罪人たちの舟~Cerry blooms~ - 48/49

桜井の腕がオレの下腹部へと這い寄っていき、そこでグイと脱がされた下着はあっという間に外されてしまえば、今まで誰も受け入れて来なかった秘密の箇所に彼のゴツゴツとした太い指が滑っていく。

この感覚だけでも全身はゾクゾクッと身震いしてしまい、これほどまでに感じた事が他になかった為身体が困惑しているようにも思える。キスをされ、胸を攻められただけでここまで気持ちよくなれるなんて思ってもみなかったから。

 

オレは今まで本当の“恋”というものをした覚えがなかった。しかし、今目の前にいるこの罪人にオレは‥認めたくないけれど心から惚れてしまっている。罪人なんかを好きになる訳がない、そう思い続けていたのにやっぱり自分の気持ちは最終的に騙せなくなるもの。

 

触れるだけで心地よく、桜井の魅惑的な声すらで頭がおかしくなりそうな耳。そこからまた全身に行き渡る熱がさっきから止められないでいる。

もうとっくに自分がおかしくなっているのには気付いていたのも事実。

 

「もうこんなに濡れてる‥」

「ひゃう‥っ!」

 

秘裂を優しく割って入ってくる桜井の指先。グチュグチュとどれだけ濡れているのかを確認した後、その愛液を指に絡みつかせては秘部全体にヌルヌルと塗りたくっていく行為。もうそれだけで身体は快楽に打ちひしがれている。

 

そして充血した小さな突起にツツ、とかすかに触れた指先のせいでヒクンッと飛び跳ねる身体。その反応を見た桜井が意地悪そうな顔をして「やっぱここがいい?」と聞いてくる。

 

「あっ‥はァっ‥!」

 

コクコクと頷き、桜井に触って欲しいと目で懇願すれば彼はニコッと微笑みながら唐突にキュッと摘みかかってきた。急に下から襲い来る何とも言えない疼きに「あぁッ‥!」とまたもや溢れてしまう狂ったかのような声。

本当に心から好きな相手ならこんなにも胸が締め付けられる。むしろ自分の口から「触って欲しい」だなんて今まで言った事がなかった分、どうしたんだオレは?という思いがあるけれど、それよりも前に桜井を求めてしまっている卑怯な気持ち。

 

待たせて悪かったと思っている。好きになるという感情がこの歳になっても曖昧なままだったオレを許して欲しい。

だけど‥、もうオレは桜井といつまでも一緒だ。本気で桜井が好きだ。愛してる、大好きだから。

 

「やっ!ぁあッ‥!」

「もっと啼いて、幸桜」

「さくっ‥らぃ‥ッ、ひぅ‥!」

「可愛い声してる‥」

 

ぐりぐりと軽く押し潰されるかのような感覚で桜井はその小さな突起部分を執拗に可愛がってくれる。だけど‥ダメっ、気持ちよすぎるよ‥!

自然とうねる腰つきに、それを見ていた桜井が「物欲しそうにしちゃってさ‥」なんて呟いてくる声だけで頭がおかしくなりそう。

 

ふいにきゅっ、と摘まれた突起。そのたった一度だけで全身にビリリッとした何かが行き渡っていく。でもまだまだ足りない。もっと欲しい。桜井の手でおかしくさせて欲しい。

 

「ふわぁああ!やっ‥!」

「‥エロ」

 

上にいる桜井に思わずしがみついていた両腕に段々と力が増していく。背中に回していた手に彼が着ている服に皺を作らせ、そこでまた甘いキスを落とされてしまえばどうにかなりそうだった。

止まらない彼の指の動き。グニグニと似たような触り方を続けているだけじゃ物足りない、なんて次第に考えるようになる頭。煩悩に支配されたと言ってもいいだろうこのズルい思考は、理性なんかとっくに失っている。

 

腰元に溜まっている小さな期待。それがいつ解き放たれるのかがコワイけれど、オレはそれを待ち侘びているのだろうか?

