罪人たちの舟 終焉 - 2/13

罪人たちの舟 終焉2

 

桜井たちがこの場から離れていったのを確認し終えると、俺と残った船頭たちはあのヤバそうな男をなんとかするしかない。他の罪人たちも恐怖が伝染して軽くパニック状態になっているので早いとこなんとかしねぇと秩序がなくなる…!

船頭を斬りつけた男の周りには誰一人として人がおらず、全員が警戒してその場から距離を置いている。かくいう俺もアイツがどうなっているのかなんて正直分かんねぇし、さっき桜井が「もうこの世のものじゃない」と言っていた意味もなんとなくは分かる。だってよぉ…もう目が死んでやがる。あれは生きてるというより、ただ操られているだけだ。

 

「その男の中に巣食ってる奴は何もんだ!?今すぐ正体を現せ!!」

そう俺が呼びかけた数秒後、その男の中から何かも分からない黒いモヤのようなものがズズズッ…と出てくるところを見てしまえば、この場にいた全員が「!?」と驚愕の顔をしながらそっちを見ることしか出来なかった。な、なんだアレは…!?

黒い霧の塊みたいな…ユラユラと不規則に動くソレが男の中から全て出てきたのかと思うと、男の体はそのままドサッと地面へと突っ伏したままピクリとも動かずにその肌の色は段々と青白く変色していったのを目にするに、コイツはもうとっくの前から死んでいたのだと気づく。

出てきた黒いモヤがユラユラしているところを3番が「な、なんなんだお前は!?」と警戒しながら尋ねた矢先、そのモヤモヤが次第に人のような形へと変貌していくのが見て取れる。そして地面から僅かに離れ、空中に浮遊し続けるソイツの正体を暴こうにも奴の顔はほぼ見えない。その黒いモヤがまるでフードみたいな役割をしているみたいで、顔をほぼすっぽりと覆ってしまっているから結局何者かまでは見当がつかん。

俺と船頭たちは警戒心を最大にしつつ、周りにいる罪人たちも庇って守らなきゃならねぇ。恐怖に怖気付いてる奴や、見たこともないような現象に驚き恐れ慄いてしまっている奴らばかりなので上手く統率していかないとまた変なトラブルに繋がっていっちまうからそれだけは避けたい。

異様な出で立ちでしかないそのモヤは、やっぱ悪魔かなんかなのか…?

 

「おめーは悪魔か?あぁ?」

「うーん……悪魔ではないなぁ…」

「…!?」

ビッックリしたぁ、喋ってくれるとは思わんかったからちっとドキッとしちまったじゃねぇか。

しかし発せられたその声は、どこかこの世のものではないような低く濁ったかのような、ノイズが混じっているみたいなそんな独特な声。俺や船頭たちは悪魔という存在を認知しているからか、こういう奴が現れようともさほど驚きはしないが周りにいる罪人たちが一斉に騒いでは恐怖で逃げ出そうとするので、マズいと思った俺が「一先ず罪人たちの安全を優先してここから避難するぞ!」と船頭たちに指示すると、全員が「はい!」と返事をしたのちとにかくコイツから離れなきゃならねぇと思い俺もその場から動こうと思った矢先。

その黒い奴が急に体の中から何かとんでもなくデカい物を出して振り回したかと思いきや……

 

「…えっ?」

「なっ…!?」

シュパンッ!!と一振りしたその素早すぎるスピードのせいで、一瞬何が起こったか理解出来ていなかった俺たち。声を僅かにあげながら辺りを見渡すと、奴の一番近くにいた罪人たち五人ほどが一斉にドサドサッと地面へと倒れてしまい、彼らはピクリとも動かなくなってしまったではないか。

「……は?」

罪人たちが…死んだ?

