風の詩の旅人 番外編 - 7/15

旅人さん(続編その後)

 

 

俺はとある場所で待ち合わせしてる人がいる。その人が来ないかずっと待ってる間は、天使と悪魔がいつものように話相手をしてくれる。

相変わらず二人は俺を導いてくれて、沢山の知識を教えてくれたり、色んな人々とも逢わせてくれる。そんな二人の中には、高見沢と坂崎の魂がある。俺には見えないけど、俺の背後の上辺りに幽体がふわふわと浮いてるそうだ。この間立ち寄った店に、偶々霊媒師さんが居て、二人の事を指摘された。

 

悪い霊だからお祓いしようとか適当な事抜かしやがるから、俺はムッときて店を出ようとした時に同じく怒っていた高見沢と坂崎が勝手に出てきちゃうから色々と面倒な事になりかけたが、何とか誤魔化せてその場を立ち去る事が出来た。

そんな事はあるけれど、充実した旅はしている。

 

 

「まだかなー」

俺が呟くと、頭の上に居た天使が顔の前に来ると、いきなりペチッと小さな手でビンタしてきた。反射的に「いてっ」と言ったが、悪魔に「そんな訳あるか」とつっこまれた。

「何?」

「ほら、アレだろ?」

「‥あ!」

 

天使が指差す方を見た俺は、その人を捉えると思わず走ってしまった。

 

「兄貴ぃー!!」

「久しぶりだな兄弟‥って、うわぁ!?」

 

嬉しさの余り、飛び付いてしまった俺をガシッと掴まえてくれるのは兄貴。俺の尊敬する“戦場のギタリスト”だ。

ギリギリ支えきれた俺を見て兄貴は「子供かよ」と呆れ顔だった。それ程貴方に会えたのが嬉しかったんです。

 

 

「聞いて下さいよ!俺、旅人や冒険家の人達の間では少し有名になったんですよ!」

「そう手紙にも書いてあったな。偶に俺もお前の噂聞くよ」

「えっ‥!」

「凄いじゃないか。俺の兄弟の一人って色んな奴らが知っていた。この間、偶々“冒険者たち”の奴らにも会ってさ、驚いてたぜ?」

 

ニコッと優しい笑顔を向けられると、俺の心は飛び跳ねそうなくらい嬉しさを覚えた。ちょっとずつだけれど、兄貴に近付いているなら俺は何も文句はない。それだけで幸せだ。

しかし、同時に照れくささもあり、少し顔を俯けると兄貴の手が俺の頭にポンと置かれる。

 

 

「良かったな。兄弟」

俺は兄貴には見えない頭の上に乗っている天使と悪魔に目をやると、満足そうに微笑んでくれていた。

 

「俺‥もっと立派な旅人になります」

「楽しみにしてるよ。いつか一緒にギターを弾こう」

「はい‥!」

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