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サカザキside
町に駆け出し、俺達はタカミザワを救う為にこの町一番の医者の所へ向かった。
着いたやいなやサクライはタカミザワを急いでベッドに寝かすと、暇そうにしていた医者が驚いたように「な、なんだ!?」と声を上げているが‥
「タダスケ頼む!コイツを‥タカミザワを救ってくれッ!!」
「え?タカミザワって、あの天使じゃ‥あれ?男‥?確かサカザキさんの彼女だった筈じゃ‥?」
「そんな事はどうでもいいから早くしてくれ!!ハセガワもここに居るんだろ!?タカミザワが死んじまう‥!」
もたついているタダスケに苛ついた俺は結構な声量で怒鳴ってしまった。すると奥の方からもう一人の医者であるハセガワが顔を覗かせてくる。
「どうしたんですか‥って、タカミー翼がないじゃん!?」
「翼がなくなっちまったんだよ…!心臓の部分も傷を負ってるから、いくら強い智天使でもこのままじゃ‥!」
「わ、分かりました。俺達も全力を尽くしますのでお二人は一旦ここから出て行って下さい。そしてタカミーが助かるよう祈っていて下さい」
ハセガワに言われ、俺とサクライはこの後待合い室で何時間も待たされる事となった。
俺達が走ってここへ飛び込んだのを目撃していた町の人々は、タカミザワが心配で沢山集まってきてくれたみたいだ。一緒になって神に祈るようにみんながタカミザワが助かって欲しいと心から願うしかない。
お前はこの町の人々から愛されてるんだ‥。だから死んじゃダメなんだ。ちゃんとお前を天界に帰すまで俺達が見届けなくちゃいけないんだよ!
ギュッとタカミザワの羽根を握り締め、俺は溢れる涙を堪える事が出来ずに声を押し殺して泣いていた。隣に座っているサクライも離れないんじゃないかってくらいに固く手を合わせて祈っているだけ。
「ねぇサカザキの兄ちゃん‥。タカミー死なないよね‥?」
ぐすっと鼻をすすりながら目を真っ赤に腫らした子供達が俺とサクライの前にやってきて質問をしてくるのでそれに答えてやる。
「あぁ、死なないよ。アイツは天使だよ?タカミザワって優しくて信じやすくて‥それでも心強くて自分の命も惜しまず俺とサクライを救ってくれたとっても強い奴なんだよ。そんな奴が死ぬ筈ないだろ?」
「うん‥。でも、タカミー翼がなくなっちゃったんでしょ?大丈夫なの?」
「それは‥‥、。きっと大丈夫だよ。ここにタカミザワの羽根が残ってるんだ。だから‥信じよう?」
「うん‥!」
ゴシゴシと涙を拭う子供達だが、やはりまだ不安らしく拭いた筈の涙が再び溢れ始めていた。
俺は掌に乗っている羽根に心の中で問い掛ける。
タカミザワを救ってくれるんだよな?アイツを天界に帰してやれるんだよな?
どれだけ聞いてみてもこの羽根が答えを返す筈がない…か。
隣にいるサクライの心はきっと俺以上にズタズタなんだろう。さっきから止まる事を知らない涙が彼を苦しめ、それが更にサクライを追い詰めてるようにも見えてしまった。
俯いて泣いているサクライの肩にそっと手を置けば、体が震えているのがすぐに伝わってくる。
「サクライ‥アイツは死なないよ。大丈夫だ」
「俺はタカミザワが死んだら悔やんでも悔やみ切れない‥!もしアイツが死んでしまったら‥、タカミザワが死んだら俺のせいだ!あの天使を信じていた俺がバカだった…!!もしタカミザワが死んだ時には‥俺もアイツの所へ‥」
「‥っ!?」
その言葉を聞いて俺は咄嗟にサクライの頬を思い切り殴りつけてしまっていて、この病院にバキッと痛そうな音が鳴り響くと同時にみんなは驚いたように俺達を見てくる。
今まで散々サクライを殴ってきたし、殴られてきたけど拳と心がこんなにも痛いのは生まれて初めてだ。サクライは何も言わず、ただ殴られた部分を押さえているだけだった。
「二度とそんな事口にするんじゃねぇ‥」
サクライの気持ちは痛い程分かる。出来るならば俺だってそうしたい。だけどタカミザワが死ぬだなんて考えたくはなかったから。
そんな事を思うだけで本当にアイツがどこかへ逝ってしまいそうな気がして‥‥
「‥ごめん、」
「もういいよ‥。謝るのはタカミザワに向かってからにしよう」
そんな会話を繰り広げていたら、ガチャリと扉が開く音と共に中からハセガワとタダスケが神妙な面持ちで佇んでいた。
ドクンと心臓が騒ぎ出す。
「サクライさん‥サカザキさん‥。タカミザワさんはもう‥」
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