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ずっとずっと‥サクライは俺を‥いや、タクローさんだってセキグチさんだってこの町の全員を騙してたって事だろ?
なんだよそれ‥意味がわかんねぇよ。
どうしてサクライはあんな天使なんかと連んだんだ?
「取り敢えずどうすればいい?」
(僕が守ってきた天使の羽根を君に授ける。それをタカミザワって奴に渡すんだ。そうすれば彼の力は元に戻る筈。もしかしたらタカミザワの力が元に戻ればサクライが助かるかも。…多分ね)
霧のような形をしたこの男から大きく光が飛び散り、眩しくなった目を瞑って数秒経った頃。自分の胸の前にヒラリと舞い落ちてくる純白な一枚の羽根をそっと受け取った。
この形は余りにもタカミザワの翼の羽根と似ている。これがここで死んでいった天使の最後の一枚の羽根‥?
なんとなく光り輝いてるようにも見える羽根をそっと掴めば、指の隙間からは小さな光りが漏れてくる。
綺麗すぎて俺が触れてもいいのか心配になるくらい……いや、もしかしたら俺が持ってるだけで穢れたりして。…流石にそれはないか。
「必ずタカミザワに届ける」
(頼むよ。‥それと、一つ頼んでいいかい?)
「なんだよ?」
(僕とあの天使の遺体が地下室に安置されているんだ。バカだよね‥早く燃え散らせば良かったものを。だからこんな事になってしまうんだ)
「‥‥、約束するよ。これが終わったらアンタ達を成仏させてやる」
(本来なら今すぐやって欲しい所なんだけどね‥。時間がないみたいだ。もうすぐあの天使とサクライがここを訪れてくるよ。“明日の鐘”を鳴らすのを阻止するんだ!)
「鳴ったらどうなる?」
(この町は永遠の眠りに着いてしまう。そうなる前に早く‥!)
それだけを告げた男は、煙が風にさらわれてゆらゆらと流されるように消えていった。
絶対にタカミザワへこの羽根を渡さなければ。
俺は真っ先に教会から飛び出し、町へ駆けて行こうとした時だった。タカミザワがサクライを抱えてこちらに飛んで向かって来てるじゃないか。アイツ、いつの間に飛べるように…
焦った俺は鐘がある方へ先回りしようとしたが、あちらの方が圧倒的にスピードは速く、一足先を超されてしまった。
.*・゚
ようやく辿り着いた“明日の鐘”とやらがある教会。
私は鐘がある真下に降り立ち、サクライに説明されるがままに鐘を鳴らす事になった。
「一度俺が鳴らしてみるよ」
そうサクライが言えば彼は吊された紐を手に取り、思いっ切り振ってみるが鐘の音は全くと言っていい程聞こえなかった。ちゃんと鐘の舌が内側にぶつかり合っているのに、町中に響き渡るような音色を奏でる事はない。
この鐘、やる気ないのかな?
「ほら」と手渡された紐を握った私は、鐘を鳴らそうと試みる。
「…っ、」
「…?」
しかしサクライの様子が明らかにおかしかったのに気付き、私は鐘なんてそっちのけで彼の方へと向き直ってみせた。
「どうしたサクライ?顔色が悪いぞ!」
「なんでもねぇよ…。は、早く鐘を…!」
「そんな事を言ってる場合か!自分の体を大切にしろ」
真っ青な顔をしたサクライは、ぼたぼたと大粒の汗を噴き出しながらもそれをグイと拭っており、ふらふらしている体を私が支えようとしたが、あっさりとその手を振り払われてしまうだけ。結局私はサクライに背中を押され、鐘の下へと戻された。
「サクライ‥」
「いいから‥、‥早くしろッ!!」
突然サクライから怒鳴られた私の体はビクッと跳ね上がり、慌てて鐘を鳴らそうとした時‥
「その鐘を鳴らすなぁッ!!」
いきなり現れたサカザキが私の体をドンッと思い切り突き飛ばしてきたのだ。
「さ、サカザキ…!?」
「間に合った…!!」
とても焦ってるように見えたサカザキは倒れそうな私をグイと抱き起こし、何故かサクライにも鐘にも近付けさせないよう私をあの場から引き離しては、自分の手で私を守るかのように制してくる。
サカザキが無事だったのが嬉しくて仕方なかったのだが、今はそれ所ではないようだ。
「サクライてめぇッ!絶対許さねぇぞ!!」
「‥‥何を知った」
「全部知ったさ。お前がタカミザワを狙っていた事も、あの悪霊のような天使に取り憑かれてる事も、“明日の鐘”を使ってその悪霊を復活させようとしてるのも全部全部知ってる」
「‥‥。」
「タカミザワは渡さない。お前らの思い通りにさせてたまるもんか!コイツは天界に帰す」
「何を訳の分からない事を‥。鐘を鳴らせばタカミザワは帰れるんだぞ?」
「あぁ。もしかしたら帰れるかもしれない。だがそれは“一人”だけだ。お前はタカミザワを天界に帰す気なんて一切ないんだろ?」
「そんな事‥」
喋りかけたサクライの目と私の目がバチッと合ってしまい、彼は固まってしまった。
「‥サクライ‥どういう事なのだ?」
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