罪人たちの舟 終焉9

二日連続で晩ご飯はオーブン使って調理してるけど、初めてオーブンでハンバーグ焼いたんよ

…めっちゃ美味しかった笑

豆腐入れたからフワフワってのもあるだろうけど、なんかフライパンで焼いた時とは食感も見た目も全然違くてちょっと感動したもん笑

キレーなふっくらとした丸みを帯びたハンバーグが焼けてて箸入れた時「やわらか!」ってなったもん🤣

今までもちょこちょこお菓子作り以外でもご飯作る時オーブン使ってはいたけど、なんせあの有名な石窯オーブンだから色んな調理法があるんでね…使わねばもったいないと思いもうちょっとオーブン料理増やしていこうかな🥺

唐揚げも美味しく出来上がるらしいからまた今度やってみるんだ(,,>᎑<,,)

これから暑くなるし夏になると火を使うのも億劫になるからオーブン調理いいんだけど、でもオーブン使うと部屋の中の温度上がるからどっちにしろ暑いは暑いんだよねw(去年の夏実感した)

ま、お菓子作りする人間なんで夏でもオーブンの暑さは我慢するしかないから料理で使ったとしてもそこは変わらへん変わらへん(ヾノ・ω・`)

そして罪人もあと少しだね。もうちょっとだけお付き合い下さい( ᴗˬᴗ)

秘坂と主君様は強いから心配ないよ🙂‍↕️

 

 

罪人たちの舟 終焉9

 

「……。」

朝起きてみるけれど頭がずっとボーーっとしている状態が続いていて、上半身は起き上がっているのにそれ以上体が動けずで何分経ったか分からないくらいベッドの上でボーッとしていたのは間違いない。

あー…遂にたった一人になってしまったなー、なんて考えを一生考え続けているせいで次の行動に全く移せなくなっていた。朝起きたらまず何やるんだっけ?ていうか今日は仕事するんだろうか。それすらもよく分かってない。

アラームと同時に起きたはいいけど、ぼんやりし過ぎて本来仕事する時刻まであと三十分もないくらい時を持て余しまくっていた。だってまだ着替えすらしてないんだもん。

 

「…起きよ」

ようやく動けるようになったのは始業時間の十五分前だった。

当然食欲もないし、パパッと着替えて簡単に準備さえしてしまえばすぐ家から出られるので重い足取りで悪魔たちの住む館へと赴けば、毎日の日課のマモン様への朝の挨拶と報告をしなければならない。

失礼します、といつもより小さな声で部屋の中へと入り、マモン様のすぐ傍まで行けば「おはようございます」と覇気のない声でしか挨拶出来ずにいた。そんな弱りきった俺を見てもマモン様は気にすることなく「死にそうなツラをしておるな、坂崎」と愉快そうに言ってくるだけ。あー…性格わるっ。口が裂けてでもそんなこと言わんけど。

 

「今日は何をすればよろしいのでしょうか?そもそも仕事がないと言いますか…。いや、個人的にやりたいことはありますけど…」

「あの罪人どもの遺体の処理か?」

「はい…。時間が出来たら二十四番と七十二番のことをやりたいと思っておりますが…よろしいでしょうか?」

「勝手にしろ、我々には関係のないことだ」

「ありがとうございます、マモン様」

「暫くはこれといった業務もないように思えるが、お前が気づいた時に気づいたことをすれば良い。私は何も言うつもりないぞ」

「はい…分かりました」

自由にしても構わないって言ってくれてるから今日はもう簡単な作業だけ終わらせてから二人の体を瞑道の窯へと葬ってあげよう。これが今日の俺の重大な仕事だ。

マモン様に下がれと言われてしまったので頭を下げてからクルッと向きを変えて部屋を出ようとしたけども、あっ…と思い出して聞きたいことがあったからもう一度体の向きを変えてマモン様の名を呼んでみせる。

 

「なんだ」

「いえ…その、なぜ他の船頭仲間や罪人たちと違って私だけが怪我をしただけで済んだのでしょうか…?私も確かにあの時死神に斬られたはずですが、皆のように即死ではなかったのが疑問で…」

