船頭さんのお誕生日前の準備として二人のss書いてました
パンダヒーロー(二十四番ss)
「桜井~」
「あ?‥あぁ、ありがとうございます」
相手が持っている片手には金属バット。貰い受けたのはオピウム。
最近はこれにハマっているかもしれない。
くちゃくちゃとガムを噛みながらかったるそうにしているこの男こそここら辺では有名な麻薬の密売人。
嫌われ者でもあるし、望まれている存在でもある男。俺はどっちかと言えばこういう男を望んでいるのかもしれないけど。いや、居てくれた方が有難い。
詐欺師の仲間達とこんな事をしながらイケナイ事に手を出している俺達。ま、俺はガキの頃から身体が欲しがってしょーがないんだよ。でもそれを一応コントロール出来る力は身につけてある。クスリに手出したら人生終わりってのも本当だしな。だから無闇にやらない方がいい。俺は少し特別な体質なだけだ。
白黒曖昧なヒーロー。
俺にとってはヒーロー。麻薬なんてダメなものを売り散らかして人々をどん底まで落とす張本人。だけど欲している人からすれば彼はヒーロー。
ケーサツもこんなものでは取り締まらない。違う、役に立たないだけかな。
だってそういう奴ら程檻の中で売り散らかしているんだし。笑えるよ、そういう実情を目にするとね。
狂ったラリったイカれた目を纏わせながら、街中を徘徊していく。今日もクスリが足りない足りないと騒ぎ立ててるおバカさん達の元へ目指しながら。
そんな俺もおバカさんの内の一人だけどね。
「二十四番ってさ‥」
「何、」
「この島へ来た時にクスリ持ってたんだっけ?」
「‥‥高見沢から聞いたんだろ?」
「どうやって持ち出した?」
「腹の中に閉じ込めておいただけ」
「人間ポンプ?」
難しい顔をしながら俺を見てくる船頭の目がムカつく。しかし船頭からしたら俺のコイツをバカにしたような目がムカつくのだろう。
ま、高見沢よりかはマシな目つきしてる筈だろうけど。
「そんなもんやっててよく死なないな」
「船頭さんもやってみる?」
「ふざけんな。冗談でもやめろ。俺はお前らとは違う」
「一緒だよ」
「は?」
「同じ人間じゃないか」
「お前と俺が?同じ人間にされる筋合いはないんだが」
罪を犯した者とそうでない者。どう違うのだろうか。
あぁ、確かに異常なのかもしれないね。異常な事を平気で出来てしまう人間が世の中にこんなに沢山溢れかえっている。
大概の人は自分を保っている。自我を忘れない。けれど俺らみたいな異常者は抑制心を知らないのかもな。
狂った頭でやり直そうとしてももう二度と戻れない者だけがこの島へと連れて来られるのだろう。裁判すらされない哀れな異常者達は今日もここに運ばれ誰も知らない場所で息を引き取る。
あのパンダヒーローと呼ばれた男がこの島へ来るとはな。
☣
最初は坂崎さんをパンダヒーローにして話を書こうとしたけど、ここのクスリ中毒といえば二十四番だからこっちにしてみた
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