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ナカノの面倒を桜井が見る事になり、一人と一匹はこれから外へ出てピアスの情報収集をする所‥なんだが、俺をここにヒトリ残しておくのも心配らしいので、先程桜井が高見沢を呼び出してくれた。

呼び出された本人は家で仕事をしていたらしいが、その仕事を俺の家でやっても構わないからとにかくこっちへ来てくれと説得してみた結果、渋々了承してくれたようだ。

締め切りが近くて焦ってるようなので、本当は邪魔しちゃ悪いってのは分かってるんだけどさ‥。俺が人間に戻れないのがもっといけない訳であって‥‥

あぁ、二人に迷惑しか掛けてない気がする‥

そしてインターフォンが鳴り、俺達はその音に反応すると玄関の方からは聞きなれた男の声が響いてきた。

絶対怒られる‥

「おい坂崎ッ!」なんてデカい声が部屋の中まで入ってくると、少しだけビクッとしている自分の体。

「や、やぁ高見沢‥」

「呑気に挨拶なんてしてる場合か!お前猫になるのはいいが、人に迷惑なんかかけるなよ!!」

「俺だってこうなりたくてずっと猫のままじゃないんだ!」

「そんなもの知ってるよ!‥っとにさぁ、いい加減にしろよな」

ブツブツ文句を言う高見沢から本気の説教を喰らい、どう返していいのか迷っているとナカノが気を遣ってくれて「コウのせいじゃない」と言い切ってくれた。

俺を抱えてくれていた桜井は何も言わずに俺の頭を撫でてくれて、その行為が今は逆に辛かった。

やだなぁ‥。こんなに機嫌悪い高見沢と一緒に居るのも気まずいし。

そんな本人は俺の気も知らずに、持ってきた鞄の中からMacを取り出して、テーブルを陣取ってはさっそく作業に取り掛かってしまっていた。「楽曲提供するんだからこの時間で仕上げようと思ってたのにさ‥」とわざと聞こえるよう嫌味な言い方で呟く。

「‥高見沢、坂崎の事頼んだぞ?」

「言っとくが俺は何も手伝わないからな」

「少しくらいいいじゃないか‥」

「‥‥話を聞いた限りじゃ、坂崎本人が訳の分からない願望を口にしたせいでこんな事態になったんだろ?なら自己責任じゃん」

「お前、なんでそこまで機嫌が‥」

そう言いかけた桜井をキッと軽く睨みつけた高見沢が「機嫌も悪くなるさ」と言葉を遮る。

「一瞬でも俺たちと音楽やっていけなくていいって思ったんだろ?」

「それは‥」

桜井も黙ってしまい、俺を庇ってくれようとしていたけれど‥そんな事言われちゃあ返す言葉がない。

だけど俺はそんな気持ちがあって言った訳じゃないのに。けど、高見沢の言う通りなのかもしれない。俺の軽はずみな発言でこうなってしまった可能性は高いんだから、何を言い訳したって今の彼には無意味なのだろう。

「ごめん、高見沢‥」

「謝るんだったらサッサと人間に戻る方法を探せ」

「‥‥。」

その一言で桜井が「じゃあ‥行って来るから」とだけ告げて、俺を置いてからナカノと玄関の方へ駆け出してしまった。

高見沢とフタリだけって‥どうしよう。

...

あの二人を置いてきても大丈夫だったかな‥と内心不安に思いながら、ナカノと外へ出ようとすると、どこからやって来たのかもう二匹の猫が一緒に外へ出て行こうとしていた。

確か‥ドングリと、シッポナだっけな?

いいのかな?と感じ、戸惑っているとナカノが何か二匹に喋りかけている様子だ。何を言ってるか分からないけど、大体の察しはつく。

「ナカノねーちゃん!俺も行くよ!」

「連れて行って!コウの為なら何だってする!」

「貴方達‥!いつからっ?」

「ナカノねーちゃんが戻ってくるの遅いからさ‥コウと何やってるんだろうなーって覗いたら‥」

「コウ、人間に戻れなくなってしまったの?サカザキさんに戻れないの?」

「‥えぇ。だから今からピアスについて詳しく知ってる子が居ないか捜すのだけど‥、貴方達は戻っていなさい!サクライさんにも迷惑でしょ?」

「でも行くって決めたんだ!」

「コウが困ってるのに助けない訳がないでしょ!」

「あっ、コラ!待ちなさい!」

「うおっ?行っちまったぞ‥ッ?」

素速い速度で外へと出て行ってしまった二匹を慌ててナカノと追いかけると、携帯にメールの着信音が鳴り響いた。

「ん?」と思い、携帯を見ながら猫達を追っていると、届けてきたのは高見沢からであった。

「‥!」

差出:高見沢
Re :

早く情報見つけて坂崎を元に戻すぞ。

俺は怒ってる訳ではないからな?少し坂崎に反省して貰わないといけないので、わざと冷たくしているだけ。

俺が坂崎見てるから心配するな。出来る限りの事も手伝う。だから坂崎を絶対元に戻そう。

「‥あいつ」

しっかり心配してるんじゃねーかよ。脅かすんじゃない、バカ野郎。

フッ‥とこぼれる一瞬の笑みをしまいこみ、俺は猫達をひたすら追いかけて行った。

あぁ、必ず元に戻そう。

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