罪人たちの舟13
そして三日目の今日は、罪人たちの裁きを行う日。
悪魔たちからの裁きを言い渡された後は、大体の奴らが島の中央にある瞑道の窯へと身を投げ捨てて貰う事になっている。
罪人が百人居たとすれば、その内の五人が生き残れりゃあマシな方だったりするもんだ。その生き延びた罪人は、ここの島に残り何年か仕事を続けて更正出来た奴だけが帰っていける。
まぁ、そんな奴はほとんどいないけどさ。
支度を済ませ、朝早くから家を出て罪人たちが収容されている施設まで足を運ぶ。
そして施設に着けば、先に来ていた仲間数人でミーティングをし終えてから罪人たちを牢から出す形になる。
罪人を外へ出し、人数や罪状を確認したり、何か変な物を持ってないかチェックをする。それが終われば、罪人たちをもう一度整列させて裁きを下す館まで連れて行く。
俺は前の方を歩き、マモン様に裁かれる罪人たちの先頭を切って歩いていた。しかし、後ろが騒がしくなり始めてきている。「ん?」と思い、気になって振り返った時に、仲間の声が聞こえてきたので、心配になって様子を窺う為にも一旦全員歩くのを止めさせた。
と、次の瞬間‥
ドガッという鈍い音と共に、背中にいきなり激痛が走った。
「なっ‥なんだ!?」
痛みに耐え、なんとか倒れずに済んだものの、頭を上げて辺りを見回すとなぜか罪人たちの手枷が壊されて外れている。それも一人だけではなく、何人もだ。
えっ、なんで‥?さっきコイツらの点呼した時は怪しい箇所なんて何もなかったのに‥
頭が混乱して、思考が一瞬封鎖状態になってしまったが、襲い来る罪人たちの攻撃を急いで交わし、持っていた棍棒で相手の動きを封じる。だけど人数が多すぎる。このままじゃ一般人より強い俺達でも流石に危ない。
「なっ‥なんだテメェら!?」
「すまんね、船頭さん。ちょっと大人しくしてて貰えるかい?」
「んなこと聞いてられるか!お前らこんなことしてタダで済むと思うなよ!?」
「あぁ、そうだな。でも聞こえてくるだろ?アンタの仲間の叫ぶ声が」
「っ‥」
すると、罪人が言った通りに「うわあぁああぁ!!」と他の仲間たちがあちこちで大きな声を上げてるのが聞こえてくる。このままじゃマズいと思った俺は、ひとまずこの場から逃げ出そうとしたが、何人もの男に捕まってしまった。
「何をするんだ!?」
「ちょっと眠っててよ、船頭さん」
その直後、大きな堅い物が頭を直撃したゴッという音が脳を響かせれば、それからの記憶は一切なくなっていた。
*
「ぅ‥」
ここは‥?
頭がズキズキしててボーッとする。フラフラとした頭を無理やり引き起こしてみせれば、そこは自分の家の中だった。
なんでだ‥?
とても見慣れているから間違う筈がない。疑問を抱えながら体を起こそうとした時だった。
ギチギチと体中を蝕む縄や鎖。それと手首には罪人が着ける筈の手枷が嵌められているではないか。
「な、なんだコレ‥!?」
「あー気付いたぁ?」
「!?」
嫌な声が聞こえてきた方に顔をむけると、そこには二人の男が椅子に座りながら俺を見下すような目で見ていた。
な、なんでだよ‥
なんでコイツらがここに居るんだよ‥
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