理解もままならぬ状況だというのに、それを見ていた罪人たちがとうとう我慢ならんとでも言いたげに「うわぁぁーー!!」「バケモンだぁーー!!」と大声で叫びながら逃げ惑いそうになるその光景。ヤバい…!と思い、再び船頭たちに声をかけようとするも黒い奴がもう一度その鋭くてデカい何かを振り下ろした瞬間、またもやバタバタと罪人たち数人が地面へと急に倒れ込む。

 

「なっ…!アイツまた罪人たちを…!?」

「おい、やめろ!これ以上罪人たちの命を奪うな!まだ裁きすら行われていないのに…!!」

1番と4番がそう奴に向かって口を開くが、あの黒い野郎はうんともすんとも言わず。なので残りの罪人だけでもなんとかしようと俺たちもその場から動き、散り散りになりかけている罪人たちを呼び戻そうと必死に声をあげるがやはり恐怖が蔓延してしまっている為に聞く耳を持っていない。

この島へ来て一番やらかしちゃダメなのは恐怖を植え付けることだ。じゃないと今みたいなこんな状況になっちまうし、罪人たちは既に俺たちの話しを聞いてはくれない段階にまで来ちまっている。どうする…っ?どうこの場を収めれば…!

「みんな勝手に動くんじゃねぇッ!!バラバラになるな!」

俺がそう大声で罪人たちに伝えてみせるも、やはり効果は薄そうだ。そしてあの黒い奴が逃げ出した罪人たちの方を見据えたような雰囲気を見せた途端、奴はもう一度その大きな……大きすぎる鎌を頭上に掲げたその直後。

ブォンッ!という空気を切り裂いたかのような音が俺の耳に入ってきたかと思うと、奴は狙いを定めたかの如く逃げた罪人たち目掛けて鎌を大きく振り下ろしてしまったではないか。

俺の「やめろー!!」と叫ぶ声も虚しく、最後の一振りとでも言いたげな大鎌の動きが終えた途端、やはり逃げていた罪人たちが全員一斉にバタバタと倒れ込んでいく。

そんな…!

 

「アイツ、どうやって人の命を…!?」

「ただあの鎌を振り下ろしただけなのに全員死ぬだなんて…!!」

2番と3番が驚きを隠せないでいるのも仕方がないだろう。俺にだって訳が分からんのだからな。

「やっぱり奴は悪魔でしょうか…?」

隣にやって来た1番が俺に尋ねてくるが、俺にも分からんので「さぁなぁ…」としか答えることが出来なかった。言われてみれば悪魔っちゃ悪魔にも見えるし、雰囲気的に何か別のものにも見えなくはない。例えば霊的な何かとか…

「……死神」

「えっ?」

「奴はまるで死神だ。あの大鎌といい、黒い格好といい魂を狩り取る姿はまさに死神そのものだ。もしかしたら悪魔なんかよりもタチが悪いかもしれねぇぞコレ。なんてったって一応神だからな」

「そんな…!」

罪人全員が動かなくなってしまった中でも冷静に立ち回る船頭たちは、一旦全員が俺たちがいる方へと戻ってきては「どうしますかアイツ!?」と尋ねてくる。

 

「どうしようかねぇ…。今は悪魔たちもいねぇし俺たちだけで対処出来ると思うかぁー?」

「それは分かりませんが…、でものさばらせていい訳もありませんから」

「坂崎さんが重症の今、俺たちだけでどうにかするしかないじゃないですか!」

「それもそうだよねぇ。…テメェら警戒心は怠るなよ?戦闘準備にかかれ」

「はい!!」

俺が静かに呟けば、全員奴を囲むような形で一定の距離を保ちながら陣形を組む。陣形が整うその間に俺は持っていた棍棒を何度かクルクル片手で回したのち、全員が配置についたのを確認してから改めて棍棒を構えては奴と対峙する。

「おい、テメェ。どっから出てきやがった?この島は悪魔たちのもんだって分かってここに来てんのか?」

「……悪魔」

「どうやって来た?何しに来た?大勢の人間を殺しておめーは何がしたいんだ?あ?」

詰め寄るかのような質問攻めに対しても奴は俺の話しを聞いてるのか聞いてないのかよく分からんような態度でユラユラとその体は蜃気楼みたいにただ浮遊しながら揺れているだけ。フッと息吹きかければ体ごと消えてくんねーかな、なんて単純なことを考えつつもそんなことは有り得ないだろうから戦うことになるんだろーねぇ。

