幸桜が目の前で複雑な顔をしている。
聞いてはいけない事だったのだろうか。
黙り込んでしまった相手に呼び掛けてみればビクッと体を揺らし目の前に俺が居ることに今気づいたように目を見張りなぜかみるみるうちに顔を真っ赤にしてしまった。
どうすれば良いのか考えあぐねているうちに意を決したように幸桜が顔を上げた。
「最近、桜井の事が気になって仕方なかった。夢の中まで出てくるし現実では離れずに付いてくるし。挙げ句オレから離れるとかワケわからないこと言い出すし。……二度とオレから離れるなんて言うなよ。オレは桜井の事が……72番より大切だ‼」
叫ぶように言いきって俺から目を反らした。
……すごく微妙な気持ちになったんですが。
でも、これって。
幸桜の精一杯の『告白』と取っていいんだろうか。
幸桜を引き寄せて抱きしめてみれば抵抗せずに腕の中に収まってくれた。
そしてためらいながら俺の背中に腕を回してきた。
俺は初めて求めていた人から抱きしめられた幸せを噛みしめた。
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