「そんなもの、お前の魂が我々七つの大罪に弄(いじく)られたからでしかなかろう。坂崎、お前の魂だけは私に管理されていたせいで死ねずにいたということだ」

「……。」

所謂魂の契約のせいってやつなのか…

「所詮は下等でしかない死神だったのでな、あんな神程度が我ら七つの大罪の力を凌げる力などないのだからお前は惨めに最後まで生き抜いてしまっただけよ坂崎。理解したか?」

「…はい。教えて下さりありがとうございました」

一応はマモン様たちの力が俺の魂に宿っていたせいでギリギリ狩り取られずに済んだってことか…。死ねたらどれだけ良かったんだろうって思ってしまった気持ちをすぐに抹消させないと、マモン様に勘づかれたらまた恐ろしい目に遭わなきゃならないので気持ちを切り替える。

ペコっと頭を下げてから今度こそ部屋を出て行けば、悪魔たちがいない違う部屋へと入りこっそりと白い綺麗な布を二枚拝借してしまえば、そそくさと館から出て行った。

一旦自分の家へ戻ってから布を置いておき、そのままブラブラとやる気なく島を一人歩いてはそれぞれの重要な場所の見回りをし、異常がなければそのまま次の場所へと行くという行動を繰り返すだけ。案外島ってデカいから次の場所へ行くのにも地味に時間かかるんだよなぁ〜とは思いつつ、かといって走るほどでもないので結局は歩いて行くしかない。

 

「流石に今日は曇りか…」

ふと空を見上げてみせるが、やっぱりと言っていいほど本日も曇天。昨日が天気良すぎただけだ。

最後に罪人たちを収容する施設までやって来て、ここ数日使われていないのでこの場所も今は怖いくらいにシン…と静寂を保っている。

「確かここだっけな…」

二十四番と七十二番がかつて入っていた牢の前までやって来るも、一度この場所は改装されてしまったのであの頃と同じ部屋ではないが面影はきちんと残っているので思い出す記憶が当然のようにある。

「……、」

二人との出会いは超絶最悪だった。かつての仲間たちを殺されて俺はコイツらを本気で憎んださ。本気でアイツらのことが大嫌いだった。今思い出してもムカつく思い出が大半を占めているので、嫌な記憶を思い出せばもちろんイラッとしてしまうけど…でもここ最近は二人とも割と大人しくなってくれたお陰で昔よりかは俺も過ごしやすくなれていたし、二人のことを深く知ることがやっと出来ていたっていうのに…

これが運命とは思わないけれど、俺たちはやっぱり最後まで相入れられなかったという意味なのだろうか。

そんな最後…

そんな最後だなんて……っ。

 

「……っ」

また込み上げてくるものが俺を襲ってくるので、パッと体の向きを変えてこの場から立ち去る。

俺は生き残って何をしていけばいいのだろう…。仲間たちだってきっともっともっと生きていたかったはずだ…。正直マモン様以外の悪魔たちは、自分たちの使者を死ぬほど気に入っているとかいう訳ではなさそうなのでわざわざ生き返らすようなことはしないのは分かっちゃいるんだけど……それでも生き返らす力を持っているのを俺は知っているから、また俺の命分けてでも存命してあげたかった。でもそんなことをすると二十四番と七十二番の想いを無下にしそうで、それも結局は出来なくて…俺ってどこまでも中途半端な奴だな…と。

そうは言ってもマモン様だって別に俺や二人の罪人が可哀想だからとかいう理由で生き返らせた訳ではないし、俺らが生かされたのも暇潰し程度の弄ぶ為の道具くらいにしか思ってないはずだろうしな…

他の悪魔たちは自分の使者が死ねばもうそこまでという冷徹な見方をしているだろうから、ムリに生き返らす必要性もないんだと思う。わざわざそんなことに力も時間も費やさなくていいっていう考えなはずだし。非情すぎるよな…とは思うけれど、大罪の悪魔なんだからそれが普通なんだよな…。マモン様がおかしいだけだと思う。

 

「はァ…。帰ろ」

俺がいくら考えたところで過去が変わる訳でもないし、亡くなってしまったみんなが蘇ってくる訳でもない。それでも亡くなった今もみんなを見捨てることなんて出来ないし、忘れることなんて一生ないのだろう。昔の仲間たちもそうだ。

俺は十二人の仲間の死を見てきているという意味なんだよな…。残酷すぎねぇかコレ?なのにいつも俺だけが生き残るから、本当の死神って実は俺なんじゃねーの?って思ってしまったり。だってそうじゃない?