すると時間を置いてから奴が「…私は呼ばれただけだ」と説明する。

 

「呼ばれただとぉ?誰に?」

「私が憑いていたあの男が呼んだのだよ。助けて欲しい、死にたくないと言っておったが贄(にえ)を差し出さずに望みを要求してくるので代わりに奴の魂を狩ったまで。そして奴が願ったように、ここにいる者たち全員を死に追いやりたいと私を呼び出す際に言っておったのでそれを実行しているだけ。私は仕事をしているだけだ」

「ほぉーん…。元凶はあの罪人ってことかぁ…」

よくもまぁこんなヤベー奴召喚してくれたもんだなぁ。とんでもねぇ置き土産じゃねーか。しかも全員殺すときたか。さてどーする?悪魔たちがいない今、奴をこれ以上好き勝手させたら船頭たち全員の命が逆に危うい。コイツに命奪われるっつーよりかは悪魔たちに殺されちまう可能性のが高いってこった。そうはさせない為にもやはりここは俺たちでコイツを対処しなくちゃならねぇか。やっぱやるしかねぇわな。さて、どうしようか。

「なんにせよここは悪魔たちが支配してる島だもんでねぇ、アンタみたいな奴が来ていいような場所じゃないんですよぉ。なので帰ってもらえませんかねぇ?」

「……うーん」

俺の頼みを聞いてるのかテキトーに返事しているのかが分からん。さっきからコイツの態度が全然読み取れなくてこっちも困る。本当に考え込んでいるというよりは、ただなんの感情もなく返事をしているだけにしか見えんしな。

奴を取り囲み、最後にこちらから「サッサと帰りやがれ」と伝えてみせるもやはり奴はあまり気にしていないらしい。囲まれているというのに周囲を警戒する素振りは見せないし、なんなら余裕そうにも見える。腹が立つわぁ。

船頭たちと目で合図し合って奴に対してどう連携していくかを確認し合い、全員が棍棒を構えては今すぐにでも飛び出せる準備は出来た。

 

「…まだ人間、他にもいる?」

「うるせぇ。もう一度言うがもう帰りやがれ!悪魔たちにバレたら俺らが危ういんだよぉ!しかも勝手に罪人たちの魂奪いやがって…!!まだアイツらに話しも聞いてやれなかったじゃねぇかよッ!」

「そうかー…。すまん」

その喋り方が妙にイラッときてしまう。顔に出ちまったのか俺が相手を睨んでいると、奴はもう一度「ごめん」と謝る…が、その言葉に心なんて全くこもっていないのはすぐに分かる。

その異様な雰囲気に俺だけが気づいたのか、もしかしたらコイツと関わったらヤバいんじゃないか?と思い始めるが…

「なんの罪も犯していない坂崎さんに対してもあんな酷いことが出来るなんて…!」

「今すぐここから立ち去れ!」

「許さないぞお前ッ!!」

「覚悟しろ!!」

「ちょっ…、まてお前ら!」

憤っている他の船頭たちが、もう我慢ならんとでも言うように奴へと一斉に飛びかかろうとするところを俺は咄嗟に止めに入っちまった。しかし俺の声は届かず、四人全員であの黒い奴に対して棍棒を持って攻撃を仕掛けようとしているのだが……

「……ちょうどいいかぁ」

「えっ…!?」

「なっ…」

奴がボソッと何かを呟いたのは聞こえたが、何を呟いたかまでは俺には届かなかった。そして次の瞬間、奴の黒いモヤモヤした体の中から突然飛び出してきた細長い黒い物体。ソレが、周りを取り囲んで襲いかかろうとしていた船頭たちの胸辺り目掛けてシュンッ…と、まるで矢でも放ったかのような速さでその黒い物体は四人の体の中を一瞬にして貫いてしまっていた。

俺が「まてッ…!!」と最後に声をあげ、奴らに対して助けの手を差し伸べようとしたその一瞬での出来事。

黒い矢のようなものに背中の方まで貫通されちまった四人は、気を失ったのかなんなのかよく分からないが全員が抵抗も何も出来ずにその場でドサドサッと地面へと倒れ込むだけだった。さっきの罪人たちと同じだ。また…この光景を見なくちゃいけねぇのか…?

