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「ハァ‥ハァ、くっ‥。ちくしょおぉ!!」
体がこんなに重いなんて‥。
まるで足の裏に地面が引き寄せられているんじゃないかってくらい重たく、固く感じた。
額には嫌な汗が顎のラインを通ってぽたり、ぽたりと落ちていく。
ガクガク震える脚を無理やり上げてタカミザワの元に向かうが、あと数十メートルという時点で俺は絶句した。ハァハァと荒い息を整えようとするが、喉がつまって上手く呼吸も出来ないし、言葉さえも出て来なかった。
しかし一息を着いた俺は少し先にいる人物に声を掛ける。
「‥‥なんで、サクライがここに‥?さっきまで教会にいた筈じゃ‥」
「……。俺が教会にいた事をなんで知ってんの?」
「ッ‥!?」
しまったと思った時には既に遅く、俺はサクライによって眠らされてしまっていた。
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サカザキが行方不明になってから三日間が経過した。
町中の人々が彼を捜し、彼を求めていたが結局は何も出来ず終いでいた。
みんなが当たり前のように心配していたが、人一倍心配しているのはやはりサクライだった。泣いて必死でサカザキを捜していたのだが、結果は同じでどうする事も出来なかったようだ。
私もサカザキが心配で仕方なかったが、この町に詳しいわけでもないし、みんなよりも頼りないので余計な事はせずにただ仲間の天使達に祈るしかなかった。
「我が同士よ、サカザキの無事を願っていておくれ‥。はぁ‥、私の力が元に戻っていればこんな事にはならなかったものを‥何故こんなにも私は無力に成り下がってしまったのだ。自分が情けない」
天使の中で二番目に偉いだなんて、そんなもの人間界にいても意味がない。サカザキが助かるのなら私の命を差し出しても構わない。
神よ私に力を貸してくれたまえ。
「タカミザワ‥泣くなってば」
「サクライ、」
ベッドの横に座ってきたサクライは私の肩を寄せては彼の胸の中にうずめてくれた。トクンとサクライの心臓の鼓動が聞こえてくる。
人間って‥やっぱり脆くて弱いんだな。
天界にいた頃は仲間が死んだくらいでは泣きはしなかった。その程度で泣いて哀しんでいたら体も心も持たないからだ。
けれど私は人間界に落ちてから明らかに弱くなった。力がなくて弱いというのもあるけれど、一番は精神が弱くなってしまっている事が問題かもしれない。たった人間一人が居なくなっただけで私の心はこんなにも不安に覆われてしまう。
恐くて恐くて堪らないのだ。落ちたあの日から…ずっと一人になるのが恐かった。だからサクライがいなければ私は壊れていただろう。彼の体は温かい‥。どうしてこんなに人間は温かいのか。
「落ち着いた?」
「ありがとう。これじゃあまるで私が女みたいだな」
「ま、サカザキの女っていう設定になってるからしょうがない」
「でも今はサクライの女みたいになってるのだが‥」
「俺の女になる?」
「バカな!私はずっとサカザキの女という設定だ!」
「ぷははっ!やっぱタカミザワおもしれぇ!‥そうだよな、ずっとサカザキの女だよな」
「‥なんか変な事言ったか私?」
「え?あ、そう‥。君天然なんだね‥(純粋すぎる)」
「?」
サクライは一瞬固まったがまたいつもの優しくて柔らかい笑顔に戻っており、そして治り始めている翼を撫でて貰いながら、サクライは私にとある話を持ちかけてくる。
「なぁ‥。もしかしたらサカザキの場所が分かるかも知れない」
「ほ、本当か?」
「お前が“明日の鐘”を鳴らすんだ。そうしたらサカザキの居場所を救われない天使が教えてくれるんじゃないか?」
「それは誠か?」
「保証は出来ないよ。けど、あの鐘はタカミザワじゃないと鳴らせないんだ。やってくれるかッ…?」
急にガッと両肩を掴まれて、そのあまりにも必死なサクライを見て私は思わず承諾をしてしまったのだが…
いやしかし、サカザキを救う為ならなんでもする。
「私の力が役に立てるなら使ってくれ!それでサカザキが見つかるなら光栄だ」
「ありがとう、タカミザワ」
目尻に涙を溜めながらサクライは安堵の息を漏らす。だがサカザキが私の少なくなった力で見つかるのならこれ以上に嬉しい事はない。
私とサクライは早速その“明日の鐘”がある教会へと急いで駆け出すことになったのだが、治りかけていた翼を使って私はサクライを抱え上げ、あまり高くは飛べないが人間の脚よりかは速いし距離はそう遠くなかったので飛ぶ事を選ぶ。
待ってろよサカザキ。必ず捜し出してみせるからな!
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