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人気投票1位の話、いくぜー!

「お前‥‥!マジかよ‥」

「ど、どうしよう桜井‥!俺、一生猫のままなのかなぁ‥っ?」

やっと人間に戻れないと理解した後、俺は慌てて桜井を電話で呼び出し、駆けつけてきた桜井が今は俺の部屋に居る状況。

電話をする時はもちろん俺の言葉なんて何を言ってるかサッパリ理解していない桜井だが、俺が随分慌てたように鳴くものだから、夜遅い時間だってのにすっ飛んで来てくれたらしい。

鍵は桜井が来る前に開けておいた為、勝手に中へと入って来た桜井を目にした瞬間、思わず彼に飛びつくかのごとく‥というより飛びついたんだけどさ。

慌てていた俺をキャッチした桜井が、「な、なにっ!?」と大きな声で聞いてくるので「人間に戻れない‥!」と伝えたら彼も始めは意味が分かっていなかったらしい。まぁ、それが普通の反応ですから‥

俺だって三十分くらい訳が分からなかった。隣に居たナカノが付きっ切りで心配してくれていたけど、俺にはなんのこっちゃか分かる筈がなかった。冷静になれる奴のが逆に凄いと思う。

「だ、だからって‥どうするんだよ‥」

「どうしよう‥‥」

思い切り涙声になってしまっている俺を酷く心配してか、桜井が「戻る方法は絶対あるって‥!」と根拠のない励ましをくれる。お、俺だって戻る方法はあると思ってるよ!ていうか戻らないとダメなの!

廊下からリビングへとやって来れば、ナカノが俺達の方へと寄ってきて「コウ、大丈夫?」と声を掛けてくれた。俺にはナカノがなんて言ってるか分かるが、桜井にはただ鳴いてるようにしか聞こえていないけど。

「ナカノ‥。俺、何か変な事したっけ‥?」

「いえ、思い当たる節はないけど‥」

「なら何でだよー‥ッ!」

桜井の腕の中で嘆いていると、桜井が「お前、ピアスどこにやった?」と尋ねられたので、床に置きっぱなしになっていたピアスを指しながら彼に案内してやった。

俺を抱えたまま桜井がピアスを拾い上げると、それをジッと見つめながら何かおかしな箇所がないか調べている。どっこもおかしい所なんてなかったよ。

「あー‥‥明日仕事あるのに‥」

どん底に落ち込んでいると、桜井はピアスをポケットの中へしまい込みながら「もし戻れなかったらキャンセルするしかないだろ‥」と仕方なさそうに言う。お前、なんか他人事だなぁ‥。他人事じゃないんだぞ?

なんならお前が仕事代わりに行ってくれ、という冗談すら言う気力もないくらい気持ちが沈んでしまっているので、溜め息がさっきから何十回と漏れてしまっている。

「‥‥、」

「坂崎‥」

「‥‥。」

「‥幸之助ちゃん」

「‥‥、」

「大丈夫だって。戻るってば。俺が傍に居てやるからさ‥」

「‥‥。」

「力になるよ?人間にならないといけないんでしょ?猫のままでもいいの?」

ピクッと耳が反応した。

今桜井、なんて‥‥

「‥‥猫の‥まま?」

も、もしかしたらっ‥‥

ハッとした顔になれば、それに気付いたと思われるナカノと顔を見合わせる。

さっきナカノと会話した中で、俺は「猫のままでもいいかな~」なんて口にしてしまっているではないか。

ま、まさかその冗談が‥‥?

「‥いや、そんな訳‥」

「コウ、今更なんだけど‥そのピアスはどこで手に入れたの?」

「ピアスは‥通りがかったこじんまりとした店で買ったんだ‥。たまたまその道通ったからどの店だったか覚えてなくて‥」

「そう‥。私達ももっと早く疑問に思うべきだったわ。貴方が猫になれる事に浮かれていて、何故猫になれたのか‥という思考が衰えてしまっていたのね」

「ナカノ達のせいなんかじゃない‥!」

「ありがとう。でも、そのピアスをどうにかしなければいけないわね。‥情報収集しましょう」

「どうやって!?」

「仲間が居るじゃない」

「‥誰か知ってる猫が居るのか?だとしたら俺が猫になったあの時、気付く筈だろ?」

「なら外へ出て手当たり次第聞いてみるって手もあるわ」

「それはダメだ!危険な目に遭わせたくない‥、二度と」

この間の悪夢が蘇る。

俺とナカノの会話を「?」となりながら聞いていた桜井がようやく「‥で?どうなったの?」と口出してくるので、俺は取り敢えずナカノとの会話をストップさせた。

「‥猫達にピアスの事を聞いてみる」

「なら何の喧嘩してたの?」

「ナカノが外へ出て、野良猫達に話を聞くって‥」

「だったら俺が外へ行こうか?その猫連れて、見張っていればいいんだよね?」

「でも‥っ!」

「坂崎、お前は今何を最優先させるか分からない程バカじゃないだろ?」

「‥‥そう、だけど」

チラッとナカノを見やると、彼女はコクンと頷く。

‥‥任せてもいいのか?

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