「本当に大丈夫」
そう言いきる幸桜の顔色はまだ悪い気がするが表情は悪くない。
まあ、本当だって事にしておこう。
しかし。
夢とは言え幸桜の中で高見沢がしたことがこんなにもリアルに残ってるとかイヤだな。
……俺、まだキスすらしてないのに。
「もう少しこのままでいてもいいか?」
邪な事を考えていると幸桜が再び俺に抱きついてきた。
昨日までの俺たちの関係を思えばこれだけでも奇跡なんだが、なんだか面白くない。
「……やっぱり桜井なら大丈夫だ」
「何が『やっぱり』なんだ?」
聞けば言いにくそうに口を開く。
「72番の夢はものすごく嫌で」
今も思い出したのか身震いした。
「夢の中で桜井に抱きしめられたり……頬にキスされたりした時は恥ずかしいけど嫌じゃなかった」
ああ。
夢の中の俺にも嫉妬しそうだ。
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