目で見てくる幸ちゃんの視線が痛い。

だけど本心なんだもん。

「今までずっと、貴方は恐いだけの人かと思ってた。うぅん、私だけじゃなくて他のみんなもそうかもしれない。‥だけど、今日で幸ちゃんの仲間たちと最恐さん二人の気持ちがすぐに理解出来ちゃったな。貴方には人を惹きつける力が備わっているんだね」

「‥迷惑なだけだ」

「冷酷なだけの人かと思ってたけど、こんな人が近くにいたらそりゃーみんな幸ちゃんに惚れちゃうって!女の人なら抱かれたいって思って当然な気がするもん」

「お前は?」

「えっ?」

「俺に抱かれたい?」

「‥‥へっ?」

 

幸ちゃんのセリフで思わずキョトンとしてしまった。

だって、こういう真面目な話しをしてる時にこんなこと言ってくる人だなんて思わなかったもん。

素っ頓狂な声が出た後からは、何も言葉が出なくて幸ちゃんを見るしか出来なかったけれど、彼は私の方をじっと見つめては物凄く色気のある表情で「ん?」と聞いてくる。

 

あぇ‥。だ、ダメだ。これ以上この人に見つめられたらジョーダン抜きで落ちちゃうかもしれないっ!

なんというか、今までに見たことのない真剣な顔付きをされて、尚且つこんな質問されちゃドキドキせざるを得ないに決まってる。しかも自分が赤面してるのがよーく伝わってくるレベルで。

ず、ズルい‥。ずるいずるいずるい!

 

「‥ッばか!」

「俺は真面目に聞いてるんだけど?」

箸を置いたかと思えば、こちらにやって来て私の目の前でしゃがみ込む幸ちゃん。しかも顔が近い。

「ちょ、ちょっと‥!」

「どーせアイツら‥俺の仲間や主君七十二番も俺たちのこと外の世界から見てるんだろ?アイツらに言われて俺のデートに付き合ったんだろ?じゃあ見せつけようぜ」

「ま、ま、ま、待ってよ‥!私、別に貴方となんて‥!」

「もう一度聞くけど、俺に抱かれたいか?」

「こ、うちゃん‥っ?私、もう結婚してるんだよ‥!」

「抱かれたい?ん?はいかいいえで答えられんのか?」

 

さわっと幸ちゃんの手が私の長い髪に触れる感覚がする。私の髪を片耳にかけていく仕草。もうその行為だけでドキドキが止まらなくなっている。

思わずビクッと体が反応してしまい、自分の右手を心臓に持ってきて服をギュッと握りしめる始末。自然と吐息も漏れていく。

ちょっと‥ヤバいかもしれない。この人から溢れ出てくる凄まじい色気はなに!?無条件で相手を落とすことの出来る男‥ってやつ?だ、だってこの私がマサルとコウちゃん以外の男の人にここまで心臓暴れさせたことはないんだよ?そりゃ、少しは他の世界の人たちにドキドキとかしたことは過去にもあるけど‥それの比じゃない。というか、うちのコウちゃんより色気がある気がする‥

 

「あの‥っ、ごめんけど‥抱かれたいとは、思わ‥ないっ」

「お前に例え今好きな人がいなくても?」

「そ、それは‥また別の話しに、なる‥かも」

「じゃあ本心は抱かれたいってことでいいか?王子たちには内緒にしといてやるからよ」

「うぅ‥」

「俺はお前がフリーだったら全然抱いてやるんだけどなぁ」

「っ‥!」

もぅ‥息が、苦しいよぉ‥

 

フッと私から離れてくれた幸ちゃん。

そのせいというかお陰というか、特に何かされたって訳じゃないのに息が上がってしまっている。ハァ、はァ‥と肩で息をしていたのに気付き自分でも驚きを隠せなかった。

耳まで熱を帯びていて、しかも腰が抜けたみたいにその場から動けなくてへたり込んでいる私を見て立ち上がった幸ちゃんが上から「大体の女は俺に迫られるとお前みてーになるよ」と、くくっと喉を鳴らしながらニヤニヤして笑っている。

全部演技だったのか‥この男‥!

 

「女は男のギャップによえーからなぁ」

「分かっててやってんの‥!?」

「ったりめーだろ。じゃなきゃこんなもん、仕事で女相手した時役に立つかっつーの。あ、でもキスさえ許してくれりゃあ王子一番のお前でも落とせる自信あるぜ?」

「ぜっっったいにキスなんかしない!」

「おう、その方が自分の為になるだろーからよ、やめとけやめとけ。俺も仕事以外じゃ他の奴から女寝取る趣味なんてねーからよ。あ、けど寂しくなったら俺んとこ来な?ヤらなくても満足くらいはさせてやれっからよ」

「うぅ‥!それどういう意味‥?」

「え?今日みたいに一日中楽しませてやるよって意味で言ったつもりだが?‥まさかお前エロい方で考えてた?はっ、やっぱお前はやらしー女だな〜」

「ち、違うもんっ!」

「いや違わねーだろ、毎晩毎晩王子たちと致してるじゃねーかアホ」

「もぉぉおお‥!!」

 

やっぱりこの人は最恐トリオの名にふさわしいゲスい男だった、忘れてた。感覚が完全に麻痺していた!

