雄偉なる君へ

智天使お話全5話載せます!

超久々に書いたけど案外スラスラ書けるもんなんだなと笑

まーだまだ全然終わりが見えなさそうだけど、取り敢えずゆっくりのんびりでもいいから書く!昔に妄想してたストーリーがあるにはあるけど、もうほぼ忘れかけてるので覚えてる妄想+新しくストーリー考え直してる最中です!笑

やっぱり思いついた話はメモっとかんとダメですねぇ( ´⌓` )

そして最近ブログに絵文字が反映されなくて困ってる。時々こうなるからよぉ分からん(´・ω・`)

なんかPHPを更新しろとか言われたからよく分からず更新したらサイト真っ白になってめっちゃ焦ったりしたけどなんとか戻って良かったですw

wordpress慣れないから難しい…。結局PHPは上手く更新出来ずに終わっとるしw

追記にお話載せちゃうからもうここに妄想書くけど、桜音とクラ坂にもし子供が出来たらクラ高はなんか親戚おじさんポジになりそうだな〜と思ってたりしてた

なんか今のところ私の中でクラ高はノーマルと同じで独身貫きそうなんだよねぇ。そういうきっかけになる話ももうメモってあるんよw その代わり二人とずっと一緒にいる感じで、桜音が妊娠した時も自分たちのように喜んでくれて、子供が産まれた時も「最早半分俺の子だろ」とか言ってクラ坂に「全部俺の子だよ( ꐦ◜ω◝ )」とか言われてそうとか思ったり笑

寝不足でげっそりしながらも仕事行くしかないクラ坂を心配しながらもクラ坂からは「桜音さんのことちょっと頼む…」なんて言われたら、桜音のことちゃんと寝かせてあげたいから「桜音は寝ろ。俺がなんとかする」って言って慣れない赤ちゃんのお世話を一人で頑張るクラ高もなんかいいよなって( ˊᵕˋ*)

「ごめん、4時間も寝ちゃってた…!!」って慌てて起きてくる桜音にも怒ることなく、「二人はすげーな。俺数時間でも大変だったのに桜音はこれ毎日だもんな。また時間ある時は交代してやるから桜音は休めよ」とか言ってくれたり。桜音からしたら、絶対いいパパになるのに結婚しないのもったいないよなぁ〜…とか思っちゃう、なんてね

桜音に余裕が出てきたらまた三人で致すのかもだろうけど、子供には絶対バレさせないの前提だからねw

倫理観どーなっとるんだって言われそうな三人だけど、三人がいいならいいってスタンス。クラ高も桜音たちの子にはきっとデレデレだろうし、なんでも買っちゃいそうだし、懐いてきてくれたら全力で遊ぶし、怒ってくるパパママから守ったりもするしで相当甘やかしそうだなってのは想像出来る。自分が結婚しない分、二人の子には愛情たっぷり注ぎまくりそうだなって笑

この男がいるお陰で話が全て成立するから、本当にずっと重要な立ち位置にいるけどクラ高にとっちゃ好き勝手してるだけだから自由で羨ましい男ですわ。クラ坂も一生クラ高のこと羨ましがっていることでしょう笑

あ、追記は智天使のお話ですw

 

雄偉なる君へ

 

タカミザワの記憶を奪った悪魔の情報はなんにも得られないままあれからまた二ヶ月が過ぎ去っていこうとしている。まてよ…もうすぐで半年になっちまうぞオイ…

だけれど相変わらずタカミザワは元気だ。元気すぎて鬱陶しいくらいに元気だ。だからもうなんか底抜けに明るくなったタカミザワを見ていたら、やっぱこのままでもいいんじゃね?と思う反面、いやでも天使の時の記憶があった方がいいしなぁ…と、グールグル頭を悩ませている俺と桜井がいるわけでして。どっちが正解なんだろうと未だに答えが出せないでいる。

今はサクライが働いている店の方まで来ており、さっきまで同じテーブルに座っていたタカミザワは少し向こう側に座っていたカヤマユウゾウさんとケンナオコさんとカトウカズヒコさんのいるテーブルへと行ってしまい、四人でなーんかめちゃくちゃ楽しそうに盛り上がっている。俺一人で取り残されてますよ、えぇ。

なぜそちらに混じらないかというと、俺はタカミザワを監視していなくちゃならないが為にあまり周りのみんなと騒げないでいるからだ。半年近く特になんにも起こってはないから大丈夫だとは思うんだけどねぇ…。でも万が一のことがあると思うと、俺とサクライはあんまり浮かれてられないんだよ。

