Roar to freedom(自由への咆哮)
ーー‥かーごめかーごめ
かーごの中の鳥は いーついーつ出やる
夜明けの晩に 鶴と亀がすーべった
後ろの正面‥だぁれ?‥ーー
「‥‥。」
「社長、如何なされましたか?」
ぼうっと椅子に座りながら外の景色を眺めていた俺に、いつも隣に居る一番信用の出来る奴が俺の事を心配してくれていた。
こんなだだっ広い社長室で男同士二人きり。でもいいんだ。コイツは俺が一番信頼している男なんだから。
ふと一度だけ目を閉ざし、小さく溜め息をついてみせた俺に再び「社長?」と声をかけてくれるので「考え事してただけだ」と返しておく。まぁ、大した考え事じゃないんだけど‥さ。
「あまり顔色が良くないように見えますが」
「‥‥ちょっと昔の事思い出してただけだよ。お前が心配するような程でもない」
「何を偉そうな事を。貴方が昔の事を思い出していたなんて‥それは只事ではないって意味ですよね。不気味です」
「‥‥そうだろうな。俺もそう思う」
デスクに置いてあるさほど大きくもなく小さくもなく‥いわばどこにでも売ってるような写真立てを手に取り、俺はその写真の中に写っている人物に目を落としてみせる。
この時くらいだろうか、俺が“普通”の目に戻るのは。自覚くらいしている。鏡を見ていれば自分の目が狂気に満ちている事なんて、とっくの昔に気付いてた。
写真立ての中の人物をジッと見つめていると、棚瀬が「会いたいのですか?」と聞いてくるので「当たり前だろ」と即答してみる。
だけど‥もう会えない。俺の前から消えてしまったんだから‥
会いたくても会えないんだ。
「‥っ!」
誰のせいでこんな目に遭わなきゃならなかったんだ。誰のせいでなんて‥答えはたった一つしかないじゃねぇか。
ギリッと奥歯を噛み締め、元の目の色に戻してみせる。ドス黒く濁ったこの狂ったような目に。
カタッ、と写真立てをデスクに伏せて置く。
ゴメンな‥。だけど謝ったって俺の声なんかお前には届かない。
そして脳裏に浮かんできたもう一人の人間。
コイツが‥コイツが俺の全てを‥‥
俺をこんな風にさせたんだから‥今回こそはキチンと俺の満足のいくような結果を出してくれるよなぁ?
「棚瀬」
「ゲームの準備は既に整っております」
「なら奴隷たちを全員集めろ。もうすぐゲームを開始する」
「社長‥」
「大丈夫だから。お前が心配する必要はないって言ってあんだろ」
「‥‥はい」
棚瀬のその言葉に安堵を覚え、俺は椅子から立ち上がるとこの社長室から出て行くだけ。後ろからは棚瀬が付いてくる足音。
さぁ‥久しぶりにこの俺様を楽しませてくれよ、奴隷ちゃん達。
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