秘書様の考えごと

こちらもなんとなく秘書様目線のお話を書きたいなと思ったので書いてみました( ‘ ‘ )

たまには裏坂目線とかで書いても面白いのかな〜なんて思ってたり。書ける余裕あればまた書くね。笑

秘書様目線なんて…多分自由への咆哮以来じゃないかな?🤔

てかあの話書いたの何年前よ…?もう覚えてない、コワイ😱笑

昔サイト全盛期だった頃は、うちの子たちで二十代設定のキャラたちより自分は若かったのに今じゃおじさんとか言われてるキャラたちに年齢近づいてきて切ないよ😂

今はうちの子の中で誰が一番歳が近いんだろう…。賢さんの年齢設定が確か30くらいだった気が…。うぁ…🫠

 

秘書様の考えごと

 

私の主である社長は、別の世界の者たちには心を許している。

私たちの世界では決して見られない姿。

いつもその方たちと居る社長は心から楽しそうだ。私はそれが昔から気に食わない。社長のあんな嬉しそうに、そして楽しそうに笑う表情は嫌いだからだ。

私が気分を悪くしているのも社長はもちろん知っている。知ってはいるが私はもう諦めているので、昔のようにもうあまり言わないようにしている。何より社長の隣にいつも居られるのが秘密警察様と七十二番様という、この世界の坂崎様キャラ高見沢様キャラの中で一番恐ろしいと言われている二人だからまだ許容が出来るが。

そうでなければもっとイライラしていたはずだ。

 

今も目の前でその三人は楽しそうに何やら談笑している。

私たちの世界に居る時の社長では有り得ないような顔と態度。もう見慣れた。

 

「そういやーさ〜、主君ってもう女作ったりとかしねーのぉ?」

「あー確かに。嫁亡くなってんだから次とか考えてねーのか?」

「はァっ?もう女はこりごりだっつーの。それに俺はアイツ以外有り得ないって悟ったんだ。もういいだろ、この話しは」

「えー。でもだってお前金持ってんだからいい女なんかいくらでも抱けるだろぉ〜?それに擦り寄ってこねーの?」

「微塵たりとも抱こうと思わんし、余計な虫は棚瀬が全部弾き返してくれてっからな。面倒くさい奴らの対処は棚瀬が自分でやってっからよ、俺はよく分からねーんだわ」

「そーなのか、秘書?」

「…えぇ。社長に擦り寄ってくるクズ共は全て私が追い返していますよ。甘い蜜に集ってくる虫共を踏み潰すように」

「それ人殺してねーだろーな?あ?」

「私は人殺しは致しません。うちの坂崎様と一緒にしないで下さい」

「えー心外!俺だって自分の命守る為にやってたことなのに〜」

 

私の隣に居た坂崎様がいやらしい顔つきで否定しておられる。思ってもいない癖によく言いますよ。

とはいえ私がこの会社へ来たいと思ったのも坂崎様との出会いがあったからだ。初めてお会いした際、このお方は既に出来上がっておられた。そんなの目を見れば一発で分かること。平気で人を裏切り、それを苦とも思っていない中身が腐ったお方。

坂崎様がこうなられたのは、やはり社長の奥様を轢き殺した時からなのか…はたまた元からそういう黒い部分があったのがあの時に開花したのか。真相は分かり兼ねるが、一目見て私は坂崎様の下へつこうと決心したのも事実。

このお方は隠し通せていたらどうなっていたのだろうか。あんな暗くて光も届かない生きづらい地下世界に行かずに済んだのか、それとも…その黒い部分が増幅していってしまえばいずれ社長をも殺していたのだろうか。それはそれで私は坂崎様に一生ついていく決心がつくとは思えるが。

 

「つーかお前らは全員犯罪者なんだから少しは恥を知れ、恥を」

 

秘密警察である坂崎様は、私たちの世界には決して居て欲しくない人物の一人。

警察…嫌な響きだ。よく言われているように、見た目は凶悪な顔つきではあるものの、信じられないが心は正義感で溢れ返っているお方。ここに居る誰よりも真っ当な人間と言えるだろう。

