人魚の王子様 タロウside
人間の王子と出逢ってからというものの、タカミーが俺と余り遊ばなくなってしまった。悔しいというか寂しいというか‥‥
あぁ、もうそうだよ!単純に嫉妬してるだけだよ!
こっちだって小さい頃からずっと一緒なんだからな!もう‥
そしてまた今日もタカミーがあの二人の所に行こうとしている。いつもいつも胸を踊らせては楽しそうに俺に喋ってくる。俺の気持ちなんて考えてもない癖に‥。
確かにあの人間達はとってもいい奴らだ。実際、逢って何度か会話もした。タカミーが言ってた通りの本当に最高な人間だった。だけど、俺は二人にタカミーを取られた気がして悔しかった。自分がタカミーを人間にさせたのに‥ほんとバカだよね。
だから最近、ちょっと冷たい態度を取ってしまう。そんな俺を見てタカミーも少し寂しそうにしている。
陸より海の世界のが何倍もいいのに‥。
「タロウー、お前もそろそろ僕と一緒に二人の所へ行こうよー」
「別にいいよ」
「うぅ‥最近冷たいよ‥。二人が嫌い?」
そうじゃなくて‥。楽しそうに喋ってる姿を見るとズキンとくるんだって。
「もしかして‥僕が嫌いになった‥?」
恐る恐る聞いてくるタカミーの顔が今にも泣きそうになっている。そ、そんな泣く事じゃないでしょ‥!
「な‥泣くくらいなら偶には俺とも遊んでよッ!」
「‥‥?」
怒鳴ってしまった声にびびったのか、彼はピタッと止まってしまった。
「人間と遊ぶのは構わないけどさ‥タカミーは俺らの仲間。人魚なんだからな!‥仲間見捨てないでよ‥」
「タロウ‥」
すると、タカミーが俺を優しくきゅっと抱き締めてくれた。今度はこっちがびっくりして体が動かない。こんな事一度もした事ないのに‥。
目を丸くしてると、タカミーが俺から離れ、じっと見つめてくる。
「お前はこの僕達の世界では一番の友達だと思ってる。僕が王子だから皆一歩引いてしまうけど、タロウは違う。僕を普通の人魚として接してくれた。嬉しかったんだ僕。‥陸ではアイツらが大切だけど、海ではお前が最高の親友だ」
「タカミー‥」
「大好きだよタロウ!ごめんね、お前の気持ちに気付いてやれなくて」
「ううん‥こっちこそ悪かった。嫉妬してたのがバカみたい」
「嫉妬してくれてたのっ?うわー、僕愛されてるねー」
-えへへ、と笑う笑顔を見ていたら俺の気分は和らいでいく-
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