「う‥、」
目を覚ませばここはどこかも知らない場所にも見えた。まだ頭が働いてないせいか‥?
ボーッとしてしまっている目の前に現れるのは、どこか見覚えのあるシルエット。あれ‥?お前は‥72番‥?
グッと体を起こしてみせると、ようやく綺麗に広がる視界がオレの目に写し出される。あっ‥と、ここはマモン様の部屋?なんでだ?
ていうか‥‥
「おはよぉ、船頭さーん」
「‥?お、おはよう‥」
「目覚めたばっかで悪いんだけどぉ、今から俺の相手をして貰いまーす」
「は‥?」
何を言っているのか分からない72番に、一瞬トボけてしまったけれど、次の瞬間には視界が思い切り反転したのが理解出来た。
ドサッと下に押し倒されて、上から被さってくる黒い影はオレのよく知っている罪人。なんで?なんでだ?どういう事だ?
クラクラする脳内は今のこの出来事に頭が付いて来てくれない。そして動かそうとしている身体は何故か硬直してしまっており、思うように力が入らない。待って‥このままじゃオレ、72番に何されるか分からない‥
真っ赤な口許がうっすらと笑みを浮かべている。狂気的な二つの目はオレを捉えて離さないまま。
なん‥で‥
「船頭さぁん、俺を楽しませてくれよ‥?」
「っ‥、はっ‥?」
クソッ!!
思わずブンッと振りかざした右腕だったが、それをフイと軽い身のこなしで避けてしまった72番。しかもその右腕をバッと抑え込まれ、そのまままた床に押し付けられてしまえば抵抗は不可能。
なんで?いつもなら絶対にオレは負けたりなんかしないのに。力が思うように出てこないせいもあるのか、ハァ、ハァっ‥と息苦しくなる呼吸。重たい‥身体がまるで鉛のようだ。
反撃をしてしまったせいか、72番が「あー。ダメだよ船頭さん、優しくしようと思ったのにぃ」と言葉を落としてくる。な‥何がだよ‥!
「お、おい!ふざけるのも大概にしないか!!」
「ふざけてないんだけどなぁ~」
「ねぇ?」と告げた瞬間、ガバッと思い切り剥ぎ取られてしまった着物。
えっ‥、えっ?
「お前っ‥!!」
「あー、大丈夫だいじょーぶ。そんなに痛くはしないからぁ」
「やめっ‥」
どこから取り出したのか、72番の手の中には手枷やら鎖やら縄やらが握られてあって、それらを目にした途端に背筋がゾッとしたのは言うまでもない。だって‥コイツの得意技じゃないか、拘束具なんて‥!
「いやっ!!」と大声を出して暴れ回ってみせるも、ガッシリと掴まれてしまった両腕はジャラジャラと鎖やらを巻き付かれてしまうだけ。痛い、痛いっ‥!
しかし暴れるだけムダな行為。あっさりと拘束されてしまった手首に、胸を隠していたサラシをグイと下におろされてしまえばどうする事も出来ない。
や、やだ‥やだっ!!
「お願いだからやめてくれ‥ッ!!やだッ!」
「いいねぇ、そうやってもっと喚いてくれよ船頭さん。そーいう涙目もそそるよぉ」
「あっ‥!やッ‥!」
72番の掌によって触られてしまった両胸。触れられた瞬間、感じた事のない悪寒が全身を駆け巡っていったのが分かる。気持ち悪い‥触られたくない!
やわやわと揉まれ始める胸に、突然きゅっと摘まれる先端。感じたくないのに思わず「アァっ‥!?」と憎たらしい声が漏れてきてしまう。
それを見て調子にのり始めた72番が、不気味な笑顔を見せつけながらオレの方へと顔を近付けては「しっかり感じてるじゃーん」と嫌みたらしく耳元で囁いてくる。
違う‥!違うのに‥っ!!
「ほらぁ、船頭さんのここもう勃ってるよー?」
「んゃアっ‥!やめて‥!お願い、だから‥ぁあッ‥、やめてくれぇッ!!」
「ムーリぃ」
「あぁッ‥、やっ‥!?」
すると72番は、指で弄んでいる方の指とは別の胸に顔を近付けさせたかと思えば、怪しく舌を突き出してくる行為。舐められたくなくて、身体をなんとか動かそうとするも、72番が乗っかってきているせいで身動きすら取れない。
それでも諦めずに足を使ってなんとか身を引こうとしてみるも、逆に72番を楽しませてしまっているだけのようだった。
逃げられないと知っているコイツは、オレをこれからどうするかだなんて‥安易に想像がついてしまう。
そう悟った心が、突然真っ暗な闇に覆われた気がした。何も考えられない。
しかしそれは束の間。72番がオレの胸の先を口に含んだ感覚が脳天にまで響いた時、身体は反射的にビクンッと飛び跳ねてしまったではないか。こんな反応を見た72番は、「感度よすぎない?」と驚きと共にニヤニヤしているその顔。
違う‥これはお前に感じてるんじゃないんだってば‥!
