FC! - 18/23

FC!16

トク‥、ドクッ‥と小さく鼓動が指先から伝わってくる。

‥と、感じている間に鼓動が段々と大きくなってきており、更に強く脈打っている猫の形をしているピアス。

不気味な反面、猫達の魂が俺に何かを伝えたいという雰囲気がピリリと全身に訴えかけて‥いるような気が、する。気がするだけだ、今の所。

フワァァ‥ッと美しく光りを生み出してきたピアスに、俺も勿論の事、高見沢と桜井も驚きの声をあげていたし、うちの猫達も大きく目を開いている子もいれば、俺の後ろに隠れてしまう子もいた。

た、多分大丈夫だとは思うけど‥この子達も何かを感じ取れたのだろうか?

わりと強く光るピアスを見つめているも、王様が「来るぞ‥」と何かの合図を口にしてきた。え、何が?と問いかけようとする前に、光っていたピアスがいきなり複数の光の玉を弾き出し、俺の頭の高さくらいでフワフワと浮いていた。

言葉に一瞬詰まる俺と、高見沢と桜井。猫達はみんな光の玉を見上げている。

「な‥んだ‥?」

「サカザキ、貴方の為に皆の魂達が出てきてくれたみたいだな」

「これが‥このピアスに宿っている猫の魂?」

「いかにも。やはりサカザキは気に入られてるようだな」

「気に入られてるの‥?俺が?」

「それはこの魂達に聞いてくれ」

王様の視線の先には光る複数の光‥というより、魂といった方が正しいだろう。つられて俺も浮かんでいる魂に顔を向け、少々緊張しながらも「こ、こんばんは‥」と、おかしな挨拶を交わしてみせた。

‥ていうかあちらが王様みたいに人間の言葉を喋れるのか?

疑問に思うのも束の間、話しかけた直後に「やっとお話しが出来て嬉しい」と、貫禄のある声が耳に届いた。んおっ?しゃ、喋れるんだね‥っ?

‥という事は?

「も、もしかして貴方達は‥先代の王達?」

「そうだな」

「わぁ‥。じゃあ、今まで俺の事やこの子達の事をいつも見ていた‥って意味ですよねぇ‥?」

「貴方が私達猫に対する熱い思い、しかと見届けてるぞ」

「あ、ありがとうございます‥!けど俺‥そんな、」

「中々ここまで捨てられた子達を救おうとする人間は居ないからなぁ‥。きちんと世話をして、病気がないか調べたり、見ていて安心していられるとはこの事か」

「そう‥ですか‥?」

まぁ、確かに捨てられたりしている猫達にここまでする人間は‥あんまり居ない、だろう。

でも俺だって今はお金もあるから猫達の世話だって出来ているけど、もしこの生活を送っていなかったら猫達を救うなんて出来たかどうかも怪しいし‥

胸にズクッ、と柔らかいトゲみたいなのが引っかかったせいで、一瞬顔の表情が曇ってしまった。しかし、猫の魂達がそれを読み取り、「我々は貴方のような人間だからこそ、猫に変身させる力を与えた」とフォローを入れてくれた。

王様達にフォローさせるのもなんだか申し訳ないが‥

「じゃあ‥このピアスの力が働くのって‥」

「我らが認めた人間にしか猫にさせるつもりはない」

「へぇ。なら、桜井が猫になれたのも‥」

「私達が認めている人間だからだよ」

‥だってさ、桜井。

チラ、と彼が立っている後ろに目を流してみせると、桜井はほんの少し照れながら「ありがとうございます‥」と呟いた。

「あの髭の者もお主の仲間。それに、そこにいる子達にも愛を持って接している姿やお主を人間に戻させたいという必死な気持ち。それを見ていれば誰に聞かなくとも分かる」

「えっと‥、それじゃあ‥聞きたいんですけど」

眉をひそめ、一番聞いてみたかった質問を恐る恐る問うてみる。

「なんで俺はピアスを取っても猫のままになってしまったんですか?何か理由でも?」

「あぁ、それか。‥それはな、」

「それは‥?」

ゴクッと生唾を飲み込み、真剣なその声色から放たれるセリフを緊張しながら待っていた。‥が、

「ただのイタズラだ」

「えぇっ‥!?」

思ってもなかった発言に、ズルッと体がコケてしまったのは俺だけではなく、高見沢も桜井も同じみたいだった。

後ろからは高見沢が「なんだそれ‥!」と呆れ声でツッコミを入れ、桜井の方は「気まぐれですかっ‥?」なんて呟いていた。

周りに居た猫達も、目が点といった顔をしてしまっている。

つまり俺たちは、王様達のイタズラに振り回されていただけだっていうのか‥?

今ここに実在している方の王様が、「だから私からは何を言っても聞かんと言ったであろう‥?」と、改めて説明を付け足してくれた。

うん、そうだね‥。先代の王様達には逆らえないもんね‥

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