桜井にちゃんと伝えなきゃって思えば思うほど言葉が上手く出てこない。
こんなんじゃ桜井も困るだろう、って思うんだけど。
こういう気持ちをどう伝えたら良いものか。
自分から誰かに伝えた事がないから全然わからない。
「桜井が居なくなるのは…考えられない。側に居てくれ」
今はとにかく桜井が側にいてくれるだけでいいと思う。
それが今のオレの素直な気持ち。
桜井がいない生活なんて想像できない。
桜井の事が見れなくなって今度はオレが俯く番。
しばらく沈黙が部屋を支配する。
桜井に伝わらなかったのだろうかと不安になった頃桜井が動いた。
桜井の右手を握っていたオレの手ごと自分の方へ引き寄せる。オレはそれにつられて桜井の方へ倒れ込む。すると背中に桜井の左手がソッと手が添えられた。
「本当に、側にいていいのか?」
弱々しい桜井の声にちょっと恥ずかしかったがもう一度居て欲しい、と告げると桜井がオレの肩に顔を埋めてきた。
「ありがとう……」
桜井のホッとしたような声にうん、と返すしかできなかった。
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