自分をこれから先許すこともなければ悲観して生きていくことになるのは目に見えているのだが、それでも俺が生かされた意味を俺自身で答えを見つけなくちゃならない。あと九年か十年ほどの寿命らしいが、それで次も十年の猶予があるんだから何かしらの答えが見つかるんだと俺はそう思っている。この十年間で見つけられた新たな視点や気づけてやれた気持ちも沢山あるんだから、絶対にムダになんてしてやるもんか。

サクサク草を踏む音を立てながらリヤカーが置いてある場所に寄ってからそれをガタゴタ引いてから一旦自分の家へと帰ると、仕事する前に置いていった白い布を手に取りまた外へと出る。その布とリヤカーを持っては隣の家へと向かい、リヤカーを置いてから俺は中へと入っていった。

 

「遅くなってごめんよ」

二人に一言声をかけ、早速大きめの白い布を広げてから二人の体を丁寧に包み込む。

「……。」

布を巻く時、二人の顔も一緒に見ているけれど……とても死んでるとは思えないくらい穏やかで安らかな顔をして眠ってやがる。羨ましいな…ったく。

「一緒に死のうって言ってあったのに先に逝きやがって…。バカだなぁ…」

ぽつぽつ独り言を呟きながら二人を包み込む作業をしているこの時点ではまだなんとか大丈夫だった。二人をリヤカーに乗せて、瞑道の窯の方まで運んでいた間もまだギリギリ大丈夫だった。

でも、一人ずつ上へと運び終えていざ二人をこの窯の中へと落とすのが俺だと思うと途端にグワッと感情が荒れた波に襲われるかのような、そんなイメージの気持ちが激しく俺を揺さぶっていく。それでも俺がやり遂げなければならないのだから、やるしかないんだよ…。逃げたら絶対にダメな場面なんだから、二人の願いを最後まで俺が終わらせなきゃならないんだよ。分かってるよな俺?

 

「……っ。手が…」

窯の扉を開く為の装置に手をかけようとするも、ブルブル震えてしまう情けない自分の右手が視界に入り、二人をこの中へ落とすのを躊躇している自分がいることに気づく。…気づくというより、ここまでこの気持ちを見ない振りしてきただけだったんだと思う。

それでも窯の装置に手をかけ、グッと装置を半分ほど引っ張るとそれに合わせて窯の扉がゴゴゴゴ…とかなり重たい音を立てながら半分ほど開かれていくのを見届ける。

なので俺は二人の体に被せてあった白い布をそっと外し、今まさに窯の中へと二人を落とす準備をしている。

その手はやはりバカみたいに震えており、一つ一つの動作がかなり遅れてしまっているのだがこれは俺自身が二人を落とすのをわざと遅らせているんじゃないか?と勝手にそう錯覚してしまうほど一々行動が遅い。だけどこんなことしてる場合じゃないよな…、二人にまた怒られちまうわな…

「……よしっ」

二十四番の体に手をかけ、先に彼から下へと落とそうと自分の腕にグッと力を入れてみせたんだけど……やっぱりその手が動いてはくれなかった。どうしても体が固まってしまう。

自分の弱さを自覚し、まだ二人を下へと落とし切れないのを自分自身に言い聞かせて落ち着かせていく中で、二人の目の前にストン…と腰を落としては胡座をかいてみせて心に余裕を持たす。

あとはそうだな…。やっぱ別れの言葉くらい、言っといた方がいいよな…

 

「二十四番…、この数日間はあの…人を見下したようなイヤ〜な目付きじゃなくて、人を心から思いやれるような優しい目をしていたことは忘れないからな…。お前は多分、この島に連れて来られるほどそこまで酷い罪を犯した訳じゃなかったのに…運が悪かっただけなんだよな、きっと」