のんびーり俺は俺でサラダとピザを食って、サクライが落ち着いた頃にセキグチさんから休憩入っていいぞーと言われていたのでサクライはフーッと一息ついては俺の座ってる席までやって来ては椅子に腰かける。

 

「お疲れさん」

「今日なんでこんなめちゃくちゃ忙しかったんだ…。というよりここ最近忙しい日多くて疲れる…」

「あー…。観光客じゃね?」

「観光客?」

「町長たちが俺らに隠れてコソコソとタカミザワを使って町興ししよーと企んでやがるから、それのせいだと思うぜ」

「はぁ?タカミザワで町興しぃ?なんだそりゃ」

「唯一本物の天使と会える町!みたいな感じで盛り上げていきたいらしいぜぇ?ウザいけど」

「何を考えてるんだよ…!タカミザワは見世物じゃねぇ!今すぐやめさせないと…」

「まー、うちの町は昔っから天使の伝承があったからね〜〜。そりゃ本物の天使さんが舞い降りてきたらみーんな一目見に来たくなるだろーよ」

「そんなもんタカミザワの教会で式を挙げればいいだけの話しじゃないか!なんでアイツ自身が売り物みたいな立場になるんだよ?流石に俺は許せんぞそれは」

「まだ公にしてないからコソコソやってるだけで、もう少ししたら爆発的に宣伝するんじゃねーのぉ?」

「そんなのダメだ!」

「俺に言うなよ。お偉いさん方に言ってくれや」

「っ……、」

俺に反論するのはムダだと知って諦めたのか、桜井はそのまま複雑そうなツラして黙ってしまった。

 

さて、俺らはこれからどうするかって話しだ。

タカミザワを使って町興しなんてふざけんなって感じだが、もう既にタカミザワを知っている奴らも多いとは思うのになぁ?だってこんだけ式挙げたいカップルばっか来るんだし、もうそこら辺一帯はタカミザワのことを知らない奴の方が珍しいと思うレベルでアイツは有名人だ。だからこれ以上やってどーすんだ?って思うけど、まーだまだ稼ぎたいのかなんなのかは知らんが流石にタカミザワ本人を使って儲けを出させるのは頂けないねぇ〜。神からのバチが当たりそうじゃね?

仕事で疲れきっているサクライはというと、セキグチさんが持ってきてくれたアイスコーヒーを飲みながらデカいため息を吐いているところ。ほーんと、この町も金に目が眩み始めてきちまってるから色々と歪んでいきそうな気もするなー、タカミザワが以前より純粋無垢なのをいいことにさ。はーやだやだ。

 

「サクライ今日ウチの店来る?」

「行くつもりだったけど?」

「ちょっと早めに行こーぜ」

「店の片付けが終わったらな」

「うん、別にそれでもいいぜ」

「…っはー!疲れたぁ!よっしゃ、もう一仕事してくっか」

「いってら〜」

アイスコーヒーを飲み終えたサクライは、グラスだけを持って中の方へと引っ込んじまった。そんでもって相変わらずタカミザワは楽しそうに年上組と談笑している。


「サカザキぃ!」

「んー?」

「またあとでそっちの店にも行くからな!私は一旦家に戻るがまた絶対行くからな!?」

「あーー鬱陶しい!暑苦しいんだよお前ぇ…!」

「あはは!じゃあなサカザキ!あ、サクライもまたあとでなー!」

「うん、じゃーねタカミザワ」

ウザ絡みされていないサクライはスッキリ爽やか笑顔でタカミザワを送り出していやがるが、ウザ絡みされた俺は眉間に皺を寄せながらアイツを見送ることしか出来んかった。

サッサと一人で帰って行ったタカミザワだが、そんなもの気にせず俺とサクライはセキグチさんの店を出て町を歩き出す。

 

「こんだけタカミザワ自身が明るいと、町興しに利用されようがアイツはそれを素直に受け入れてそうだよなぁ」

「それはまぁ…一理ありそうだけど。でもそんなの良くないだろ!アイツは今人間なんだし、しかも天使の記憶も何も持ってないんだからそんなことしたって意味ないじゃん…」

「智天使についての手記はお前さんが一番詳しくノートに記してあんだろぉ?」

「そうだけど、あのノートはタカミザワ以外に渡すつもりもねーぞ?俺が趣味で書き綴ったノートだから人に見せるもんじゃないし」

「そのうち町長たちがサクライのとこまで来るんじゃね?」

「来ても渡さねーからな」

そんな話しをしながら歩いていると、後ろから「あの…」と男に話しをかけられたので俺とサクライ二人して立ち止まって振り返ってみせる。なんだ?