人を惹きつける物凄い魅力の持ち主に変わりない‥けど!この人は最も恐ろしい男のナンバーワン。心の中はそれなりに黒くてゲスくて、だから犯罪者の七十二番さんや主君さんとずっと一緒にいられる結構サイテーな人だってことを忘れかけていた。

下からうー‥と唸りながら睨みつけてみせるも、「そんな顔されちゃあ犯して下さいって言ってるようなもんだぞ?」と、またしてもニヤケ顔でゲスい発言をしてくる。

 

「はぅ‥なんか一気に疲れた」

「外に出て散歩でもするか?」

「‥散歩したらもう帰るっ」

「はいはい」

隣でニヤニヤしながら私を見てくる幸ちゃんの顔が憎い。

個室からそのまま外に出られるみたいで、外には履き物が置かれてあったからそれを履いて梅が咲いている川の方まで来てみた。すると柔らかな甘い香りがふわっとそこら中に漂っているから、これはきっと梅の花の匂いなんだろう。なんていい香り。

外は寒いかなと少し心配していた幸ちゃんだったけど、思いのほか風もなくてとても過ごしやすくて気持ちのいい空気を吸えた。そしてやっと気持ちも落ち着いてきたかな。

 

「ふーっ。やっぱり幸ちゃんってイヤな人だった〜」

「俺は自分がそんないい奴だとは思ったことねーからな。お前らが勝手に言ってきてるだけだろーが」

「だーって、今日もずっと優しかったし七十二番さんと主君さんも必死になって助けてたし、仲間からはあんなに想われてるんだもん!」

「じゃあこれで俺がいい奴じゃないの証明出来て良かったな」

「え?そ、そこまで言ってないじゃん‥!確かにさっきのアレはやっぱりサイテーだって思ったけど、今日一日のことは本当に感謝してるよ?これに嘘はないから!」

「それならご褒美になんかくれ」

「ぅーん‥。それずっと考えてたんだけど、貴方は何が喜ぶのかが分からなくて。今日結構お金使わせちゃったから返してあげたいけど、世界が違うから返しようがないし‥困ってたんだよね」

「あ、ホントにちゃんと考えてくれてたんか?別にいーよ、そんなの」

「それだと私がモヤモヤするもん。宝石類送っても貴方も困るだろうし、かと言って私の手作りのお菓子なんかこの世界の食べ物に比べると全然だし‥」

「気持ちだけでいいよ。王子たちから一日中お前のこと奪っちまったからな」

「‥貴方のそういう気遣う気持ちが私は好きだな。なんかキュンってしちゃう」

「へぇ。‥じゃあさ、これならどう?」

「え?」

 

突然私と幸ちゃんの片手同士が絡み合えば、もう恋人ですと言ってるようなもの。

彼の男らしくて温かい手が私の鼓動をまたもや加速させる。触れられたら余計に胸が苦しくなるのに‥っ。

「どう?ドキッとした?」

「す、少し‥」

「意地はんなよ、ホントはもっとドキドキしてるクセに。顔に書いてあんぞー」

「うぅ‥!だって幸ちゃん、変な色仕掛けばっかしてくるんだもん!」

「色仕掛け?俺そんなことしてるつもりねーが?どっちかって言うとおめーの普段の格好の方がよっぽど男誘ってるように見えるけど?」

「あ、あれは二人の趣味だから着てるだけで‥!」

「はいはい」

 

呆れた、という表情をしていた幸ちゃんなのに唐突に顎をクイっとされたかと思うと、彼に耳を舐めさせるのを許してしまい、そこから止めることなくひたすら私の耳を弄ぶ幸ちゃん。

ビクッ!と先程とは比べ物にならないくらい体が跳ね上がり、声もマトモに出なくなってしまって全身が火照るのには一瞬しかかからなかった。

‥‥と思ったのは束の間。

 

幸ちゃんは、耳から離れたかと思うと意地悪そうに「キス出来ない代わり、な?」とだけ呟くと私のほっぺに軽くちゅ、と唇を落としていくだけで終わってしまったみたい。

‥う、そ?

 

「こ、幸ちゃんっ‥」

「なに涙目にして物欲しそうなツラしてんだよ?おめーとはヤらねーよ。帰って王子たちにお仕置きでもされてなバーカ」

「うぅう‥!!やっぱり幸ちゃんズルい!サイテー!こうやって女の人の心弄んでるんでしょー!?」

「仕事で、な?だからぁ、王子たちとヤって物足りんかったら俺んとこ来いって言ってんだろ?ま、俺の相手したら俺のこと忘れんくなると思うからやめといた方がいいと思うけどな〜」

「絶対幸ちゃんのとこになんか行かないもん!」

「へーへー、お好きにどーぞぉ」

「うぅーー‥!」

 

余裕そうで飄々としている態度がやっぱりムカつく!

うぅ‥っ、でも‥こんな中途半端なうえに気持ち良くされちゃあ心が疼くに決まってる!

 

「あーもう、帰る!」

「送ってくぞ?てか送らねーと道分からんだろアホ」

「むぅ‥」

「外の世界に戻るまでもうちょい楽しませてやろーか、ソフィア〜?」

「っ〜〜‥!!」

 

よろしくお願いします‥‥

って、口にしたいけど絶対に言わないんだからね!

 

 

❤︎”❤︎”❤︎”

 

 

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、10回まで送信できます

送信中です送信しました!

2件のコメント

めい

>心の中はそれなりに黒くてゲスくて、だから犯罪者の七十二番さんや主君さんと
>ずっと一緒にいられる結構サイテーな人だってことを忘れかけていた。

(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪ ソフィアが思ったとおり、秘坂はそういう人ですよね。
でもね、ソフィア、そういうところから最も恐い御三方の魅力って生まれてきてるんですよ。
七十二番を愛してる私が言うんだから、間違いないです( *´艸`)♥

返信
honyo123

ソ「あはは‥笑。めいさんは昔から七十二番さん一途で凄いね。笑

うん、でも確かにああいう人柄だからこそ余計に魅力感じちゃうんだな〜って今回思ったよ!あの3人って犯罪者と警察なのに、ホント仲良くて不思議だよね〜笑」

返信

name&comment