そうだ…。二十四番って話を聞いてると、正直そこまで酷いことをしたとは思えんのだよね俺は…。でもお前はここへ来て更なる重い罪を重ねちまった。それのせいでこの島で生かされる羽目になったんだけどさ。

「そりゃこんな島に連れて来られたら逃げ出したくもなるよなきっと…。人を欺く力を持ち合わせているお前なんだもん、俺たちを騙そうとはしても自分の手で直接人を殺すようなそこまで惨いことが出来るような奴だとは思ってなかったよ…」

自らの手を汚したくないのには、やはり二十四番自身にそこまでの勇気が結局なかっただけだったんだろうなって今になって思う。

「だってお前はさ、子供が大好きで子供の為ならなんだって出来る奴なんだから詐欺師なんかじゃなくて、もっと別の道を歩んでいたら少なくともお前はこんな場所まで来ることはなかったはずなのに…。以前にお前は言っていたよな…、こんな俺が真っ当な道にいけるはずもないって。俺はそうは思わないんだよね。その頭さえあればきっとお前はもっともっと多くの子供たちを救える道があったはずだと俺思ってるよ?お前は根はマトモだから絶対上手くやれてたはずなのに…。なんで罪なんか犯したんだよ…バカ野郎」

周りの環境が招いてしまった結果なのだろうか…お前の人生は。もしお前の周りにいい人たちが多くいたのなら、お前は絶対に今でも本土で楽しく笑顔で仕事していた未来が俺にはみえるのに…

なのに…

 

「…ふうっ。じゃあ次、七十二番ね」

一度気持ちに区切りをつけて今度は七十二番に向けての言葉を送る。

「七十二番、お前もここ数日驚くくらいずっと穏やかな目をしていたよな…。それでさ、言い忘れちまってたけどお前の喋り方…この三日間、普通の喋り方をしてくれていたよな?お前の変な独特な喋り方、自分の本心を隠して人に読み取られないようにしていたって以前言っていたけど…最後の数日間とはいえ、お前はずっと俺に心開いてくれていたって意味なんだよな…?」

そう。敢えて言わないようにしていたけど、七十二番がずっと俺に対して普通の喋り方をしてくれていたのには俺も二十四番も分かっていたさ。

「気づいていたよ…。心開いてくれていて嬉しかったよ…。やっと認められたような気がして…本当に嬉しかった。ありがとな?」

最後の最後とはいえ、お前の本心に触れられた気がして嬉しかったんだ俺。

「でもお前の罪は元から大きかったし許されるもんでもなかったうえに俺はお前のことの方が二十四番よりも大嫌いだったけど…、あの二十四番の事件以来お前が心から改心して俺たち船頭側にも寄り添ってくれるようになってくれて、俺たち全員嬉しかったんだよね…本当に」

人を殺し、女の人を物のように扱うお前のような罪人が一番俺は嫌いだったけど…それでもお前があの日泣いたその償いの涙は本物だと俺は今でも思ってるし、ここまで人の気持ちを動かせることが出来たことに俺は自分の命を分け与えた意味は絶対にあったんだなと思い知れたから。本来は一度死んだはずのお前をここまで生き長らえさせて良かったと思ってるよ。

あの世でちゃんとお前が愛して殺してしまった人たちに対して謝れるといいな…

 

「最後に…二人ともありがとう、こんな俺に十年間もついて来てくれて。二人がいてくれたから俺も成長出来た気がするよ。罪人を憎むだけじゃないってお前らが教えてくれたから俺はここまで変われた」

ムカつくことの方のが多かったけど、悪いことばっかではなかったのは確かだからな俺だって。二人が多くのことを教えてくれたお陰で罪人たちを昔よりかは広い心で受け入れることが出来るようにはなってきているはずだ。

「二人が命懸けで俺を助けてくれたことも…、俺の為に悪魔たちに向かって暴言吐いたり歯向かっては俺を庇ったりしてくれたことも…全部ぜんぶ感謝しているから」

こんな頼りない出来損ないの俺なのに…お前らはなんだかんだいつも俺を助けてくれてたもんな。

「もう少しね…一緒に生きられると思ってたのになぁ…。でも俺が少しでも長生き出来るようにって、残りの生きる時間を俺に返してくれてありがとう…っ。俺の魂、二人の中にずっとあったから分かるんだ…。二人が今でも俺の中で生きているのが感じられるくらい、二人がいつも通り俺の傍にいてくれるのが分かるよ…!ちゃんと分かってるからッ…!」

こんなにも…温かかったんだな、お前らの心は。

死んでからこの事実に気づくだなんて、遅すぎるよ俺は…!何やってんだよマジで…!!