いや‥きっと待ち侘びている。もう分かってる、自分に嘘がつけない身体になってしまっている事なんて。

 

いつまで経ってもそれ以上の事をして来ない桜井に痺れを切らしてしまったオレは、またもや自分から「指が‥欲しい‥っ」なんてねだってしまう。そして桜井もまるでこのセリフを待っていたと言わんばかりの笑顔で「随分我慢してて偉いよ幸桜は」と、余裕ぶっている表情。

急にSになりだして‥きたな。

 

「じゃあまずは一本だけね」

「えっ‥?あっ!やぁあッ!」

「指だけでここまで感じてくれるなんて嬉しいよ」

 

急に侵入してきた桜井の指は、何も戸惑う事なくオレの中へと入っていくし、それをすんなり受け入れてしまっている自分にも恥ずかしさが込み上げてくる。

クチュ、と卑猥な音が聞こえてきただけで再び顔が真っ赤になってしまう。それを桜井に悟られたくなくて、フイと顔を横に逸らしてしまったけれど、その行為が仇となって「恥かしいんだ?」と問われる始末。

くそ‥調子のってる、コイツ。

 

「ほら聞こえるよ、幸桜のいやらしい音が」

「やだっ‥!ダメ、桜井‥!」

「でも自分から入れて欲しいって言ったんでしょ?」

「それは‥っ、ぁあッ!」

 

愛おしい彼の指がオレの中に‥‥

そう思うだけでまたもや恥ずかしさが込み上げてきてしまう。オマケにグチュグチュと部屋に響き渡るこの音をどうにかしてしまいたい。

 

だけど、彼の優しい手つきに翻弄されてしまえば次第に頭は恥ずかしさより“もっと欲しい”という考えに再び切り替わる。慣れたような指で、お腹側をコツコツと叩いてるかのような仕草。何かを探しているようにも思えるこの行為が役に立つ時。

とある箇所を触れられた途端、自分の身体が今までとは一際違うヒクンとした動きを示す。

 

するとニヤリと怪しく笑う桜井が「ここか‥」と呟いた次の瞬間、指を二本に増やしたかと思うと、そこの部分を何度も何度も押し付けるように指を当てがってくる桜井。

 

「ひゃあアッ!!」

「いい啼き声だね、幸桜」

 

なん‥なのコレっ!?

 

腰元に留まっていた何かが次第に大きさを膨らませていく感覚。桜井の指が抉るように中を掻き乱してしまえば、より一層息遣いも荒くなってしまうもの。

ヒリヒリと熱く火照る身体が叫び声を上げているかのように、内から溢れ出る情欲が抑えきれない狂った身体は何度も腰をくねらせ、桜井の指によがっている。乱れた思考と甘い欲望。

 

そしていつの間にか視界は涙で滲み始め、彼の顔が確認出来なくなってしまうくらいになっていた。

 

「幸桜の涙目もそそるよ」

「やだァアッ!さく‥らい、あぁあッ!」

「イきたい?」

「イき、たい‥ですっ!」

「ちゃんと言えたね、いい子だ」

 

 

指の動きを休めないまま桜井はオレに口付けをせがんでくる。躊躇なく舌を入れてきてはオレの口内をドロドロに溶かしていく彼の舌を追いかけるけど、下半身から襲い来る“何か”も加えられてしまえば、もう頭はそれだけで白く霞みかけていた。

「ふぅっ!んン、ん‥!ふぁあッ!」

「イっていいよ」

「やっ‥!」

 

そう囁かれた次の瞬間、腰元に留まっていたソレは大きく膨れ切っていた感覚で、突然パンっと暴発したかと思いきや一気に全身へと駆け巡っていくその正体とは、快楽だった。

 

「いやぁああぁッ!」

 

ビリリリッと、先ほどの比ではないくらいの気持ち良さに思わず出てきてしまう声が憎い。

滲んだ視界に目を固く伏せ、痺れ渡っていった快楽の通った身体は思わず力が自然と入ってしまうもので、桜井の服を強く握っていた手もピンと突っ張る足の指も‥こんなの初めての経験だ。

 

「ハァ‥、ハァっ‥!ハァ‥」

「このまま挿入れたらちょっとは痛さ和らぐかな‥?」

「え‥?」

 

ヒクッと跳ねる身体と真っ白になってしまった頭。桜井の声が上手く聞き取れない‥

 