助けてっ‥、誰か助けて‥
「っ‥!?んやぁあッ!」
「船頭さん、もしかして胸弱いのぉ?」
「ハァっ‥、ひゃッ‥う、」
「すげぇエロいわ」
こんな罪人なんかにオレの声を聞かせるハメになってしまっている。
悔しい。こんな筈じゃなかったのに‥
暫くの間、ひたすら胸だけを攻められ続けてしまっていたせいで頭がおかしさを訴え始めてきた。身体を許したくない嫌な相手だと分かっていても、嫌悪している心とは裏腹に何度もビクビクと震えてしまう全身。
オレの瞳に涙を見せようが、72番には何も届いていない。なんで‥?一緒にここまで仲間として働いてきたじゃないか‥
「んんぁアアッ!」
「はっ、嫌だって言いながら胸だけでイってるじゃん」
「や‥っ、ちが‥ぅ!」
「違わないでしょー?」
「あっ、やだ‥!そっちはダメ!」
否定の言葉を並べてみせるが、そんなもの72番の耳にはまるで届いていないかのような態度。
胸を弄るのが飽きたのか、72番の手はオレの下半身へと伸びていく。だけどダメ‥そっちは本当にやめて!!
「まって!!お願いだ、72番っ‥」
「もう遅い」
ゴソッと感じる触れられたくない箇所の違和感。
「っ‥!?」
「‥濡れてるじゃん」
ズルズルと履いているものを脱がされていき、そうすればオレの下半身は何も隠されていない状態になってしまった。もう‥嫌だよ‥!それ以上は触らないで!!
だけどそんな思いは打ち砕かれ、72番の指がツプ‥と中に侵入してくる感覚が襲ってくる。しかも簡単に指の根元まで飲み込んでしまったせいで、羞恥の心が一気に燃え盛ってしまう。
顔を真っ赤にしてしまったせいか、72番がオレを見やりながらグチュグチュと音をかき鳴らしては更に辱めを与えようとしてくる行為。なんとも言えない屈辱感を胸に飼いながら、声だけは出さないようにと唇を噛み締めてみせたが‥それが返って奴の怒りを買ってしまったらしい。
強情だねぇ、なんて呟いた72番は親指で一番敏感な箇所をグリグリと押しやってくるではないか。
や、やだ‥っ!
「んんんンッ‥!!」
「ほら、脚とじないのぉ」
「ふぅーッ‥、ふぅう‥っ、んー‥!」
「そんなに声出したくないなら出さないようにしてあげようかぁ?」
え‥?
「んんっ!?むーー!むぅッ‥!」
と、疑問に思った次の瞬間には72番がオレの口の中に布を突っ込んでくる行動に出始めた。いきなり口を閉ざされた事に驚きを覚えてしまったオレに対し、72番の手にはまた何かがある。
な、なんだよソレ‥
首を横に軽く振り、嫌だという意思を示した所で72番に何かが伝わる筈がなかった。そんな彼は、オレを見下ろしながら「どっち使うー?」なんて聞いてくるけど、どっちも嫌に決まってるだろ!?
「こっちがローターでぇ、こっちがバイブねぇ。船頭さんも一回ぐらいは使った事あるでしょお?」
「ふ‥っ、んッ?」
「あれぇ?なさそうだねぇ」
なら好都合、と呟く72番。
そしてその二つを一旦床に置いたかと思いきや、オレの目の上に何かを被せてきてしまい、突然視界を真っ暗にされてしまった。ヤバい‥絶対にヤバいぞコレ!?
恐怖で涙が溢れてきてしまっている事にすら気付かない今の自分は、あの頃のオレだ。
ただ‥大切な人を失う所を見てるだけしか出来なかった弱い自分‥‥
「‥っ!!んんンーーーーッ!?」
「わぁ。すげぇいい反応するじゃん」
何が起こったのかが最初分からなかった。
ただ、下半身から来るとんでもない刺激が全身に雷が走ったかのような衝撃を受けてしまったせいで、またもや身体が異常な程にビクンッ!と跳ねてしまっていたのだ。
あっ‥、あぁアッ‥!!おかしくなるよぉッ!
ヴヴヴヴと無機質に鳴る機械がオレを苦しめてくる。見えない恐怖がオレを蝕めてくる。
得られる快楽とは言い難い苦痛にも似た感情と感覚。
頭が‥っ、おかしくなる‥
もうやめてっ‥、もうやめてくれッ!!
ツウッ‥と流れた一筋の涙。
桜井‥
なんで‥助けに来て、くれないんだ‥?
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