Merman PrinceⅡ(人魚の王子様)
やぁ、みんな!
僕の事は勿論知ってるよね?もし、知らなければ先に「人魚の王子様」とその番外編を徹底的に読んでおいてね?分かった?僕との約束だよ?
月日って早いものだよね。
僕達が出会ってから、もう二年も経つんだよ?二人の人間の王子様と親友になりたくて、薬の力で僕は人間の脚を貰ったんだ。
その時の苦労と言ったら‥はぁ、思い出しただけで辛いよ。でもね、その後に僕は人間になる為の脚を手に入れたんだ。それはお父様や僕の家族、仲間が人間の王子様を気に入ってくれたお陰。だから僕は今、月の最後だけは人間になれるんだよ。
憧れていた人間の生活を十分満喫している人魚は僕くらいだと思うんだ。
そして今日がその人間になれる日。毎日二人と会っているのに、やっぱりこのワクワク感って失わないんだよね。不思議だよホント。
早速陸に上がろうと思い、僕は海の城から抜け出そうとした時だった。僕の名前を呼ぶ声がしたので、そちらを振り向けば、そこにはお父様が居るじゃないか。一体どうしたんだろう?
「何、お父様?」
「お前もそろそろこの城の事を任せなければと思ってね」
「それはお兄様達がやるんじゃ?前、お父様がそう言ってたんでしょ?」
「お前ももう二十なんだぞ?自分のやらなければならない事くらい分かるだろう?人間になるなとは言わないが、遊んでばかりでは済まされない年なんだぞ」
「お父様が僕を人間になるのを許してくれたんでしょ?そんなのおかしいよ!」
城から飛び出せば、まだ僕を引き止める声がした。でも僕は嫌だ。今まで何もやらせなかった癖に、今更遅いよ。
泳いでいた僕の隣には、タロウがいつの間にかやって来て、「機嫌悪そう」とか何とか言ってきた。コイツは海の中の親友であって、陸に居る人間の親友とはまた別な感じの特別な存在。
何でも話せるし、遊びに行く時だっていつも二人一緒。小さい頃からそれは変わらない。
「どうしたの?」
「何にもない」
顔が膨れていたようで、タロウが僕のほっぺをツンとつついてきた。
「またフグだ」
「フグじゃないッ!」
そんなやり取りをしているのは日常茶飯事。僕はハァ、と溜息をついて泳ぐスピードを緩めた。それに付いて来てくれるタロウが、「あっ」と急に声を上げるものだから、ビクッとからだが跳ねてしまった。
「な、何?」
「タカミー、あれ見て!何か光ってる!」
そう言ってタロウは、ボロボロな大きな船を見つけ出すと、真っ先にそちらへと向かって行った。早く二人に会いたい僕だったが、仕方なくタロウの後ろを追ってみた。
するとオンボロの船を探索していたタロウが、何やら手に光り輝くものを持ってこちらに戻ってくる。
近付くに連れ、タロウが持っていた物に気付いた僕は、じっとそれを見つめていた。
「見て見て!タカミーにぴったりな手鏡発見!」
「わぁ‥可愛いね」
「あげるっ」
「ほんと?ありがとータロウ!」
手渡された手鏡を眺めれば、僕は待っている二人に見せたくなってきた。
―タロウとはここで別れて、僕は二人が待っているいつもの場所へと直行した。ー
※コメントは最大1000文字、10回まで送信できます