そして天性の人たらし。このお方のせいでうちの社長のイメージがかなり壊されたのは言うまでもない。社長と七十二番様がこのお方を好きすぎて困るほどに。

自分の世界では人を信じられないはずなのに、別世界の住人である社長たちなら信じてやれると言ってのけた人物。それはもう、私の目から見ても心酔してもおかしくないほどこのお方は完璧だ。…私からすればこちら側の人間であれば、絶対に手放したくはない人物になっていたはず。正義側ということを除けば私もきっと秘密警察様を慕っていただろうと。本当に惜しい人材だ。

 

「えー、でも俺だって自分の世界ではちゃんと反省してるもぉーん」

 

七十二番様。このお方も人を何人も殺してきているかなりの危険人物。あちらのもう一人の罪人である二十四番様とは比べ物にならないくらい卑劣な犯罪者だろう。とはいえ私はこのお方についていこうとは思わないし、きっとついていけない。人殺しをしたといっても計画性も何もなく、ただその場の欲を満たす為に行った殺し方。それは美しくない。

そして先程七十二番様が仰ってた通りこのお方は自分の行いを反省している。正直もったいないと思うほどに心の底から昔の出来事を悔やんでおられるようだ。言動や態度は相変わらずだが、やはり物腰が少々柔らかくなっているのはすぐに気づくうえに私からすれば以前のままでいいのにと思ってしまう。

ただし、やはりこのお方には許し難い人物が一人いるようで…その心の奥底に秘めている殺意を船頭様は気づいておられるだろうか?もしかすると当の本人も気づいていないのかもしれない。

もったいない、貴方は昔そんな人間ではなかったはずですよ?強制的に三人で連んでいたあの頃を思い出して下さいよ、七十二番様。本当の貴方はそんな柔で腑抜けたツラなんかではなかった。そんなのでは最恐の座を他の高見沢様に奪われ兼ねませんよ?それとも私がもう一度貴方をこちら側に……

 

「さっかさーん!…と、秘書くーん!!」

「……。」

 

そしてもう一人、私を惑わしてくる人物。

秘密警察の坂崎様と同等の力と精神力を兼ね備えた正義の私。

鬱陶しいほどに私にまとわりついてくるこの男は、見た目とは裏腹に本気を出させると全く容赦のない制裁を下す秘密警察の坂崎様が唯一認めている存在。

私も棚瀬というキャラの中の一人で、そしてこの男が生まれる前までは圧倒的に皆から恐れられていたのだが…秘密警察という私が生まれてから、私はコイツの存在をシカト出来なくなっていた。それは向こうから勝手に絡んでくるというのもあるけれど、やはり秘密警察の坂崎様に負けず劣らずという点が大きい。

この男の本気状態は凄まじい。私はコイツのように身体能力が飛び抜けている訳でもないので、きっと敵わないのだろうとは自負している。呆れるくらい明るい性格をしている部分は私からしたらうるさくて仕方ないのだが、その実力は本物なので正直に言ってこの男もこちら側に堕としたいぐらいに欲している。

だけどそれも叶わぬ妄言。秘密警察の坂崎様と同様…即ち、この男も正義感が非常に強いこと。私の手では堕とせないのが本当にもったいない。

 

「まーたうるさいのが来た」

「なんだよ棚瀬」

「よぉ、食いしん坊」

「へっへへー!新作のお菓子持ってきたんでみんなで食べましょ〜!」

「えー、俺もちょーだい」

見慣れた光景。いつもと変わらない外の世界。つまらない。また何か起こってくれないだろうか。他の世界の者たちが絶望する顔を見てみたい。

本当に小さくフゥ…とため息をつけば、社長だけがそんな私の変化に気づく。

「どーした棚瀬?」

「いえ、何も」

「今ため息ついてたじゃねーか」

「よくお気づきで」

「そりゃーねぇ?何か気に食わないことでもあったか?」

「全てです」

「ハハッ!すまねーなぁ」

 

貴方のそんな笑顔など見たくもないというのに。

しかし不思議だ。もし貴方が今でも想っているお方がこの世から居なくなっていなければ、貴方はそんな笑顔で毎日笑っていたのでしょうか。子供と毎日遊んでいい父親になっていたのでしょうか。社長の人格が壊れる以前の性格は短い期間ながらも一応は知っている。だからこそあの日、あの時坂崎様に全てをぶち壊された貴方の豹変ぶりに驚いたと同時に震え上がった。もちろん恐怖という意味ではなく昂りという意味で。

