Roar to freedom(自由への咆哮) - 3/28

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暗い世界から出られないでいるのは当たり前だった。

 

坂崎と相変わらず二人きりの部屋という名の牢獄で生活‥と呼べるのかも怪しい時を過ごしているだけ。坂崎は時々俺の話し相手をしてくれるようにはなったが、俺の欲しい情報が手に入る事は見当たらないまま。

どうしてコイツはこんなにまでなってあの男に逆らわないのか‥。今の俺には分からない‥ていうか分かりたくもないけど。

 

あーぁ‥白い光が見たいよ。

この身体が使い物にならなくなる前に何としてでも手を打ちたい。奴隷のような惨めな生き方なんて真っ平御免だ。

 

ヂャリ‥と鳴る枷の音が俺は大嫌い。こんなもの、いつか絶対に取り除いてやる。そう思えば思う程外に出られる近道から遠く離れていってるような気がした。強く願うのはいい‥が、それをいつまで経っても実行に移せずにいる自分が本当に情けなくて憎い。

奴が目の前に現れると決まって俺の身体は拒否反応を起こし、あまつさえは震えが止まらなくなってしまう状態。こんなんでアイツから自由を勝ち取ろうなんて片腹痛いよな‥

 

だけどもうこれ以上は限界なんだ。

誰か俺を助けてくれ‥‥

 

「‥!?」

 

コツ、コツコツと鳴り響く足音が耳に届いてくる。たったそれだけで俺の身体は早速ビクッと震え上がり、ガタガタと怯え縮こまる始末。

アイツが来ると思うと吐き気にも襲われるようになってきたこの弱い精神力を何とかしてくれ。

体操座りになり、膝に顔を埋め込み視界を真っ暗にさせていると足音は俺たちの牢の前でピタリと止まってしまった。‥‥嫌だ。どっか行ってくれ。

 

「社長がお呼びだ。すぐに出ろ」

「‥‥?」

 

あ、れ?アイツの声じゃない‥?

そっと顔を上げて声の主を確認してみると、牢の前に立っているのはいつもアイツの隣に居る男だった。確か名前は‥たな、せ?だったっけな。あんまり覚えてない。毎回それどころじゃないからな。

ガチャン、と錠が開く音と共に立ち上がる坂崎。俺も‥行かなきゃダメなんだよな‥コレって。つーか何が始まる?今までこんなパターンはなかった筈だ。

 

「早く立て貴様」

「くっ‥!」

 

鎖を引っ張り上げられてしまえば強制的に立ち上がるしかなかったので、ここはひとまず大人しく従っていよう。隙を見て逃げ切れる可能性だってなくはない。

牢から出され、男が俺と坂崎の首に繋がっている鎖を握りしめたままどこかへと連れて行かれる。チラリと坂崎の方へ視線を落としてみせるも、いつもと変わらず死んだようなツラがあるだけ。

 

これから何が起こる‥?

暫く歩かされていると、とある一つの部屋みたいな所へと案内された。男が扉を開け放つと、そこの薄暗い部屋の中にはここで無理やり働かされている人たちの集まりだった。

 

一瞬「え‥?」と思うも、男はそこに居ろと命令してくるのでここで待つしかないようだ。しかし何故こんなにも集まっている?何十‥いや、軽く百人くらいは居るだろう。みんなも何も分かっていない様子で、ザワザワと騒がしい。

 

「‥一体何が」

「ゲームだよ。ゲーム」

隣に居た坂崎が突然答え出す。

 

「ゲームって‥この前お前が言ってた殺し合いの?」

「あぁ。人数が集まったから始めるつもりなんだろう」

「冗談じゃなかったのかよ、その話‥」

「俺が冗談言えるような奴に見えるか?」

「いや‥、すまん」

 

そんなコワイ目でこっち見るなよ。

俺が謝ったのを聞いて気が済んだのか、坂崎はまたいつもの如く黙り込んでしまった。コイツの事がイマイチ把握出来ない。

小首を傾げ、こんなムダに広い空間で数分間待たされていると、突然後ろの扉が開いたかと思えば何人もの黒いスーツとサングラスをかけた屈強な男たちが入って来たではないか。

 

「‥!」

不振がっている俺たちに、そのスーツ軍団に囲まれて守られてるかのように佇んでいるのは、俺がこの世で一番嫌いな奴がいる。クソっ、こんな男たちが周りに居たら指一本すら触れられねぇ。それに加え邪魔な手枷も嵌っているんだ、どうこう出来る相手じゃないって事か。

そして奴は、ここに集められた俺たち全員に向かってこう告げた。

 

「いいか貴様ら!これからお前たちにはゲームを始めて貰う!」

どよっとざわめき出す後ろ。いきなり何を言い出すんだ、と言いたげな声色と不安気な表情が窺えた。だが、そんな俺たちなんか気にする事もなく話は進んでいく。

 

「これから半分ずつに分かれてチームになって貰おうか。それが終わり次第、各々二人一組になれ。いいか、そしてゲームの内容だが至って単純。

君たちには相手チームの奴らを殺し合って貰おうじゃないか」

 

そのセリフでより一層ざわめき出すみんな。口々に「殺し合い!?」「なんでそんな事を‥!」と絶望しきっている様子が見られる。しかし、奴が「このゲームに参加し、優秀な成績を収めた者には褒美をやろう」という言葉で、周りは一瞬にして静まり返る。俺も含め坂崎以外のみんなは奴の次のセリフを待ち構え、息を呑む。

 

‥まさか。

 

「勝った方のチーム、上位五組はこの俺様との契約を打ち切る約束をしよう。契約書も目の前で破り捨ててやる。

‥‥その選ばれた五組だけがここの地下から出て、自由の身となれ」

「‥‥。」

 

本当に‥‥

自由になれるのか‥?

 

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