しかし、オレの頬を包み込むように彼の片手がスルリと下りてくると桜井はまた口付けを送ってくれた。それに応えるかのように、オレも頑張って舌を絡みつかせようとするけど‥こんな単純なキスだけでもおかしくなってしまいそうだ。

 

「ふぅう‥ん!んン‥っ!」

「幸桜‥。そろそろ、いいかな?」

「‥ぅ、‥ん」

 

この桜井の質問の意味は理解している。

 

だからオレは上にいる桜井の下半身に手を伸ばしてみせると、彼のモノは我慢を重ねてしまっていたようで、生地越しからでもよく分かる程膨らんでいる。

触られた途端に彼が「っ‥」と反応をしてくれたのを見て、なんだか嬉しく思えた。

 

そして一旦起き上がり彼の服に手をかけ一つずつ脱がしていくと、そこに現れた彼の上半身を見てしまった瞬間にオレは言葉を失ってしまった。

 

「桜井‥‥」

「‥母親から貰った傷だ。いわゆる虐待ってやつかな」

「虐待‥」

 

そう。そこにあるのは無数の傷痕。

生々しいくらいにハッキリと残ってしまっていて、見ているこっちが辛くなってしまう程の痕。どうして‥オレは気付いてやれなかったんだ?いや、桜井が隠していた‥?

 

そんな彼の身体を目にしてしまえば、ギュウッと何かに心臓が掴まれる感覚に陥ってしまう。痛い‥。こんなにも胸が痛い。

 

「‥暴力を受ける毎日が嫌だったから俺は家を出て詐欺師になった。生きていく為にね」

「そう‥だったのか‥」

「だからちょっと脱ぐの嫌だったんだよな」

「桜井‥」

辛い思いをしたのはオレだけじゃなかった。

目の前にいる大切な人だって、苦しい思いをしてきたのに‥オレは気付いてやれなかった。

 

桜井は初対面だったオレの辛さを見抜いていたのに‥オレは何年も一つ屋根の下で暮らしてきた桜井の辛さに気付いてあげられないなんて。何をやっているんだ。

そう胸によぎった瞬間、「ごめん」と一言謝ろうとした口を塞がれてしまった。

 

そして開いていた口にすんなりと入っていく桜井の舌に暫く弄ばれ続け、ようやく彼の気が済んだ頃には荒くなっている息遣い。桜井‥なんで‥

 

「‥‥もう終わった事だ。幸桜は気にしないでくれ」

「で、でも‥!」

「このままだと俺のも萎えちゃうからさ‥。続き、しよ?」

「‥‥。」

 

逸らされた感は否めないが、確かに桜井の言う通りでもある。せっかくお互いに興奮も昂まり合っていたのに、このままじゃ最後までいけなくなってしまう。

それだと桜井があまりにも可哀想すぎる。‥ので、この話しは一旦置いておこう。

 

「わ、悪かった‥!じゃあ‥下、脱いでくれるか?」

「分かった」

 

ゴチャゴチャ考えてしまっていた頭を振り払い、今はこの状況に集中しなくては。

下を脱いでくれた桜井‥のモノは、まだまだ興奮を覚えてくれたまま。いきり勃つ彼のモノを初めて目にすれば、やはり羞恥心が働いてしまい、ふと視線を別の方向へ移してしまった。

 

しかし、それを分かってか桜井は「触って?」とねだってくる。お、お前‥なぁ!

 

「フェラはまた今度でいいから、幸桜の手でちょっと握って欲しい」

「な、なんでオレが‥!」

「だって、さっきのでちょっと萎えてきちゃったんだもん」

「っ‥!」

 

そんな事言われてしまえば断れないじゃないか‥!

お前わざとやってるだろ!?とツッコミたかったが、今は桜井に従っていよう。

 

なので恐る恐る彼のモノへと手を伸ばし、ソレを握ってみせると思いの外硬い。だけどやり方がよく分からない‥

見よう見まねでやわやわ握ったり、上下に擦ってみたりすると桜井が「いいよ‥そんなもんで、」と言い終えると、急にオレを押し倒してきたので思わず「ひゃっ!?」と女らしい声が出てきてしまったじゃないか。

 

「幸桜可愛い声だね、ホント」

「う、うるさい‥!」

「ツンデレなとこもそそる」

「っ~~‥!」

 

ばーか‥、

 

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