 

「お、おい…!?」

慌てて一番近くにいた2番のところへと駆け寄ってはバッと上半身を持ち上げかけた時。

「…!?」

な、なんで……

そんな……、ウソだろおい…?

 

「……死んでる…」

体を持ち上げて2番の顔を見た瞬間に分かってしまった。

目は無情に開いたままで、ダランとした顔と全身に力が全く入っていないことに気づき、貫かれちまった部分は確かに傷が出来てはいるけどその体からはそこまで多くはない血の量がジワ…と着物に滲んでいる程度。それなのにコイツはもう……

え…?だってあんなの…そんな特に攻撃力が高いものには見えなかったのに、なんで…?

意味が分からねぇ…

「っ…!!」

バッと立ち上がって他の倒れている三人をこの場から確認してみせる。誰か…誰か一人でもいいから…一人だけでも無事に生きてる奴はいねぇのか!?

しかし他の三人も2番と同じで誰もその場から一切動かないし、か細い声すらもあげない。

おい待てよ……

ウソだよな…?

ウソだよなッ…!?

 

「なんで…」

言いたくはねぇが、罪人たちならまだしも…って思っちまう自分もいるのだが…でも、だけど…コイツらは違うだろ…?

コイツらはなんの罪も犯してない、真っ当に生きてきた普通の人間だぞ…?

なのになんでコイツらの命まで奪う必要があるんだよ…?

「…バカか、俺は」

俺が言えたセリフなのかってんだよな…ホント。

十年前に生きていたかつての船頭たちに対して俺はこの言葉を面と向かって言えるとでも思ってんのか?自分が改心しかけてるからってこんな都合の良すぎること、絶対に思っちゃダメだろ…

「……っ」

でも…、けどよぉ…!

俺にだってまだ人の心は残ってんだよ…!!

コイツらとはなんだかんだで十年一緒に仕事やってきた仲間ではあるし、言いたいこと言い合っては助け合って生きてきた事実が俺の中にはあるのに…!!

なんで…。なんでコイツらの命が奪われないといけないんだよッ!?

 

「ふざっけんなよ…!!」

ギリッ!と棍棒を握りしめる手の力がこんなにも力強くなったことはきっと今までにはなかったはずだ。

怒りで震え上がりそうになるところを必死に抑え、コイツら四人を殺したアイツに対して死ぬほど睨みつけてみせると奴は「あぁ…ごめん」と、思ってもないのにまた謝ってくるからそれが俺の心に火をつけた。

もうこれ以上俺を…怒らすなッ!!

 

「テメェ、罪を犯してる俺ならまだしも…コイツらはなんの罪も背負ってねぇ真っ当な人間なんだぞ!?なんで殺した!?なんでッ!?」

「んー…」

俺の怒声にも相手は怯むことなく、頭をポリポリかきながらまた反応に困るかのようなよく分からん態度を取っていやがる。あぁあダメだッ…、死ぬほど腹が立つ!!アイツを殺してぇ!!

「この島にいる人間を殺し尽くすまで俺帰れないから…?」

ようやく口を開いたかと思えば…自分は仕事でここへ来ましたってスタンスですか。あぁそうですか。

だったらこちとら仕事の邪魔されて…罪人たちは皆殺しにされ、挙句の果てには仲間たちの魂まで奪い取るテメェなんぞの為に俺は絶対やられたりなんかしねぇ。されたくなんかねぇッ!!

