「うるさい男だね」
本当にだるそうにマモンが現れた。
どうせ今までのぞき見して楽しんでたんだろうにわざとらしい。
その前に悪魔に夜中に静かに眠るって概念あるのかよ。
「分かってんだろ」
「何が?」
あんまりコイツとは話したくないから必要な事だけを口にした。呼び出した理由なんて分かってんだろうにムカつく。
「幸桜の体調が悪い」
「だから?」
……本当にムカつく。
「原因知ってるんだろ?なんとかしろ」
マモンはわざとらしくため息をついて困ったように眉をひそめる。
「できるならしてあげたいんだけどね……」
悪魔のクセにできないって?
ふざけるな。
「あら、信じてないね?悪魔だって何でもできるわけじゃないんだよ」
「……こうなった原因は?」
「そんなのお前たちを生き返らせた代償に決まってるじゃないか」
何をいまさら、って感じでさらりと言いきりやがった。
そりゃ、いつも頭痛やめまいが起こってる状態みたいだけどそれだけじゃすまないって事か?
「寿命が近づくにつれて症状はひどくなっていく。今日のはそのはじまりだよ」
何だって?
「少しずつ弱っていくんだよ。なんだい、寿命が尽きるその時まで五体満足でいられるとでも思ってたのかい?」
知らずに眉をひそめた俺を見てマモンが面白そうに口の端を上げた。
……ほんっとうにムカつく。
「あの時の坂崎は平凡に生きるよりお前たちを生き返らせることを選んだんだ」
お前ができることなんてないんだよ、と見下ろしてくる。
「坂崎を助けたいか?」
「今、できないって言ったのはテメーだろ」
イライラして睨み付けるとマモンがわざとらしく難しそうな顔をしてきた。
「できないなんて言ってないけど?このまま悪化していくのはどうしようもないって言ったつもりだったんだけど?」
悪化は防げないけど症状は和らげてあげられるよ?だと?
…コイツと言葉遊びなんてしてる暇なんてないのに。
少し冷静にならないと話をマモンに良いように持っていかれそうだ。
それだけは避けたい。
一度深く深く呼吸をする。
俺は詐欺師だ。
こんな所で負けていられるか。
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