MPⅡ 思い出・その後編 - 19/20

MP

 

ソワソワしているだけの俺と、隣ではサクライ親子がそんな俺を見てはさっきからずっとからかって来ている。なんっかムカつく。

ソワソワしていただけなのに段々イライラも追加されてきては、サクライ親子に向かって「やめろぃ!!」と叱ってみせるも、サクライの方は楽しげに「あ~、怒ってるー」なんて言ってくるだけ。子供の方は何故か真顔になってしまったが。

 

「やめろよ!俺がどれだけ緊張してるか分かってんだろ!?」

「だから緊張ほぐしてやってんじゃん」

「ほぐされてねーよ!イライラしてるんですけど!?」

 

いつまで経ってもこんなバカな調子でいる俺たちに、サクライの嫁が呆れ返った目でこっちを見てくる。それに気付いた俺とサクライだったが、特に何かあの人に反論する訳でもなく黙っているだけ。

すると、サクライの子供が「コウノスケ様」と俺を呼んでくる。この子はまぁ‥サクライの子なだけあって、すっげーいい子ではある。よく出来た父親と綺麗な母親に寵愛されて育っている最中な訳だから、サクライみたいに紳士な子になるんだろうな~なんて。

 

まだまだ子供なのに、イケメンオーラが出てきているのが何よりの証拠だろう。

 

「あ?なに?」

「僕はお兄さんになるってことでいいのですか?」

「えっ?いや、それはまた違うだろ!ん?でも年上だから兄ちゃんってのには変わりないか‥?ま、どっちにしろ可愛がってくれるよな?」

「はい!男の子でしょうか?女の子でしょうか?」

「さーな。それはこれから分かる‥」

 

と、会話をしていたところで家政婦が慌てた様子で俺たちのいる場所までやって来ると、「コウノスケ様、産まれましたよ!」と嬉しすぎる報告を渡してくれた。

 

それを聞いた途端、バッと立ち上がってはそのまま誰のことも気にせず一目散に彼女と、産まれてきてくれた新しい命がいる部屋へと駆け出して行く。

 

バンッ!とドアを思いっきり開けては、ベッドに近付いてみせるとそこに居るのは‥

 

 

「あら、コウノスケ様‥」

「お、お疲れ‥!大丈夫だったか?」

「はい、私は大丈夫ですよ。‥それに、元気な男の子が産まれてきてくれましたので」

「男の子か‥!」

 

彼女の隣でまだ可愛らしく泣いているこの子が‥俺の子かぁ‥

 

な、なんだろコレ。不思議というか、本当に俺たちに子供が産まれたと思うとホントに幸せすぎるというか‥

ふえっふえぇっ‥と泣きやまない子供に、俺はそっと手を伸ばしてみせる。そしてプニッとした柔らかくて繊細すぎるこの子の頬に触れると、夢ではなく現実なんだなっていうのが心から実感出来た瞬間でもあった。

 

そのせいか、目許からジワリと滲み出てくる涙が抑えきれなかったけれど、なんとかグッと堪えてみせる。な、泣いてられるかってんだ。

 

俺の後ろから、やっと追いついて来たサクライ家族が顔を揃えて赤ちゃんを目にしては「可愛いな~」などと感想を言い合っていた。あぁ、ホントにめちゃくちゃ可愛いな‥

サクライがよく「子供が産まれたら分かる」って言っていたのが、今よーやく理解出来たような気がした。いや、気がしたんじゃなくて理解したと断言してもいいと思うわ。

 

すると、俺の前にヒョコッと出てきたサクライジュニアが「男の子なのですね!」と目を輝かせては赤ちゃんの手を握っていた。

 

「仲良くしてくれるか?」

「もちろんです!僕、弟が欲しかったので凄く嬉しいです!今日からもうお友達です!」

「ははっ、ありがとな」

 

サクライジュニアの頭をくしゃくしゃ撫でてやると、彼もニコッと俺に微笑んできては「はいっ」と元気よく返事をしてくれる。うん、この子とだったら‥俺とサクライみたいに、いつか親友と呼べるような仲になってくれるはず。

実は俺もサクライも、俺の子が男の子だったらそういう関係になって欲しいと思っていたからだ。ま、大丈夫だよな、俺たちの子なら。

 

あ、もし女の子だったら誰にも渡すつもりなかったけど。

 

「よく頑張ったな、お前も。産んでくれてありがと」

「いえ、そんな‥。でも、私たちも幸せですね」

「そうだな。サクライたちよりちっと出遅れちまったけど、アイツら以上に幸せになってやろーぜ」

「ふふっ、そうですね」

 

寝ている彼女のおでこにチュッとキスを落とす。はぁ‥幸せだなぁ。これが家族ってもんか~。

 

ちょっと抱っこしていい?と尋ねると、彼女は了承してくれたので本当にそっと慎重に我が子を抱き上げてみせた。そしてこの子を抱えたまま、部屋と繋がっているテラスの方へ出て行くと、そこに広がる真っ青な海を眺めさせた。ま、産まれたてだからあんまり見えてないだろうけど。

それでも潮風と波の音がこの子を包んでくれる。

 

「タカミザワ。俺にもやっと子供が出来たんだ。‥すっげー可愛いよ。この子、お前に見せたかったな‥」

 

そう海に向かって呟いていると、隣には我が子を抱えたサクライがやって来ては俺と同じ方向を見つめている。

 

「もう俺たち、父親だよ。‥信じられないよな」

「いつか絶対に‥タカミザワと会ったら、この子たちを見せたい。それまで待ってろよ、タカミザワ」

 

 

二人で海に向かって呟くと、そのまま俺もサクライも海を背にして部屋の中へと戻っていった。

 

。。。

 

「わぁーー!!もうバカバカ!雲外鏡のバカッ!サカザキに子供が出来たんなら、早く見せてくれたっていいじゃんかさーー!!」

「今はまだ城の外だからムリだってば!!帰ったら見せるよ!(´ε`;)」

「うぇーーん‥!サカザキの子供、早く見たいのにぃい‥( •́ .̫ •̀, )」

 

-この後ソッコーで帰って雲外鏡にサカザキの子供映して貰ったよ–

 

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