 

「なぁ船頭さんよ…、やーっとアンタの気持ちが今分かったよ…」

自分の仕事を全て台無しにされ、そのうえ仲間たちが目の前で死ぬ光景。

船頭…お前が見た光景って、これなのかよ。

キツいぜこりゃ…、キツすぎるって…

そりゃあ船頭が俺と桜井のこと許せねぇの当然だわな…。お前すげぇよ…本当にすげぇよ…。こんな死ぬほど憎い相手とよくもここまで一緒に生きてきたよな…。しかも自分の命の半分を犠牲にしてまで…

俺も今、お前にしたことが全て返ってきている気がしてならねぇ。

これが因果応報ってやつなのだろうか…

「ただ、もし因果があればなぜ俺自身に返ってこない…?だってコイツらは全く関係ねぇだろ!!俺が……俺が許されないことをしたってだけなのに、なんでコイツらが死ぬ羽目になる…ッ!?おかしいだろうがッ!!!」

「じゃあ…死ぬ?」

「なわけねぇだろぉッ!!」

 

今度は俺自身が奴に向かって飛びついてみせるが、奴の攻撃の範囲も種類も分からねぇのに頭に血が上りすぎてなんにも考えられなくなっていた。

そのせいなのか…、しっかりと構えていたはずなのに奴がまた黒い物体を飛ばしてきたのでなんとかそれは避けられたはいいものの、それに気を取られちまっていたせいですぐ目の前にはいつの間にか黒い野郎が俺の傍にいて、俺は「えっ…?」という情けない声と共にその振り下ろされた大鎌によって体を思い切り斬りつけられてしまっていたようだ。

何が起こったか理解出来ないうちに力はどんどんと抜けていき、最後はこの場にいた全員と同じようにドシャッと地面へとぶっ倒れるだけでしかない。

こんな情けない終わり方なのかよ俺は…

船頭から分けてもらったこの命…、こんなとこで終わらせていい訳が…ねぇのに……

 

「……ぅ、…っ」

体が言うこと聞かねぇ…。いてぇ…。視界が今にも暗転しそうだ…

「…ん?んー??」

相変わらずの不気味な声が俺の上から降ってくるが、奴は俺を見てはとても不思議がっているようだった。

「なんだお前…、なぜ死なん?」

「……知る、かよ…。このヴォケ…」

「んー?」

声を振り絞り、せめて口だけでも反抗しようと試みていたら奴がしゃがみ込んで俺の様子を間近で観察していると、奴は「そうか、そういうことか」と一人納得している様子。

「…?」

「お前の魂、もしやお前のものではないな??」

「……、それが…なんだってんだ…」

「どうりで狩り取れんはずだ。お前自身の魂ではないのだからな。…じゃあ誰の命だ?」

「うる、せぇよ…。とっとと失せろ…」

「お前も含め、全員の命を狩り取ったあとでなら」

そう宣言する黒い奴は、スクッと立ち上がってから俺の縛っていた髪をおもむろに引っ掴んではそのままどこか俺をズルズルと引き摺って移動を始めるが、体が動けないせいでなんにも出来ねぇ…。俺の髪引っ張ってんじゃねーぞこのタコ、痛いんだよ…

そしてとあるとこでピタッと止まり、奴は転がっていた罪人たちの遺体を複数操り始めると、ソイツらの遺体を使って「さっきの奴らも追って」とだけ伝えると、その遺体は恐ろしく不気味な死の操り人形と化してしまい、体は宙に浮いたまま命令を下された死んでるはずの体は桜井たちが逃げていった方向へと飛んでいってしまった。

マズい…このままじゃ桜井たちが危ねぇ…

今こんな状況になってるだなんてきっと想像もしてねぇだろうから、油断してるとマジで全員やられ兼ねんぞこれ…

どうする…?

 

「……くそ」

考えても体が言うこと聞かねぇからどうすることも出来ん。

桜井…5番も6番も……どうか無事であってくれ。

お前らがやられちまったら俺たちはもう……

 

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