人魚シリーズな三人でカンタレラ。今回は曲のイメージに近い感じに
(際どいシーンあります)
繋いだ汗の香りで侵されそうだ‥
サクライがまた何かに凄く落ち込んでいるようだ。でも、今回は理由を喋ってくれなかった。だけど僕は深く追求せずに、彼の言われるがまま二人でベッドに潜り込んで寝ていた所。
部屋が暑いのか、それとも二人でベッドの中に居るせいなのか分からないけど、とても体が暑い。じわりと滲む汗を拭い取る事も出来ない今の状況。サクライがさっきから僕に抱きついて離さないのだ。
ちょっぴり痛さが伝わる程度の力でも、この手で僕は壊されてしまうんじゃないかって思う程で‥、あと少し力を入れられたら僕は固まった砂が握り潰された時のように、サラサラと崩れ落ちるかのような脆い存在な気がしてきた。
今日が人間になる日で良かった‥。ずっとサクライの傍に居てやれる。彼を慰めてやれる。
僕の腕の中で顔を埋めるサクライは、さっきから何も話さないし、何もしてこなかった。彼の頭を優しく包む僕の腕は、シャワーで流しきれなかった潮の香りが僅かに残っていた。
サクライも暑いのだろうか。つうっと首筋に流れる汗がヤケに色っぽく、何を思ったのか僕はサクライの首筋に口を近付け、その流れた汗を舐めとった。
すると、「‥ッ」と小さく反応するサクライの体がピクッと跳ねた。しかし、それだけで終わってしまい、それからサクライが動く事はなかった。
気付いた時には既に朝になっており、隣に居たサクライはこの部屋に何処にも居なかった。
起き上がってベッドから体を立たせようとした時だった。ガチャ、とドアが開く音がしたからサクライかと思いきや、そこにはサカザキが立っていた。
こっちに近付いてくるサカザキは、僕をベッドに戻して座らせると、後ろからギュッと抱き締めてきた。訳が分からず困っていると、サカザキは「お前を鎖で繋ぎ止めたい」と口にした。
“‥‥?”
「サクライと二人きりにするのほんとは嫌だった。でも、アイツ‥すげぇ落ち込んでたからさ。慰めてやれるのはやっぱりタカミザワしか居ないんだよね」
“何があったの?”
首を傾げれば、サカザキは僕の言いたい事をわかってくれたらしく、「あぁ‥」と呟いた。
「昨日、サクライの両親の命日だったんだよね」
“‥!?”
「この時期になるとアイツ、いつもこうなんだ。流石のタカミザワでも慰めきれなかったか」
そんな‥
「可哀想なんだよ‥。あんなサクライ、見たくないんだ」
僕も‥見たくないな。
サクライには笑顔でいて欲しいから‥
それが出来るようになるのはいつの話?
きっと何年も後の話になるだろう。いや、治らない可能性だってなくはないんだ。じゃあ、どうすればいいの?今の僕にはどうする事も出来ないのかな?
無力な僕‥
考え事をしていた僕にサカザキは、いきなり「ソフィア‥」と呼んできた。
その名前で呼ばれると、僕は女になったんじゃないかって‥そう感じるようになる。そしてサカザキは僕を女として見ているんじゃないかって‥。
あり得ないだろうけど、そんな感覚にさえ陥ってしまう。
僕達三人は、何とも言えない恋心にも似たような感情を持ってしまっている。それを相手に隠して、近付いて、そしてまた心は二人に惹かれてしまう。
もう、この病気は治らないのだろうか?
心に焼け付くような想い。その罠に引っ掛かって逃げ出せないのは誰?
耳許に感じるサカザキの吐息がくすぐったくて、顔を逸らしたけど余り変わらなかった。
「お前が女だったら今すぐにでも押し倒して抱きたい。きっと、俺とサクライに翻弄されて揺れ動いて、どっちともに身体を許す‥そんな女になってた?」
“なっ‥!?“
「でも、結局は選ばないといけない。互いに汚し合った身体を全て捧げるのはどっち?もし‥、もしお前がサクライの所に行ってたら、俺は二人とも許せない。お前みたいに幸せなんて残酷なものは願えない。もしかしたら‥サクライを殺してしまうんじゃないかってくらい‥自分が狂いそうで恐い」
“サカザキ‥”
「女のが良かったのか‥男で良かったのか‥最近、分からなくなってきた」
部屋にある時計の秒針だけが異様に大きく聞こえた。耳が痛くなる。
もう、これ以上サカザキの言葉は聞きたくなかったから‥これでいい。けど‥
じゃあ、どうすれば良かったの?
僕は今のままで満足なのに。けど、サカザキが言う通り、僕が女だったら二人に振り回されて、どうにもならない関係が続くんだと思う。
救われない三角関係。言い寄られたらきっと両方に身体を許す筈だ。最低な女‥
「愛してる?」と聞かれれば「愛してる」と答え、「アイツよりも?」と聞かれたら「そうだよ」としか言えない口先と正直な身体。狂わされて堕ちて、果てて‥その一瞬だけが汚れている身体が真っ白になる瞬間。
僕は二人を選べない‥
前までは絶対サクライだと思っていたのにな、
だけど、サカザキは本気になれば一途だと気付いたからか、二人と付き合える女性が羨ましくて仕方がなかった。
“僕は‥このままでいいよ。ずっとずっと、二人と親友でいたいんだ。だから‥僕は二人の幸せを祈ってるから‥ね”
ー出ない声で僕は口を動かした。ー
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