歩き続けて何日だろうか。
天使と悪魔が変わらず目的地まで案内してくれるお陰で行く場所行く場所色んな物に触れたり、出逢いが待っている。
この天使と悪魔の中には俺の親友である高見沢と坂崎の魂が宿っており、逢いたい時にはいつでも逢える‥が、時間は限られてる。しかし、中に居る時は天使と悪魔がちゃんと二人の声を俺に届けてくれるから不満はなかった。
だって‥元々二人は既にこの世に存在しないから。
背中には荷物と大分前、手に入れたギター擬きを背負っている。移動の時、重たくて面倒くさいが、俺はこのギター擬きを大切にしている。お金がないからちゃんとした本物のギターは買えないが、いつかきっと“ギター”と言えるものを買うんだ。
あの時‥、“戦場のギタリスト”を見かけなければ俺はミュージシャンになる夢を諦めていたかも知れない。天使によれば、戦場のギタリストを目にするなんて奇跡に近いらしい。
そんな世界中の戦場に出向いてる戦場のギタリストは、多くの人々の命を救う存在。
なんて格好いいんだ‥。
俺も旅をしながらあちこちで弾き語りをして、ある程度チップも貰えるようになってきた。たまに高見沢と坂崎が代わって歌ってくれる。一人の時でも充分な稼ぎだが、二人がいるとそれの何倍も貰えるのだ。
コイツらが存在しない者にならなければ今頃きっと‥‥
「桜井、」
「ん?なんだよ天使」
「旅は楽しいか?」
急な質問に一瞬ぽけっとしてしまったが、俺は「おう!」と元気よく返事をした。
「桜井は幸せ者だな。旅で沢山の人や物に出逢い、死んだ筈の大好きな親友と一緒に旅が出来て‥」
「悪魔‥。うん、そうだな。俺は幸せ者なのかも知れないな」
「改めて聞くが桜井の夢はなんだ?」
天使に再び質問され、俺は迷いなく応えた。
「立派な旅人になる事。戦場のギタリストみたいに偉大にはなれないかも知れないけど、俺も少しずつでいいからそんな人になりたい。そして次は話をしてみたい」
「いつかまた逢えるさ」
「桜井の運は俺達のお陰だからな。感謝しろよ」
二人に言われ俺は「うん」と頷いた。
大丈夫。きっとまた逢える‥。
憧れのあの人に。
Journeyman×戦場のギタリスト
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