 

「俺の中で二人が確かに生きているのが分かるんだもん…!」

これだけお前らの中に俺の魂が入っていたら、嫌でも感じ取れるくらいにはなるさ…

「なぁ…なんで俺は二人が生きている間にこれを言わなかったんだろうな…?」

俺のたった一つの後悔だと思う。

 

「俺さ、もう二十四番と七十二番のこと…嫌いじゃないから…!好きか…って言われるとまだそこまで許せるほど俺は心が広い訳じゃないからそこはごめんなんだけど…、それでも出会った頃よりかはいくらかマシになってるはずだよ…。すまん、本当は昨日これを言わなきゃいけなかったのに、二人が俺に気遣っていつもみたいに嫌いだのバカだの言ってくるから俺あの時言えなくて……。ごめんな…本当に…」

流れていく涙は誰にも見られていないからなのかほぼ決壊状態になっているせいで、胡座で座り込んでいた膝の上に乗っている両手はギリギリと強い拳を作り出すだけで、無力同然の俺に出来ることなどありはしない。

「……。そろそろ鬱陶しいよな…こんなことされてると。じゃねぇとお前らまた俺に対してウザいだとか消えろとか言うもんな…ッ」

 

何度拭いたって溢れ出てくる涙をもう一度拭い、俺は意を決して二人の体を今度こそ窯の目の前まで持っていく。

きっと…窯の中へ行くなら、二人一緒に行った方がいいよなお前らのことだから。気持ち悪いぐらい仲が良くて…喧嘩なんてしてるとこなんて見たことないぐらいお前らは人として、仲間として、相棒として最高に相性のいい男たちだったんだろうなお互いに。

二人がこんな島でじゃなくて、別の形で出会っていたら最高の親友になっていたはずだったのだろうに。俺と出会わなければこんなことにはならなかったはずだっただろうに…

お前らがもっとマトモで普通の人間だったのなら俺と出会わずに済んだのに……

 

「っ……。そろそろ…行くか、お前ら」

グッと二人同時に窯の中に見える業火の中へと落とす俺のこの手は、二度と味わいたくのない感覚だというのを俺はこの先忘れはしないだろう。

そしてズルッ…とそのまま滑り落ちていった二十四番と七十二番の体はあっという間に灼熱の窯の中の炎に包まれていき、このまま七つの大罪の悪魔たちの養分となるのかと思うとやるせないけどさ…でも俺はこの目でしかと見届けた。お前たちの最後を俺自身で終わらせたからな。約束守ったぞ、ちゃんと。逃げたりなんかしなかったから。

「……。」

何秒か落ちていった方向だけを見続けて、これ以上未練がましくならないようすぐに窯の装置に手をかけて蓋を閉めていく様子を眺めてはいるけれど…

もうこれで全てが終わり。何もかもが終わった。終わらせた。

 

「おやすみ…。桜井、高見沢…」

 

窯の蓋が閉まる前、二人にかける最後の言葉を残しておく。

もう二度と蘇ることのない命。他の罪人たちとは違って安らかに死ねただけお前らはかなり幸せだったはずだし、俺としてもこっちの方が気が楽で有難いよ。

最後の最後まで俺に気遣ってくれてありがとう。

もうゆっくり休んでくれ。

あとは俺が生きるだけだから…

 

「お前らが返してくれたこの命、絶対にムダになんかさせないから」

 

完全に閉じた瞑道の窯の蓋を見届けてから、俺は流していた涙を止めて下へと続く階段をゆっくりと踏み締めて降りていった。

 

 

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、10回まで送信できます

送信中です送信しました!

name&comment