私はこの人についていきたい。心の底からそう思えた。

数え切れないほどの悪行と癒されることはない心の傷。何度も人に裏切られ、誰も信じることの出来なくなった脆弱な心。かつては人が良すぎるくらいに優しく、そして私とは違う世界の明るい場所に居た貴方だがそれも今では真逆の存在。表面上は優しさをまとってはいるが、中身は真っ黒で裏では自分より下だと思った人間共を騙して地下へ誘い、そして殺し合いをさせるどう見ても頭のおかしい人物に成り果てている。

 

…えぇ、私はそんな社長が好きなので何も問題ないんですけどね。

 

「秘書くんさっきから怖い顔してどーしたの?なにか考えごと?」

「ソイツが怖くない顔してた時なんてあったか?」

「それもそーじゃんね〜。てか、秘密警察だってほとんど怖い顔してんじゃーん。人のこと言えるぅ?」

「たまには笑うだろ」

賑やかしい。いつだって外の世界は騒がしい。

ここに居る者以外の奴らが大勢集まればもっと耳障りだ。私たちの世界も異常な世界だとは思うが、また別の者たちもおかしな世界観の者ばかりでマトモな人間なんてごく一部。やはり終わっている。

自分たちとは相容れないような性格をしている者も大勢いるからそれもまた鬱陶しい。ソイツらから学ぶことなど何もないが、たまに何かしらの騒動を起こしてくれるから暇つぶし程度にはなるぐらいの存在。逆に私に刃向かってくる者が居ないので気が楽ではあるが…

そんなに私は恐いのか。

 

「……なぜ私は生まれてきたのでしょうね」

「…へっ?」

「ど、どーした棚瀬?」

「なんかあったんか?珍しい」

「落ち込んでるの〜?」

「いえ。ただ…そう疑問に思っただけです」

全員こちらを見やりながら驚いた表情を見せつけてくる。社長も坂崎様も、だ。

 

「でもぉ、主君が生まれたのって人魚んとこの紳士王子が原因なんでしょー?」

「あー確かあの王子とは真逆の性格してる“桜井”が欲しかったから生まれたんだっけ?」

「へー!そうだったんですね〜知りませんでした!」

「ま、そのお陰で俺と高見沢は散々嫌な目に遭わされていたけどな」

「どの口が言ってんだテメェ、殺すぞ」

「殺れるもんなら殺ってみ?俺はしぶといよ?」

「チッ…。つーか棚瀬、お前が生まれてきた理由なんて一つしかねーだろ」

「はい?」

「誰も信頼出来ない俺を信じさせてくれるただ一人の男。どんだけみんなから恐れられていようがお前は俺の大事な秘書だ。何よりも、誰よりもお前を一番必要としている。お前が生まれてきた理由はお前が多分一番分かってるんじゃねーのか?一切ブレずにただひたすら冷酷な人間を慕って生きているお前なんだから、今の発言が弱音とかそういった類じゃないのは分かってはいるけど…不安にさせちまってるのは事実なんだろうな。すまねぇ」

 

社長…

 

「分かっているのでしたらその不安要素を取り除いて下さっても構いませんよ?」

「うーん、それはちょっと厳しいかなぁ?」

「…ハァ。知ってます」

「すまんな〜棚瀬!」

あはははーっと呑気に笑う社長。そしてその隣で笑っている貴方の大好きなお二人。無理やり離れさせてもこの三人はきっとまた元通りになるのだろう。あの時みたいに。

 

「けど、棚瀬のその近寄り難い恐怖のオーラが俺は最高に好きだぜ!それがお前のいいとこだし、その恐怖のお陰で俺は守られてるからな!だから…俺の隣にいつも居てくれてありがとう。そして俺の秘書になってくれてありがとう、棚瀬」

「……当然です」

 

私たちにしか理解出来ない上下関係。私はこれが心地いい。私は誰かの上に立ちたいとは思わないから…だから貴方の下でこれからも働き続けたいと思うのです。

こちらこそありがとうございます、社長。

私が生まれてきた理由…そんな簡単なことも分からなくなっていたのだなんて貴方の秘書失格になりかねませんね。

だから私は貴方の気の向くまま従い続けます。

こんなに私を楽しませてくれる人なんだから…私からは逃れられないと思って下さいよ?

 

桜井社長。

 

 

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