「ありがと」
いつも側にいてくれて。
いつも見守っていてくれて。
こんな時じゃないと桜井に素直に言えないから気づかれないようにそっと呟く。
すると桜井がいきなり目を覚ました。
ビックリしていると勢いよく顔を上げて心配そうな顔になる。
「幸桜、大丈夫か?苦しい所は?」
「大丈夫だから落ち着け」
オレの声を聞いてやっと落ち着いたのか普段の桜井の顔に戻った。
慌ててる桜井なんて貴重だな。
「幸桜、とりあえず家に帰ろうか」
マモン様に桜井が起きたら帰れと言われていたことだし、頷いてベッドから降りる。
立ち上がると足に力が入らず膝をついてしまった。
「幸桜!!」
「ちょっとふらついただけだから」
近寄ってきた桜井を手で制してもう一度足に力を入れるが立てなかった。
「ずっと寝てたからだろ。家まで俺が連れてく」
断ろうとしたが桜井の行動の方が早かった。
「えっ…」
背中に手を添えて膝の下に腕を滑り込ませる。
あっという間に……いわゆる『お姫様だっこ』をされてしまった。
「恥ずかしい‼降ろせっ!」
「暴れると落ちるよ」
落とされてはかなわないので抵抗するのをやめた。
「ほら、しっかりつかまって」
抱っこされてるだけでは不安定だから桜井の首に手を回してしがみつく。
こんなの、恥ずかしい……
たぶん赤くなっているだろう顔を隠すために桜井の胸に顔を押し付ける。
桜井の意外と筋肉質な胸に余計に恥ずかしくなり顔を上げられなくなってしまった。
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