「はい?なんか用ですか?」

「ここの町に教会があるって聞いて来たんですけど、行き方を教えてくれないでしょうか?」

「あー…教会ね」

コイツも観光客の一人ってことか。親切なサクライが一応教会までの行き方を教えてはいたが、内心あんまり教えたい訳じゃないんだろうな。

サクライが丁寧にこの町のことを軽くザッと説明をしている間俺は暇だったので、フワァ〜…と大きなあくびをしていると観光客のこの男が「ここって本当に天使が住んでるのですか?」と尋ねてきやがるが、隠す必要もないので俺が「いるぜ」とだけ簡単に答える。

 

「本当にいるんですね」

「けどソイツは見せもんじゃねぇからな?今は人間なんだし、アンタとなんにも変わりないただの人だ。アイツは今を普通に生きているから変な邪魔すんなよ」

「わ、分かりました」

「もういいか?」

「はい。ありがとうございました」

そうしてそのまま観光客らしき男は教会がある方へと行ってしまい、俺とサクライは小さくため息をついてはその背中を見送るだけだった。まぁ教会の方は式さえなければ一般開放してっからタカミザワの許可さえおりれば誰でも入れるっちゃ入れるし、タロウも在中しているからアイツに声掛けりゃ中見せてもらえるだろーしな。

式を挙げる為にあの教会を使ってくれるのはいいんだけど、タカミザワ目当てだけの為に観光されるのもなんだか癪というかモヤるというか…。やっぱ町長たちに抗議しに行くっきゃねーかぁ。

そう、まだ俺んとこの店の開店時間までは少し早い為、サクライと二人で町長のところへ行って詰め寄ろうって話しになってるってワケ。あんま変な人じゃなさそうだと思ってたけど、こうなっちまうとまた話しが別だしな〜。

はぁ…行くかぁ。

 

「……。」

 


「ダメだ……全然話しが通じなかった……」

「完全にアレは浮かれてるね…」

サクライは苦笑しているが、俺はもう完全に呆れ返っている。

いやね、悪い人じゃないのは分かってるんよ?なんやかんや人気者な人だし、この町をもっと活気づけたいっつー気持ちも十分伝わってはきたよ?だってあんなキラキラした目で語られちゃあ俺らもちょっと引くしかなかったもん…

この町はタカミザワが落ちてくる前はなんてことないどこにでもあるような町だし、むしろ周りの町より少し貧乏だったのを証拠に俺たち世代の親父やお袋たちは他の大きな街へ出稼ぎに行ったまま仕送りを続けては戻って来ない親のが多いくらいなんだから。元々天使の伝説の話もあったけど、それを前面に売りにしているとかじゃなかったからそれを観光名所とかになんてならないっていうか、色々といわく付きだったせいと建物も古かったせいで立ち入り禁止になってたしなぁあそこ。

だけどタカミザワが落ちてきてからは、まぁ色々とあったがあの教会も浄化されて今はすげー綺麗になってるし確かにあの教会だけでも観光名所の一つにするくらいなら分からんでもないけど…。タカミザワを利用するのだけは勘弁して欲しいなぁ〜、そこさえ避けてくれれば俺らもなんにも言わないのに。

現にこうして少しずつだが噂は出回って観光客たちがチラホラ来るのだから、効果はあるにはあるんだろう。この町が賑わってくれるのは嬉しいし経済も回るから店を経営してる側からしたらこの上なく有難いことなんだろうけど、俺としちゃあこの町の住人の雰囲気や温かさが好きだからそういうのが少し薄れそうなのがちょっと嫌なんだよねぇ…。あと店が忙しくなりすぎると今までみたいに自由じゃいられなくなるのも困るしな。

サクライと二人で「さて、どーするー?」と話し合いながらタクローさんの店の方まで行こうとした時、さっき会った観光客の男とバッタリ会ったので向こうも気づいてくれたらしく俺たちに「先程はありがとうございました」と礼を言う。

 

