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サカザキの言っている言葉が分からなかった。
サクライは私をどうしたいのだ?
天界に帰したくないって意味なのか?
「最低だね。タカミザワを助けるふりしてお前は悪霊のような天使を選んでいたなんて‥」
「サカザキに何が分かる。今まで伝説を何も信じなかった癖に、そんなお前に俺の何が分かるってんだ!?」
「はっ‥、知るわけねーだろ。俺はそんな物に興味がないから信じようが信じまいが俺の勝手じゃん」
「昔言ったじゃねぇか。本当に天使は存在するって。タカミザワが落ちるずっと前から俺は言い続けてきた」
「その天使ってのがお前に取り憑いている悪霊の事か?」
「悪霊じゃない、天使だ。‥あぁ、俺に取り憑いているこの天使を救いたくて俺はずっと願ってきた。だからタカミザワの力が戻る前にその翼を貰おうと考えていたが‥どうやら力尽くで奪うしかないようだな」
「くっ…お前…!」
サカザキが私に対して逃げろと合図してくるので慌てて背を向けて飛び立とうとしたが、やはりどうしても逃げ出せなかった。翼が鉛のように重たく広げられない。
飛べたとしてもまだ私の体力じゃそう遠くへは逃げれないし、翼だってすぐに限界が来てしまう。そうなる前に私はサクライを説得してみよう…だなんて、そんなお節介なことを思いついてしまったのだった。
「サクライ‥今の話、本当なんだな?」
「何やってんだよタカミザワ!?早く逃げろ!お願いだから逃げてくれ!‥じゃないと町のみんなが‥!!」
「ごめんサカザキ。お前の気持ちはよく分かる。しかし私はサクライを見捨てる事が出来ないのだ」
「‥っ、そんなの俺も同じだよッ!!サクライが死ぬ前にお前に力を蓄えて貰わなきゃ困るんだ!お願いだタカミザワ、言う事を聞いてくれッ!」
「サカザキ、」
唐突に振り向いてきたサカザキにいきなり手を取られ、そして掌に何かをギュッと握り締められたかと思えば私はサカザキに思い切り押されて空高くへ飛び上がるしか出来ずにいた。
「ちょっ…!サカザキッ…!?」
「いいから行けぇッ!!」
「っ……!」
サクライが恐い顔をして上空に居る私を睨み付けてくるが、それ以上の事は何もしては来ない様子だ。二人をこんな所に残しておくのは危険だと悟ってはいたが、私はさっきのサカザキの涙を見て逃げざるを得なかった。
「すまん…っ」
そして私はタクローさんの店へと逃げるように飛び去った。
「サクライ、お願いだから‥お前の体が壊れちまう。もうやめてくれ!」
「俺はこの天使に天界へ帰って貰いたい。だからタカミザワの翼を奪って天使を‥」
「そんな事より自分の心配しろよっ!!なんで分からないんだよ!?」
ドクン‥と俺の心臓が大きく体を叩く。
見た目はサクライなのにまるで別人と会話しているみたいだ。辛いし恐いし上手く息が出来なかった。嫌だ…こんなのサクライじゃないッ…!!
なぁ、サクライ‥!!
グッと涙を堪え、彼を見据えると苦しそうに胸を押さえてやっとの思いで体を支えているみたいだ。
助けたい気持ちは一杯だったけど、俺がどうにかして助けてやれるものじゃない。どうすればいい?どうにも出来ない。だけどサクライを助けたい。お前の命を捨ててまで死んだ天使を救いたいなんてふざけてること言ってんの分かんねぇのか??
一歩ずつ近付いてくるサクライに恐怖しながら俺は教会から持ってきたナイフを取り出してみせると、サクライがこのナイフを目にした瞬間「っ…!?」と反応を示し、頭を抱えながらその場でうずくまってしまった。
あの幽霊の言った通りだ‥。このナイフで天使は命を断ったから見たくもないんだ。サクライに取り憑いてる悪霊天使が苦しんでるのに違いない。
「サクライ‥お前を殺しも死なせもしない。罰はしっかり受けて貰うからな!」
それだけを言い残して俺は町に逃げたタカミザワを追い掛けた。
サクライは暫くは動けない筈だから‥
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町に降り立ち、サカザキに手渡された物を確認してみると……それは一枚の綺麗な羽根だった。
直感で天使の羽根だと理解したが、これで私に何をしろと言うのだろう。
もしかして‥この羽根で私の翼を治せというのか?
じっと考えていると、隣に子供達が何人か集まってきて一緒に遊ぼうとねだってくる。サカザキがいないのをいい事に最近ずっと遊んでやっていたのだ。
「タカミーまた飛んでよ!」
「一緒に飛びたい!抱っこしてー!」
「あ、ずりぃよお前だけー!」
困った私は「後でな」と告げたが服を引っ張られウルウルした瞳で見つめられてしまえば‥うっ、となり仕方なく子供達を抱え上げてほんの少し空を飛び立った。
それが終わると子供達を広場に置き、ばいばいと手を振ると私はその場から逃げ去るようにタクローさんの店へと向かう。
ヤバい‥
こんなことしていたらサカザキに怒られる‥!
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