オレの今日の仕事は夜中の見張りだからまだ昼過ぎだがベッドの上に寝転がっている。
さっきまで桜井たちが昼ごはんを食べに帰ってきていて賑やかだったが今はすごく静かだ。
夜通し起きていなきゃいけないから今は少しでも体を休めておかなきゃ辛くなるのは分かってるのに静かすぎて全然休めないなんて。
あいつらが来るまではこれが普通だったはずなのにそれが寂しいと感じてしまう。
ひとりでも平気だったのに。
オレもずいぶん弱くなったものだ。
目を瞑るとまた桜井の夢を見そうで。それも嫌だからただゴロゴロしてるんだが……
昔のオレなら絶対に一緒には居れないタイプの人間だった桜井たちが側に居ることを当たり前だと思ってしまっている自分がいる。
マモン様が助けて下さったからには多分、何事もなければオレより先に桜井が死んでしまうことはないだろう。
ずっと一緒。
なんかそれも変な感じがする。
目の前で兄を殺された。その時の犯人を一生、許すことはできない。
あの頃のオレにとって『罪人』は全て兄を殺した犯人と同じもの、どんな罪を犯した者でも幸せに生きていた人を傷つけた者として全てが憎む対象だった。
今は……
どうなんだろう?
この島で罪人と暮らしてきてちょっとは変わったのかな?
自分ではよく分からないんだけどたまに実家に帰ると親は少し変わったんじゃないか?って言う時があるから。
事件の後は自分も周りも触ったら傷つけそうな空気を纏っていたが多少和らいだ感じがするらしい。
だとしたらきっと一緒に住む罪人たちのせいだろう。
罪を犯した人でも兄を殺した奴みたいに絶対に許せない奴だけじゃなく72番みたいに悲しい罪人もいるって知ったから。
本人にそう言ったらきっと怒られるだろうから言わない。同情されるのは嫌だって言ってたし。
桜井はどうなんだろう。
あんまり過去の話はしたがらない。
聞いてみたことはあるが露骨に話を反らされた。
桜井の過去をオレは知らない。
話をしても良いと思えるほど信用してもらえてないのか?
船頭と罪人。
やっぱり相容れない立場なのか。
改めてそう気づいたらなぜか悲しくなった。
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