人魚の王子様 番外編 - 8/15

人魚の王子様 タロウside

 

人間の王子と出逢ってからというものの、タカミーが俺と余り遊ばなくなってしまった。悔しいというか寂しいというか‥‥

 

あぁ、もうそうだよ!単純に嫉妬してるだけだよ!

こっちだって小さい頃からずっと一緒なんだからな!もう‥

 

そしてまた今日もタカミーがあの二人の所に行こうとしている。いつもいつも胸を踊らせては楽しそうに俺に喋ってくる。俺の気持ちなんて考えてもない癖に‥。

確かにあの人間達はとってもいい奴らだ。実際、逢って何度か会話もした。タカミーが言ってた通りの本当に最高な人間だった。だけど、俺は二人にタカミーを取られた気がして悔しかった。自分がタカミーを人間にさせたのに‥ほんとバカだよね。
だから最近、ちょっと冷たい態度を取ってしまう。そんな俺を見てタカミーも少し寂しそうにしている。

 

陸より海の世界のが何倍もいいのに‥。

 

「タロウー、お前もそろそろ僕と一緒に二人の所へ行こうよー」

「別にいいよ」

「うぅ‥最近冷たいよ‥。二人が嫌い?」

 

そうじゃなくて‥。楽しそうに喋ってる姿を見るとズキンとくるんだって。

 

「もしかして‥僕が嫌いになった‥?」

 

恐る恐る聞いてくるタカミーの顔が今にも泣きそうになっている。そ、そんな泣く事じゃないでしょ‥!

 

「な‥泣くくらいなら偶には俺とも遊んでよッ!」

「‥‥?」

 

怒鳴ってしまった声にびびったのか、彼はピタッと止まってしまった。

 

「人間と遊ぶのは構わないけどさ‥タカミーは俺らの仲間。人魚なんだからな!‥仲間見捨てないでよ‥」

「タロウ‥」

 

すると、タカミーが俺を優しくきゅっと抱き締めてくれた。今度はこっちがびっくりして体が動かない。こんな事一度もした事ないのに‥。

目を丸くしてると、タカミーが俺から離れ、じっと見つめてくる。

 

「お前はこの僕達の世界では一番の友達だと思ってる。僕が王子だから皆一歩引いてしまうけど、タロウは違う。僕を普通の人魚として接してくれた。嬉しかったんだ僕。‥陸ではアイツらが大切だけど、海ではお前が最高の親友だ」

「タカミー‥」

「大好きだよタロウ!ごめんね、お前の気持ちに気付いてやれなくて」

「ううん‥こっちこそ悪かった。嫉妬してたのがバカみたい」

「嫉妬してくれてたのっ?うわー、僕愛されてるねー」

 

-えへへ、と笑う笑顔を見ていたら俺の気分は和らいでいく-

 

送信中です

×

※コメントは最大1000文字、10回まで送信できます

送信中です送信しました!