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カラーンカラーンと鳴る鐘を見上げ私達は、新たに夫婦となった二人の幸せを心から祈る。
「‥ふぅ。ほんっとにお前だけじゃ頼りねー結婚式になるもんだな。手伝いのタロウがいないと全然進まないしよぉ」
「わ、悪かったな‥!慣れないのだから仕方ないだろう」
「でも、よく頑張ってるよ。呪われた教会だった筈が今となっちゃ、幸せにしてくれる教会だもんな。やっぱり本物の天使は違うな~!」
ンーッと伸びをするサカザキは、上げていた腕を下ろした時にわざと私の頭に当たるようバチンと叩いた。
「いたっ!何をするんだ!」
「あー、ごめんごめん。わざと」
「くそぅ‥!後で覚えておけよッ!」
言い争いをしている私達の横でサクライが呆れた顔をして大きく溜め息をついていたが、気を取り直したように話し始める。
「俺達はいつ結婚出来るのかねぇ?もしいい相手が見つかればタカミザワに祝って貰わないとな」
「そうだよ。俺もう、二十四歳だしな~。サクライは二十三だしねぇ」
「うん。タカミザワは何歳なんだよ?」
私はギクリとすると、そろりそろりと二人から離れよう試みたが後ろからガバッと捕まえられ、私が逃げ出せないよう取り押さえつけてくる。うぐぅ…!!離せっ…!
「おい、逃げんなよ!」
「何歳なんだタカミザワは!?」
「私の年齢等知らなくても生きていけるだろうっ!」
「ふーん。言わないなら俺様の女なんだから思い通りにさせて貰うぞ?」
サカザキの怪しい表情にビクついた私は思わず「言う!言う!」と声を上げてしまった。
「‥‥さ、‥三百と、二十六だ‥」
「え゛ッ‥!?」
「三百二十六歳!?」
「大声で言うなバカ者!‥‥しかし人間となった今、私はお前達とそう変わりないぞ‥」
「人生の大先輩所じゃねぇよ‥、」
「やっぱり天使は天使なんだな‥。ほぼ不死身かい」
押さえられていた体が解放されると、私は力無く「ハハハ‥」と空笑いをしつつも無意識で握っていた鐘の紐を引っ張りすぎて、ガランガランと鳴り続ける鐘を見てみんなは「‥‥。」と汗を垂らしながら私の様子を窺っていた。
「タカミザワ、鐘鳴らしすぎ」
「わぁッ!?す、すまない‥!」
慌てて鐘を止めると再びドッとこの場が笑いに包まれた。
私は笑いを届ける為にやってるのではないのだぞ‥
「ほんとタカミザワ最高!面白すぎ!」
「さ、サカザキぃ‥」
「抜けすぎだよ。あ、タカミザワ、今日もまた酒場に来るんだろ?」
「もちろん!二人と一緒にギターを弾いて歌うのが楽しいからな」
「じゃあ、夜までに来いよ。俺達はもう少ししたら帰るから」
「毎回すまんな。私がこの仕事に慣れたらお前達を使わなくて済むのだが‥」
「慣れても心配でしょうがないよ‥。多分、一生掛けてもタカミザワ一人でやらせられない」
「右に同じ」
サクライも一緒になってそんな事を言ってくる‥
ぶうっとふてくされた私を見て二人は笑い出し、悪いとも思ってない癖に「ごめんごめん!」と謝ってきた。
ぷいと顔を背けるとそこにはお祝いに来ていた小さな子供達が私に向かってこう言ってくる。
「タカミー‥、僕達も鐘鳴らしたいよ」
「え‥?そうか‥。うーん、すまぬがこの鐘は私しか鳴らせないのだよ」
「 「 「 えーッ!! 」 」 」
文句を言う子供達を見ていたサクライとサカザキが、何かを思い付いたように提案してきた。
「じゃあさ、この鐘の隣にもう一個作ろうよ」
「そうだよ。そっちはタカミザワが鳴らせない鐘にしちゃお」
またサカザキの悪戯じみた提案で私は少々疲れていたが、そういうのも悪くないかもな‥?
私は二人に頼んで“明日の鐘”の隣にもう一つ鐘を作って貰う事にした。町の職人達が時間を掛けて作った鐘に私は天界の仲間達から貰った力を使い、私だけは鳴らせないように鐘を仕上げたのだった。
この町の人々がこの鐘を鳴らす為に作ったのだから。
しかし私が少し間違えて力を使ってしまったせいで、その鐘は朝の内しか鳴らない鐘となってしまった。勿論二人に呆れられたが、町のみんなは笑って許してくれたのには救われたが‥。ハァ、何をしているのだ私は。
しかし出来上がったその日に、私はサクライとサカザキを呼び出して一番にこの鐘を鳴らして貰いたくて、彼ら二人以外にも何故かみんながここに集まってこの鐘を鳴らそうと待っていた。
どこで噂が広まったのだろうか‥
「サクライ、サカザキ‥」
「本当にいいのか?」
「俺たちが初めてで?」
「当たり前だ。さぁ、鳴らしておくれ」
私はこの鐘に付いている紐を二人に渡し、この町に“明日の鐘”意外が初めて鳴り響く瞬間を見届ける。
この鐘こそが“希望の鐘”だった。
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