「教会まで行けましたか?」

「はい、お陰様で。とっても美しい教会でした。天使の伝承もとても面白く、案内してくれた方の話しを聞き入ってしまいました」

「それなら良かった!タロウが案内でもしてくれてたのかな?」

「いえ、確かタカミザワさんという方が対応して下さって…」

「えっ?タカミザワが自分で?あ、そうなんだ」

「全て話してくれました。自分の記憶がないことも、そして貴方たちお二人のことも」

「…!お、俺たちのことも話しちゃったんだアイツ。照れるなぁなんか…」

「あの人が本物の天使だったということも、記憶がないだけで本当に天使だったんだろうなという確信が持てました」

「あぁ、羽根見たの?」

「羽根?」

「あれ?祭壇にいっつもアイツが天使だった証拠の宙に浮いてる羽根がガラスケースの中に飾られてるはずなんだけど…置いてなかった?」

「……いえ。見てませんね」

「あぁそうなんだ…。おかしいな、いつもは置いてあるのに」

「図ったな、智天使め」

「…えっ?」

「は…?」

目の前の男がボソッとそう呟いた瞬間、俺とサクライ、それに周りにいる人たちが一斉に顔を覆ってしまうような物凄い強風に煽られてしまい、大の大人の俺たちでさえ立っていられるのが困難なくらいの突風がいきなり襲ってきやがった。

目も開けられず、両腕で顔をガードするしか出来ないでいる俺とサクライだったが、ようやくその風が収まったかと思いきや周りの人たちが一斉に恐怖を発するような声が入り交じって聞こえてきやがる。

 

「なっ…!!」

「お前は誰だ!?」

背中には白い大きな翼があるにはある。…が、明らかにその異様な空気を纏っているのはコイツが天使ではないというのが一瞬にして分かるもの。

なんなんだコイツは…

 

「久しいな、人間どもよ。私のお陰で貴様らはのうのうと生き返っていられるものだから呑気なことよ」

「お前…!まさか!?」

「テメェがベリアルか!?」

「如何にも」

「テメェ、タカミザワの記憶返せッ!!」

「私どもも智天使がこの記憶を取り返しに来ると思ってはいたが、なにを人生満喫しておるのだ。サッサと魔界に来んか」

あ、本当に痺れ切らしてそっちから出向いてきたって感じ…?

なんかちっとおかしな気分にはなる。だけど油断しちゃいけねぇ。この悪魔、サクライいわく相当な強者らしいから人間の俺らじゃ太刀打ち出来るだなんて驕っちゃいねぇがどうにかしてタカミザワだけでも守りきらねぇと…

奴の手の中にあるのは厳重そうに鎖で縛られて封印されている木箱。あの中にタカミザワの記憶が…!

手を伸ばせば確実に届く距離にある。たが、俺たちが咄嗟に手を出したところでコイツがそれを許すはずがないのはもう分かっている。なにも計画もなくこの悪魔に手を出したら呆気なく返り討ちにされるだけだろう。どうする…?

本当ならあの木箱が喉から手が出るほど欲しい。タカミザワの記憶が蘇ってくれるなら俺らはそれでいいのだから…っ。

 

「残念だったな悪魔め!記憶全部奪ったお陰で今タカミザワは過去のツラかった記憶もなにもないもんでめちゃくちゃ人生楽しんでるんだよ!だから邪魔すんな!」

「相変わらず気に食わん奴だなアイツは。先程会ってきたがあそこまで能天気に生きられると我々としても困るわ」

「なんでお前らが関係あるんだよ…!」

そうサクライが震えそうな声で尋ねると、このベリアルとかいう悪魔は威圧感たっぷりの態度と声色で俺たちを見下し蔑みながらも言葉を続ける。

「言ってるおるであろう?智天使は堕天した身。だから我々同じ堕天使たちが集う魔界の一員になれるうえに、あ奴なら魔界の中でも上位悪魔になり得るのだから遠慮せずに我々と共に来いと誘ってはいるが断られ続けてる状態でなぁ、寂しいものよ」

「お前か…?お前がずっとタカミザワを付け狙っていた親玉か?」

「私はただの使いっ走り。あの方のご命令なのでそれに従っているまでだ」

あの方…?って、誰だよ。

しかしベリアルっつー悪魔はそんなこと気にもせず、フッとサクライの方を見下ろすと「お前か、かつてあの教会に巣食っていた堕天使を取り憑かせていたのは」と尋ねられてしまい、俺もサクライも一瞬だけ身の毛がよだつ思いをする。

た、タカミザワがコイツにそこまで喋るとは思えねぇが…
サクライもコイツを物凄い眼光で睨みつけながら「なぜそこまで知ってる…?」と低い声で問いただしている。

 

「お前の体から見えるわ。あんな下らぬ下級天使如きに必死になっていた愚かな人間よ」

「っ…。それは自分でも分かってる…!」

「お前なのであろう?間接的とはいえあの智天使の翼を奪った人間なのは。罪深い人間だなぁ、貴様も」

「ぅぐッ…!?!」

「!? さ、サクライッ!?」

伸びてきた奴の右手がサクライの首を思い切り掴んでグインッと軽々と体ごと持ち上げてしまい、ギリギリと首を締めつけられているサクライ本人は苦しそうにしながら両脚をばたつかせ、それでも両手ではなんとか抵抗を示そうと必死にしがみついているが、このままだとサクライが…!!

慌てて奴の腕目掛けて飛び掛ろうとしてみせたが、そんなもの許されるはずもなく空いていた奴の左腕で軽く振り切られてしまえばこんな俺の体は呆気なく吹き飛ばされるだけだった。

ズザアァッ!と地面を擦り切れるようにして吹っ飛ばされちまったが、痛みとかどーだっていい!近くにいた人たちが心配そうにしながら駆けつけて来てはくれたが俺はそれよりもサクライを救う方を優先させるだけだ。

俺はもう覚悟なんてとっくに出来ている。いや、俺だけなんかじゃねぇ。それはサクライも同じだからな。

なんてったって俺たちは一回死んでるんだぜ?

もうそれ以上に恐ろしい経験なんてないんだから、俺とサクライは既にその恐怖の振り子が完全に振り切っているせいでそういう恐怖心は殺されちまった時よりかは遥かに薄くなっているしあの頃よりかはだいぶマシだと思う。だから他の人たちよりも落ち着いて冷静に周りを見ていられるし、自分たちがどうなろうとタカミザワだけでもどうにかしなきゃという意識はより一層強くなっちまってるせいで変な正義感があるからなのかもな。

サクライ…ッ、俺が助けるまで意識飛ばすんじゃねぇぞ絶対に!!

 

「くっ……!?」

「苦しかろう。もう一度死ぬか?」

「俺…らは、もう…死は、怖くなんか…ねぇッ…!!」

「では一思いにしてやろう」

本当は喋っている余裕なんて全くない。

苦しすぎてベリアルの握り潰してくるかの勢いのこの右手を必死になりながら解こうと抗うことしか出来ないのは、悪魔からしたらただの貧弱で何も出来ない脆弱な人間なのだから当たり前だ。

ジタバタと脚を動かしては少しだけでもコイツから離れられないかと行動を試してみるが、こんな上級悪魔相手に俺が勝てる訳ねぇよなぁホント…!!伝承好きの俺からしたら会えるだけ光栄だっつーの…

さっきサカザキが俺を助けようとしてくれたけれど、ここの町の住人全員で襲いかかっても敵う相手じゃないのは俺は理解しているのでサカザキが吹っ飛ばされたことなんて想定内だ。そしてこのまま殺されるかもしれないというのも、もちろん覚悟の上。

充血しきっているであろう自分の両目でベリアルだけを睨み続けていると、奴は「人間の癖に度胸だけはあるな」と一応褒めてはくれたっぽい。

 

「さっきも言ったが、…俺とサカザキは、もう死ぬのなんて…怖くねぇからなぁッ…!!」

「お前たち二人の魂を私が持ってきてやったというのに、この手で殺さなければならないのはちと切ないが致し方ないか。悪く思うなよ、人間」

「…ンぐぅぅうううッ!?!」

急激にミシミシミシッ!と首にめり込んでくるベリアルの五本の指が、そのまま俺の首の骨をゴキッと折られてもおかしくないレベルの凄まじい握力で握り潰しにこられると、流石にマトモに酸素も送られてこなくなってきているせいで頭は次第にボーッとしてくるわ苦しくて痛くて仕方がないが、俺はっ…諦めたりなんかしねぇぞッ…!!

本来ならベリアルほどの力のある悪魔なら、人間なんて一瞬にして灰にも出来るしなんなら今こうして首を絞めつけてはいるが、ちょっと力を入れただけで瞬時に俺の首の骨なんてボキボキに粉砕可能だろう。だけど、それをしてこないでジワジワと苦しめる方を選んでいるということは…ただ人間を弄んでいるだけなのか、それとも……

あ、ヤバい……

意識…飛びそうかも…しれない……

 

 

「私の友から手を離せぇぇえええッ!!!」

 

 

 

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